Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】「空列だらけの巨大テーブル、どう読む?」— Python In Excel or PowerQueryで“意味ある列”だけ抽出するには

2025年09月13日に「Qiita」が公開したITニュース「「空列だらけの巨大テーブル、どう読む?」— Python In Excel or PowerQueryで“意味ある列”だけ抽出するには」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

レガシーシステムでは、項目数が非常に多い巨大データから必要な情報を探すのが課題となる。システム刷新時のデータ分析で、空欄だらけのデータから業務パターンを把握するには、Python In ExcelやPowerQueryを活用。これにより、意味のある列だけを効率的に抽出し、正確な分析を可能にする。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者にとって、古いシステム、いわゆるレガシーシステムのデータを取り扱う機会は少なくない。多くの企業では未だに数十年前から稼働しているシステムが業務を支えており、そのシステムが蓄積してきたデータは、現代の新しいシステムへ移行する際や、現状の業務を深く理解する上で非常に重要な情報源となる。しかし、このレガシーシステムから出力されるデータには、特有の課題がある。

レガシーシステムが持つデータは、しばしば「空列だらけの巨大なテーブル」として現れることがある。これは、システムが設計された当初、将来起こりうるあらゆる業務パターンやデータ入力を想定し、それら全てに対応できるように、非常に多くの項目(列)をあらかじめ用意していたことに起因する。例えば、顧客情報一つをとっても、通常の連絡先だけでなく、特定のキャンペーン参加履歴、特別な配送指示、過去の購買パターンなど、考えられるすべての情報を記録できるよう、数百、時には数千もの列が設定されることがある。結果として、個々のレコード(行)においては、ごく一部の列にしかデータが入力されず、残りのほとんどの列は空欄のまま、といった状況が頻繁に発生する。

このようなデータ構造は、分析を進める上で大きな障害となる。大量の空の列が存在するため、本当に必要な情報がどこにあるのかを見つけるのが困難になり、データ全体の容量も無駄に膨らむ。また、分析ツールで読み込む際にも処理に時間がかかり、効率的な作業が阻害される。そのため、システム刷新や業務改善といったプロジェクトを進める際には、この膨大なデータの中から、現状の業務にとって「意味のある列」だけを効率的に抽出し、分析することが不可欠となる。これにより、現在の業務フローがどのようにデータと結びついているのか、どのようなデータが実際に活用されているのかを正確に把握し、新しいシステム設計や業務プロセスの最適化に役立てることができる。

この課題を解決するための有効な手段として、「Python In Excel」と「PowerQuery」が挙げられる。これらは、どちらもデータ操作と分析を効率的に行うための強力なツールだが、アプローチが異なるため、状況や個人のスキルに応じて使い分けることが可能だ。

まずPython In Excelについてだが、これはMicrosoft Excelの環境内で直接Pythonコードを実行できる機能だ。システムエンジニアを目指す上でPythonは非常に汎用性が高く、データ分析ライブラリであるPandas(パンダス)は、このような巨大なテーブルデータを扱う際に絶大な威力を発揮する。Excelシート上のデータをPandasのデータフレームとして読み込み、Pythonのコードを使って「全ての値が空である列」や「特定の値がほとんど含まれない列」といった、意味のない列を効率的に特定し、一括で削除することができる。例えば、各列の値のユニーク数を調べたり、非欠損値の割合を計算したりすることで、どの列が実際に情報を持っているかを判断し、プログラム的に必要な列だけを選び出すことが可能となる。この方法は、特に複雑な条件に基づいて列をフィルタリングしたい場合や、複数のデータセットに対して同様の処理を繰り返し行いたい場合に非常に強力な力を発揮する。

次にPowerQueryについて説明する。PowerQueryはExcelやPower BIに標準で搭載されているデータ変換ツールであり、プログラミングの知識がなくても、直感的なユーザーインターフェース(UI)を通じてデータの整形やクリーニングを行うことができるのが大きな特徴だ。ソースとなる巨大なテーブルデータをPowerQueryエディターに読み込むと、各列のデータプレビューを見ながら、不要な列を手動で選択して削除したり、「空のセルが多い列」や「エラー値が多い列」などを自動的に検出して削除したりする操作が可能だ。また、特定の条件を満たす行だけを抽出したり、データ型を変換したりといった、一連のデータ加工ステップを記録し、次回同じデータを処理する際に自動で適用させることもできる。これは、定期的に同じ形式のデータを受け取り、毎回同じクリーニング作業が必要な場合に非常に効率的だ。

どちらのツールも、レガシーシステムから出力される「空列だらけの巨大なテーブル」から、「意味のある列」だけを抽出し、分析しやすい形に整形するための強力な機能を提供する。Python In Excelは、より柔軟で複雑なデータ処理をコードで実現したい場合に適しており、プログラミングスキルを磨く上でも有益だ。一方、PowerQueryは、視覚的な操作で迅速にデータ整形を行いたい場合に最適であり、プログラミングに不慣れな初心者でも比較的簡単に使いこなすことができる。

システムエンジニアとして、実際の現場ではこのようなデータの前処理能力が非常に重要となる。単にプログラムを書くだけでなく、与えられたデータからどのように意味を抽出し、どのように活用するかを考える力は、現代のIT業界において必須のスキルだからだ。レガシーシステムのデータは複雑で扱いにくい側面があるが、これらのツールを使いこなすことで、その複雑なデータを価値ある情報へと変換し、次世代のシステム開発や業務改善に貢献できるようになる。これは、システム開発の初期段階で行われるデータ分析や要件定義において、具体的な課題解決に直結する非常に実践的なスキルと言える。初心者であっても、このような実践的なデータハンドリング技術を学ぶことは、将来のキャリアにおいて大きな強みとなるだろう。

関連コンテンツ