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【ITニュース解説】デレマスの新グッズが本当に3兆通りあるのか計算してみた

2025年09月07日に「Qiita」が公開したITニュース「デレマスの新グッズが本当に3兆通りあるのか計算してみた」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

アイドルグッズの「組み合わせ3兆通り」という宣伝文句を、技術的に検証した記事。プログラミングを使い、実際に組み合わせの総数を計算する過程を解説。桁数の大きい計算や、順列・組み合わせの概念を具体例で理解できる。(119文字)

ITニュース解説

「組み合わせ3兆通り」というキャッチコピーで話題となった、あるゲームの記念グッズがある。この一見すると途方もない数字は、単なる宣伝文句ではなく、プログラミングやシステム開発で用いられる組み合わせ計算の考え方に基づいている。システムエンジニアを目指す上で、このような具体的な事例から、データの組み合わせがどのように計算され、どれほど巨大な数になり得るのかを理解することは非常に重要である。この計算のプロセスを追うことで、システム設計における仕様の重要性や、計算量の見積もりといった実践的なスキルの一端に触れることができる。

このグッズは「フレーム」「アイドル」「称号」「名前」という複数のパーツを自由に組み合わせて作成できる。全体の組み合わせ総数を求めるには、各パーツで選択可能な種類の数をすべて掛け合わせる「積の法則」という基本的な数学の原理を利用する。例えば、10種類のフレームと190人のアイドルを選ぶ場合、この2つのパーツだけでも10×190で1900通りの組み合わせが存在する。このように、選択肢が増えるほど組み合わせの数は指数関数的に増加していく。今回のグッズの組み合わせ数を計算するには、まず各パーツの選択肢の数を正確に特定する必要がある。

グッズの仕様を確認すると、まず「フレーム」は10種類から選ぶことができる。次に「アイドル」は190人の中から1人を選択する。問題は「称号」の選択肢の数である。称号には、あらかじめ用意された「通常称号」と、ユーザーが自由に入力できる「カスタム称号」の2種類が存在する。「通常称号」は、190人のアイドルそれぞれに4種類ずつ用意されているため、190×4で760通りとなる。しかし、組み合わせ数を爆発的に増加させている要因は、この「カスタム称号」にある。

カスタム称号は、最大8文字まで好きな文字列を入力できる仕様となっている。この組み合わせ数を計算するためには、まず入力に使える文字が何種類あるかを定義しなければならない。仮に、入力可能な文字が「ひらがな(濁点・半濁点など含む83種)」「カタカナ(同様に86種)」「アルファベット大文字(26種)」「アルファベット小文字(26種)」「数字(10種)」「一部の記号(32種)」であると仮定すると、合計で263種類の文字が使用できることになる。カスタム称号は1文字から8文字までの長さに対応しているため、それぞれの文字数での組み合わせを計算し、それらをすべて足し合わせる必要がある。例えば、1文字の場合は263通り、2文字の場合は各桁に263種類の文字が使えるため263×263、つまり263の2乗通りとなる。同様に、8文字の場合は263の8乗通りとなる。したがって、カスタム称号の組み合わせ総数は、263の1乗から8乗までの合計値で表される。これは数学的には等比数列の和として計算できる。

これまでの情報を基に、全体の組み合わせ総数を計算する。総数は、フレームの数(10)×アイドルの数(190)×称号の総数で求められる。称号の総数は、通常称号(760)とカスタム称号の組み合わせ数の合計である。カスタム称号の組み合わせ数は、前述の計算を行うと約1.63×10の21乗という非常に巨大な数になる。これを全体の式に当てはめて計算すると、最終的な組み合わせ総数は約4.28×10の19乗、すなわち約4280京通りという結果になる。この数値は、公式が発表した「3兆通り」をはるかに超えている。1兆が10の12乗であるのに対し、計算結果は約4.28×10の7乗倍、つまり4280万倍も大きい。

計算結果と公式発表の間にこれほど大きな乖離が生まれた原因を考察することは、システム開発における仕様の解釈や前提条件の重要性を理解する上で良い訓練となる。考えられる原因はいくつかある。第一に、カスタム称号で利用できる文字の種類が、我々が仮定した263種類よりも大幅に少ない可能性である。例えば、ひらがなとカタカナの一部、数字のみに限定されている場合、組み合わせの基数が小さくなるため、総数も劇的に減少する。実際に、公式の3兆という数値に近づけるためには、使用可能な文字数を約60種類と仮定し、かつ文字数を8文字固定として計算すると近い値が得られる。これは、システム側で何らかの入力制限が設けられていることを示唆している。第二に、マーケティング上の理由から、厳密な計算結果ではなく、分かりやすくインパクトのある「3兆」という概数が用いられた可能性も考えられる。システム開発の現場では、顧客からの要求(今回の場合は「3兆通り」という発表)と、技術的な実現性や仕様の詳細との間に齟齬が生じることは珍しくない。その際に、エンジニアは要求の背景を読み解き、前提条件を確認し、仕様を再定義していく必要がある。このグッズの組み合わせ計算は、まさにそのプロセスを疑似体験させてくれる事例と言える。このように、一見単純な製品の仕様であっても、その裏側には膨大な組み合わせが存在し、その数を正確に見積もるためには、入力値の範囲や文字コードといった詳細な仕様定義が不可欠である。この能力は、データベースの設計やテストケースの作成、セキュリティ対策など、システムエンジニアのあらゆる業務の基礎となる重要なスキルなのである。

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