【ITニュース解説】monorepo でも pnpm の利用を強制させる
2025年09月21日に「Zenn」が公開したITニュース「monorepo でも pnpm の利用を強制させる」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
monorepo環境で、npmやyarnの代わりにpnpm利用を強制する方法を解説。既存の方法ではmonorepo内のパッケージでの強制が困難だった。Miseを使いディレクトリ単位でエイリアスを設定し、pnpm以外のコマンド実行時に「pnpmを使ってね」と表示させることで、利用を徹底する。サプライチェーン攻撃対策としてもpnpmは有効だ。
ITニュース解説
今日のITニュースでは、JavaScriptやTypeScriptを使った開発において、特に大規模なプロジェクトで使われる技術的な話題を取り上げる。それは、「Monorepo(モノレポ)」というプロジェクト管理手法の中で、特定のパッケージ管理ツール「pnpm」の利用を強制する方法についての話である。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、これらの言葉はまだ聞き慣れないかもしれないが、現代の開発現場では非常に重要な概念なので、一つずつ丁寧に解説していこう。
まず、開発者がプログラムを作成する際、様々な「部品」を組み合わせていくことがよくある。これらの部品は「パッケージ」や「ライブラリ」と呼ばれ、インターネット上には無数の便利なパッケージが公開されている。これらのパッケージをプロジェクトに追加したり、更新したり、削除したりする作業を効率的に行うためのツールが「パッケージマネージャー」である。JavaScriptの世界では、「npm」や「yarn」が広く使われてきた。そして近年、「pnpm」という新しいパッケージマネージャーが注目を集めている。pnpmは、パッケージのインストールが高速であること、ディスク容量を節約できること、そしてセキュリティ面でのメリットが大きいことが特徴だ。
なぜpnpmがセキュリティ面で注目されているのか。それは「npmパッケージのサプライチェーン攻撃」が猛威を振るっている背景がある。サプライチェーン攻撃とは、ソフトウェアの開発や配布の過程に悪意のあるコードを仕込み、そのソフトウェアを利用する多数のユーザーに被害を及ぼす攻撃のことである。有名なパッケージの中にこっそり不正なコードが混入され、それを開発者が気づかずに使ってしまうと、そのプロジェクト全体が危険にさらされる可能性がある。pnpmは、パッケージの管理方法を工夫することで、このようなサプライチェーン攻撃のリスクを軽減する仕組みを持っているため、対策の一つとして多くの開発現場で導入が進められているのだ。
次に、「Monorepo」という考え方について説明する。通常、一つのプロジェクトは一つのリポジトリ(Gitなどでコードを管理する場所)で管理されることが多い。しかし、Monorepoは、複数の関連するプロジェクトやパッケージを一つの巨大なリポジトリでまとめて管理する手法である。例えば、ウェブサイトのフロントエンドとバックエンド、モバイルアプリ、共通で使うライブラリなど、それぞれが独立したプロジェクトであっても、Monorepoを使えば全てを一つの場所で管理できる。これにより、コードの一貫性が保ちやすくなったり、依存関係の管理がしやすくなったり、全体としての開発効率が向上したりするメリットがある。特に大規模な企業やプロジェクトで採用されることが多い。
さて、本題に戻ろう。Monorepo環境で開発を進める際、セキュリティ対策としてpnpmの利用を推奨、あるいは強制したいというニーズが高まっている。しかし、Monorepoは複数のプロジェクトを内包しているため、単にリポジトリ全体でpnpmを使えばよいという単純な話ではない場合がある。既存のプロジェクトがnpmやyarnを使ってきた歴史があったり、開発者によっては慣れたツールを使いたがったりすることもある。もし開発者が誤ってnpmやyarnのコマンドを実行してしまった場合、意図せず古い、あるいはセキュリティリスクのあるパッケージがインストールされてしまう可能性があり、Monorepo全体のセキュリティが脅かされることになる。
これまでも、pnpmの利用を強制する方法はいくつか存在した。例えば、プロジェクトの設定ファイルである.npmrcにengine-strict=trueのような設定を記述して、特定のパッケージマネージャーのバージョンを要求したり、Gitのコミット時に特定のスクリプトを実行する「Git Hooks」を使ったりする方法などだ。しかし、これらの方法はMonorepoのように、複数の独立したパッケージが混在する環境では、うまく機能しないことが多かった。Monorepo内の個々のパッケージごとに細かく設定を適用したり、開発者が簡単に既存のツールを使ってしまったりするのを防ぐのが難しかったのである。
そこでニュース記事で紹介されているのが、「Mise」というツールを活用した新しい解決策である。Miseは、RubyやNode.jsといったプログラミング言語のバージョンをプロジェクトごとに切り替えたり、コマンドの動作を管理したりするためのツールである。簡単に言えば、開発環境を柔軟に設定するための「便利屋さん」のようなものだ。このMiseの機能を使って、特定のディレクトリ、つまりMonorepo内の個々のパッケージが置かれている場所で、開発者が誤って「npm」や「yarn」コマンドを叩いたとしても、実際にはこれらのコマンドが実行されないようにする。
具体的には、Miseの機能を使って、本来の「npm」や「yarn」コマンドに対して「エイリアス」を設定する。エイリアスとは、あるコマンドに別名をつけたり、そのコマンドが実行されたときに別の処理を実行させたりする機能のことだ。Miseを使えば、Monorepo内の各パッケージディレクトリにおいて、「npm」や「yarn」というコマンドが叩かれた際に、それらを本来のパッケージマネージャーとしてではなく、「pnpmを使ってください」といったメッセージを表示するだけの簡単なスクリプトに置き換えることができるのだ。これにより、開発者は誤って古いパッケージマネージャーを使ってしまうことを効果的に防ぎ、必ずpnpmを利用するように誘導される。
このMiseを使った方法は、Monorepoの各パッケージレベルで細かく適用できるため、これまで難しかった「Monorepo内でpnpm利用を完全に強制する」という課題を解決する画期的なアプローチである。プロジェクトのセキュリティを強化し、開発チーム全体で一貫した開発環境を維持するためには、このような技術的な工夫が非常に重要となる。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、パッケージマネージャーの選択やMonorepoのようなプロジェクト管理手法、そしてMiseのような開発環境管理ツールの活用は、これからの開発現場で必ず直面するテーマとなるだろう。