【ITニュース解説】Refactor Smart Today, Move Faster Tomorrow — Part 4: Refactoring Without Regret
2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「Refactor Smart Today, Move Faster Tomorrow — Part 4: Refactoring Without Regret」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
リファクタリングは、コードの内部構造を改善し、将来の開発を速くするための大切な作業だ。失敗しないためには、テストを常にグリーンに保ち、変更は小さく分けて行い、既存の振る舞いは変えないことが重要。未テスト部分には先にテストを追加し、チームとの連携も忘れずに行うと良い。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、コードをより良くしていく「リファクタリング」は非常に重要な技術だ。リファクタリングとは、プログラムの外部から見た動作を変えずに、内部の構造を改善する作業を指す。コードを整理整頓し、将来の変更や機能追加がしやすく、バグが入り込みにくい状態にすることが主な目的だ。しかし、このリファクタリングは、一歩間違えると大規模な修正になってしまったり、逆に新しいバグを生み出してしまったりすることもある。後悔しないリファクタリングを行うためには、いくつかの大切な心構えと具体的な実践方法がある。
まず、リファクタリングを行う上での最も大切な心得として「システムを常にグリーンに保つ」という原則がある。グリーンとは、プログラムのテストがすべて成功している状態を指す。リファクタリング中にテストが失敗する状態、つまり「レッド」な状態が長く続くのは非常に危険だ。理想的には、一つ一つの小さな変更を行うたびにテストを実行し、常にテストがパスしている状態を維持するべきだ。これにより、今行っている変更が既存の機能を壊していないかを即座に確認できる。コードを修正する際は、アプリケーションが正しく動作し、テストが成功し、そして以前よりもコードの状態が良くなっていることを常に意識することが重要である。もしコードが一日以上も壊れたままになっているようなら、それは将来的に大きな問題を引き起こす兆候だと考えるべきだ。
次に、リファクタリングの変更を「小さく、目的のあるコミット」に分割することが推奨される。コミットとは、コードの変更履歴を保存する単位のことだ。一度にたくさんの変更を詰め込んだ巨大なコミットは、後からその変更内容を理解するのが難しくなり、もし問題があった場合に元に戻すのも一苦労となる。一つのコミットでは一つの問題だけを解決するように心がけ、その変更が何を目的としているのかを明確にすることが大切だ。こうすることで、将来コードを見返したり、バグを修正したりする際に、どの変更が何をもたらしたのかが簡単に分かるようになる。
リファクタリングの非常に重要なルールとして「動作を変更しない」という点がある。リファクタリングの目的は、機能を追加したり、既存の機能の動きを変えたりすることではない。あくまでコードの内部構造を改善することだ。もしプログラムの出力や挙動を変える必要がある場合は、それには明確な理由が必要であり、その変更を検証するための新しいテストの作成、そして必要に応じてデータを移行するための計画も準備しなければならない。基本的には、コードの見た目や構造を良くすることがゴールであり、機能そのものを変更するのは別の作業だと区別して考えるべきだ。ただし、もし既存の動作自体が間違っていた場合は、その限りではない。
未テストのコードに手を付ける際の鉄則は「まずテストを追加する」ことだ。もしテストが全く書かれていないメソッドをリファクタリングする必要がある場合、いきなりコードを修正し始めるのは非常に危険である。まず、そのメソッドが現在どのように動作しているかを検証するためのテストコードを書くべきだ。これにより、既存の機能が正しく動いていることを確認した上でリファクタリングを開始できる。もしリファクタリング後にテストが失敗した場合、それは新しいバグを生んでしまったか、意図しない動作変更をしてしまった証拠であり、すぐに気付くことができる。これは自分の変更に対する信頼性を高める上で非常に効果的な方法だ。
