Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】ソフトウェアの生産性を犠牲にせずにセキュリティを確保する方法

2025年09月16日に「InfoQ」が公開したITニュース「ソフトウェアの生産性を犠牲にせずにセキュリティを確保する方法」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ソフトウェア開発でセキュリティと効率の両立は課題だ。記事では、予防だけでなく、万一のセキュリティ問題発生時の被害を最小限に抑える対策が効果的と提唱。セキュリティチームとの協力、影響範囲の制限、自動化で、開発のスピードを落とさず安全性を高める。

ITニュース解説

現代のソフトウェア開発において、セキュリティは極めて重要な要素である。しかし、セキュリティ対策を強化しようとすると、しばしば開発のスピードや生産性が犠牲になるという問題に直面することがある。例えば、厳しいセキュリティレビュープロセスを導入したり、多くのチェック項目を設けることで、コードのリリースが遅れたり、開発者の負担が増えたりすることが懸念される。このような「セキュリティと生産性の衝突」は、長年にわたるソフトウェア開発の大きな課題の一つだ。

この記事では、この課題に対し、従来の考え方とは異なるアプローチを提案する。Dorota Parad氏の主張によると、すべてのセキュリティ侵害を完全に予防しようとすることよりも、万が一侵害が発生してしまった場合に、その被害や影響をいかに最小限に抑えるか、という点に焦点を当てる方が、より現実的で効果的であるという。これは、どんなに完璧な対策を講じても、すべての攻撃を防ぎきることは困難であるという前提に立っている。つまり、「予防」だけでなく「発生時の被害軽減」に重点を置くことで、セキュリティを確保しつつ開発の足かせになることを避ける発想だ。

具体的には、いくつかのアプローチが提唱されている。まず一つは、コンプライアンス(法令遵守や社内規定など)に対する柔軟な姿勢と、セキュリティチームとの密接な協力体制の構築だ。厳格で画一的なコンプライアンス要件が、特定のプロジェクトや技術スタックの実情に合わず、不必要な手間を生み出すことがある。これを避けるためには、単にルールを押し付けるのではなく、セキュリティチームと開発チームが協力し、対話を通じて、それぞれのプロジェクトに最適な、本当に実用的な保護策を定義することが重要となる。セキュリティ担当者が開発の背景を理解し、開発者がセキュリティの意図を把握することで、双方にとって無理のない効果的な対策が講じられる。

次に、セキュリティ侵害が発生した際の影響範囲を制限する考え方がある。これは、例えば、システム全体が一つの大きな塊として動いていると、どこか一部に脆弱性が見つかり攻撃された場合、その影響が全体に波及してしまうリスクがある。そうではなく、システムを細かく分割し、それぞれの部分が独立して機能するように設計することで、仮に一つの部分が侵害されても、他の部分への影響を最小限に抑えることができる。これは、いわゆる「最小権限の原則」(必要な機能やデータにのみアクセス権を与える)や、「マイクロサービスアーキテクチャ」(システムを小さな独立したサービスに分割する)といった概念にも通じるもので、被害の拡大を防ぎ、復旧作業を迅速に行う上で非常に有効な手法となる。

さらに、自動化の積極的な利用も重要な要素として挙げられる。セキュリティに関するチェックやテストを手作業で行うと、膨大な時間と労力がかかり、開発プロセス全体を遅らせる原因となる。そこで、コードが書かれたり変更されたりするたびに、自動的にセキュリティ上の問題がないかを検査するツールやシステムを導入することが推奨される。例えば、脆弱性スキャンツールや静的コード解析ツールなどを開発パイプラインに組み込むことで、開発者は問題を早期に発見し、修正できる。これにより、手作業によるチェックの手間を省き、エラーの見落としを防ぎながら、一貫したセキュリティレベルを維持し、生産性を損なわずにセキュリティ品質を向上させることが可能となる。

これらのアプローチを組み合わせることで、開発チームはセキュリティを強化しつつも、過度な負担や開発遅延を招くことなく、効率的にソフトウェアを開発できるようになる。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、単に技術的な知識を習得するだけでなく、このようなセキュリティと生産性のバランスを理解し、それを開発プロセスに組み込むための考え方や手法を学ぶことは、今後のキャリアにおいて非常に価値のあるスキルとなるだろう。現代のソフトウェア開発において、セキュリティは後付けで考えるものではなく、開発プロセスの初期段階から組み込み、常に意識し続けるべき不可欠な要素である。

関連コンテンツ