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【ITニュース解説】Root Cause Analysis (RCA): entendendo a causa raiz de incidentes

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Root Cause Analysis (RCA): entendendo a causa raiz de incidentes」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

根本原因分析(RCA)は、システム障害の応急処置だけでなく、その根本的な原因を特定する手法。「なぜ?」を繰り返し問い、再発防止とシステムの継続的な改善を目指す。失敗から学び、品質を高めるための重要なプロセスである。

ITニュース解説

システム開発や運用の現場では、どれだけ注意深く設計やテストを行っても、予期せぬエラーや障害といったインシデントの発生を完全に防ぐことは困難です。しかし、プロフェッショナルなチームとそうでないチームを分けるのは、インシデントが発生した後の対応にあります。問題が起きた際に、その場しのぎで修正するだけでなく、なぜその問題がそもそも発生したのかという本質的な原因を突き止め、二度と同じ過ちを繰り返さないように改善していくことが極めて重要です。このための体系的な手法が「根本原因分析(Root Cause Analysis、以下RCA)」です。RCAは、単なる問題解決のテクニックではなく、システムを継続的に成長させ、チーム全体の技術力を高めるための重要なプロセスと言えます。

RCAとは、インシデントが発生した際に、その表面的な症状、例えば「ウェブサイトが表示されない」「データが登録できない」といった事象だけに対処するのではなく、その背後に隠れている本当の原因、つまり「根本原因」を探り出すための分析手法です。これは、病気の治療に例えると分かりやすいかもしれません。熱が出たときに解熱剤を飲むのは、症状を抑えるための対症療法です。しかし、なぜ熱が出たのかという原因、例えばウイルス感染や過労などを特定し、その原因自体を治療しなければ、またすぐに熱が出てしまうかもしれません。RCAは、この原因治療に相当します。エラーを修正するのは反応的な行動ですが、根本原因を理解し、それを取り除くことは、将来の問題を未然に防ぐ予防的な行動であり、システムの進化につながります。RCAを行う目的は多岐にわたります。第一に、同様のインシデントの再発を防止すること。これが最も直接的な目的です。第二に、システムや開発プロセス、あるいは利用している外部サービスとの連携部分に潜んでいる、普段は見えない弱点を特定すること。第三に、これらの弱点を改善することで、システムの信頼性や安定性を長期的に向上させること。そして第四に、失敗を単なるミスとして処理するのではなく、チーム全員が学びを得るための貴重な機会へと変えることです。一見すると些細なインシデントであっても、その背後には、将来より深刻な障害を引き起こしかねない構造的な問題が隠れていることが多いため、RCAはあらゆる規模のインシデントにおいて重要な意味を持ちます。

効果的なRCAを実践するためには、一般的にいくつかの体系的なステップを踏むことが推奨されます。まず最初のステップは、インシデントに関する情報を可能な限り正確に記録・収集することです。サーバーのログ、表示されたエラーメッセージ、問題発生時の画面のスクリーンショット、そして、いつ、誰が、どのような操作をしていたかといった具体的な状況など、客観的な事実をすべて集めます。次に、収集した情報をもとに、何が起きたのかを具体的に記述します。どのような症状が現れ、ビジネスやユーザーにどのような影響を与えたのか、問題が及んだ範囲はどこまでだったのかを整理します。ここからがRCAの核心部分である、原因の深掘りです。発生した事象に対して「なぜそれが起きたのか?」と問いかけ、その答えに対してさらに「なぜ?」を繰り返し問いかけていきます。この手法は「5つのなぜ(5 Whys)」として知られており、問題の表層から本質的な原因へと段階的に掘り下げていくことができます。例えば、「ウェブサイトが表示されなくなった」という事象に対し、「なぜ?」と問うと「データベースサーバーが応答しなくなったから」という答えが出ます。さらに「なぜ?」と問うと「ディスク容量が上限に達したから」、さらに「なぜ?」で「不要なログファイルが溜まり続けていたから」、そして「なぜ?」で「ログを定期的に削除する仕組みがなかったから」というように、根本的な原因にたどり着くことができます。原因が特定できたら、次に行うべき対策を「是正措置」と「予防措置」の二つに分けて考えます。是正措置は、目の前の問題を解決するための応急処置、例えば手動で不要なログを削除するといった行動です。一方、予防措置は、根本原因を取り除き、再発を完全に防ぐための恒久的な対策、例えばログを自動でローテーションし、古いものを削除するスクリプトを導入するといった行動を指します。RCAの最終的な目標は、この予防措置を確実に実行することにあります。最後に、分析の過程で得られた知見や決定した対策は、必ずチーム全体で共有します。RCAレポートなどの形で文書化し、他のメンバーにも伝えることで、組織全体の知識となり、同じ過ちが別の場所で繰り返されるのを防ぐことができます。

RCAを単発のイベントで終わらせず、組織の文化として定着させるためには、技術的な手法だけでなく、適切な心構えを持つことが不可欠です。最も重要な原則は「犯人探しをしない」ということです。RCAの目的は、個人のミスを糾弾することではなく、誰もがミスを犯しうるという前提に立ち、システムやプロセスそのものの不備を改善することにあります。もし誰かの責任を追及するような雰囲気があれば、関係者は萎縮してしまい、真実を話すことをためらうでしょう。それでは正確な情報共有ができず、真の原因究明は困難になります。分析は、個人の記憶や憶測といった曖昧なものではなく、必ずログ、監視データ、システムの変更履歴といった客観的で具体的なデータに基づいて行うべきです。事実を積み重ねることで、より正確な原因特定が可能になります。また、インシデントが複雑に絡み合っている場合は、時系列で出来事を整理したり、原因と結果の関係を図で示す「因果関係図」などを用いたりして、思考を構造化すると、見落としがちな関連性や依存関係に気づきやすくなります。そして、特定された根本原因に対する予防措置は、複数にわたることがあります。すべてを一度に実施するのは現実的でない場合も多いため、最も影響が大きく、効果の高い対策から優先順位をつけて計画的に実施していくことが重要です。

ここまで見てきたように、RCAは単に障害の原因を特定するための診断ツールではありません。それは、失敗という避けられない出来事から組織的に学び、システムをより堅牢で信頼性の高いものへと継続的に改善していくための学習プロセスそのものです。インシデントが発生した際に、その場しのぎの対応に終始するのではなく、なぜそれが起きたのかを深く、そして誠実に掘り下げる文化を育むことが、優れたシステムを構築し、ひいては信頼されるシステムエンジニアへと成長するための鍵となります。あらゆる失敗は、より良い未来を作るための貴重な学びの機会です。RCAという手法は、その機会を最大限に活用するための強力な羅針盤となるでしょう。

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