コードの品質を高める上で「賢く名前を変更する」ことも大切だ。リファクタリングでは、変数名や関数名、クラス名などをより分かりやすいものに変更することがよくある。しかし、単に名前を変えれば良いというわけではない。名前を変更する際は、それがコードの明確さを増す場合にのみ行うべきだ。「Helper」や「Manager」のような曖昧で一般的な名前は避け、そのコードが何をするものなのかを具体的に表す名前を選ぶ。例えば、「ServiceHandler」よりも「DonationProcessor」のように、そのドメイン(特定の業務領域)で使われる言葉を用いた方が、よりコードの意図が伝わりやすくなる。明確な名前は、コードの理解を半分にしてくれると言っても過言ではない。
優れたリファクタリングは「目に見えない進捗」として行われるべきだ。つまり、リファクタリングの作業は、最終的なユーザーには一切気付かれないように進めるのが理想的だ。リファクタリングの結果として、新しいバグが発生したり、既存の機能が壊れたり、ユーザーが「あれ、なんか動きがおかしいぞ?」と感じるようなことは絶対にあってはならない。開発チーム内部ではリファクタリングの成功を祝うことができるが、製品チームやユーザーはその変化に気づく必要はない。
最後に、もしリファクタリングが新しいデザインパターンを導入したり、大規模な抽象化を行ったり、アーキテクチャ全体を変更するような複雑なものになる場合は「複雑な変更にはドキュメントを残す」ことが重要だ。将来そのコードを担当する開発者のために、変更の意図や新しい構造を理解するための手掛かりを残しておくべきだ。具体的には、コード内の簡潔で役立つコメント、READMEファイルへのコード例の追加、GitHubの課題追跡システムやアーキテクチャ決定記録(ADR)を使った設計思想の共有、そしてAPIや設定ファイルの変更に関する移行ガイドなどが挙げられる。
リファクタリングで陥りがちな間違いにも注意が必要だ。最も危険なのは「テストなしでのリファクタリング」だ。これは目隠しをして歩くようなもので、一度間違えれば全体が破綻する可能性がある。次に、「全てを一度に変更する」のも避けるべきだ。このアプローチは、レビューが困難な巨大なコード変更を生み出し、何かあった時に以前の状態に戻す「ロールバック」も非常に難しくなる。また、「完璧を追い求める」ことも良くない。リファクタリングはコードを改善するためのものであり、完璧な理想郷を作り出すことが目的ではない。「完璧は完成の敵」という言葉の通り、改善の度合いで満足し、次のステップに進む柔軟さも大切だ。チームとの「コミュニケーションを忘れる」のも問題だ。もしチーム全体でリファクタリングの計画や方針が共有されていなければ、自分のクリーンなコードが、他のメンバーの作業を壊してしまう可能性もある。最後に、「レガシーコードを時期尚早に削除する」のも危険だ。新しいロジックが完全に検証され、安全に運用できると確信できるまでは、古いコードは残しておくべきだ。
オプションではあるが、より効果的にリファクタリングを進める方法として「フィーチャーブランチとプルリクエスト(PR)テンプレートの使用」が挙げられる。フィーチャーブランチとは、特定の機能開発やリファクタリングのために一時的に作成するコードの分岐のことだ。そして、その変更をメインのコードに合流させる際に、プルリクエストという形でチームメンバーにレビューを依頼する。このプルリクエストを「15分以内にレビューできる」ほど小さく、目的が明確(例:「このPRはコントローラーからメールのロジックを分離します」)で、その変更がリファクタリングなのか、機能追加なのか、単なる修正なのかといった「タイプでラベル付け」されていれば、レビューする側も内容を理解しやすくなり、チーム内での誤解を防ぎ、変更履歴を追跡しやすくなる。
まとめると、リファクタリングは単にコードを移動させることではなく、明確な意図を持って進める作業だ。常にテストが成功している状態を維持し、作業は小さなステップで区切り、機能の動作は不必要に変更しないように気を付ける。そして、あらゆる変更にテストで裏付けを取り、チームとの密なコミュニケーションを怠らないこと。何よりも、独りよがりな賢さよりも、誰が見ても分かりやすい明確なコードを目指すことが、後悔しないリファクタリングを成功させるための鍵となるだろう。