【ITニュース解説】Why "Tutorial Hell" Is Actually Good For You: An Exploration vs Exploitation Approach
2025年09月05日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why "Tutorial Hell" Is Actually Good For You: An Exploration vs Exploitation Approach」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
「チュートリアル地獄」は、新しい技術を学ぶ初期段階では有効。チュートリアルで概要を掴み、可能性を探る「探索」フェーズが重要。基礎知識を得たら、ドキュメントを読み込み、実際に手を動かす「活用」フェーズへ移行する。この探索と活用をバランス良く行う学習法が、効率的なスキルアップに繋がる。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す上で、多くの人が「チュートリアル地獄」という言葉を耳にするだろう。これは、チュートリアル動画や記事をひたすら追いかけるだけで、実際に自分で手を動かして何かを作ることをしない状態を指す。一般的には、チュートリアルばかり見ているのは時間の無駄であり、プロジェクトを実際に作るべきだと言われることが多い。
しかし、本当にチュートリアルは無駄なのだろうか?実は、チュートリアルには有効な活用方法がある。その鍵となるのが、「探索」と「活用」という考え方だ。
「探索」とは、新しい技術や知識を学ぶために、様々な情報を集める段階のことだ。チュートリアルは、この探索段階において非常に有効だ。なぜなら、チュートリアルは短時間でその分野の全体像を把握するのに役立つからだ。例えば、AIについて学びたいと思った時、いきなり専門書を読むよりも、いくつかのチュートリアル動画を見ることで、AIにはどんな種類があって、どんなことができるのか、どんなツールを使えばいいのかといった基本的な情報を手に入れることができる。また、様々なチュートリアルを見ることで、共通のパターンや解決策が見えてくることもある。
しかし、チュートリアルばかりを見ているだけでは、いつまでたっても知識は定着しない。そこで重要になるのが「活用」だ。「活用」とは、探索で得た知識を実際に使う段階のことだ。この段階では、チュートリアルよりも公式ドキュメントが重要になる。公式ドキュメントには、チュートリアルではカバーされないような詳細な情報や、最新の情報が載っている。また、エラーが発生した場合の対処法なども詳しく解説されていることが多い。
つまり、学習は「探索」と「活用」の2つの段階に分けて考えるべきなのだ。まず、チュートリアルで新しい分野の全体像を把握し、次に公式ドキュメントを読み込みながら実際に手を動かしてプロジェクトを作る。
具体的な学習方法としては、以下の3つの段階を踏むと良いだろう。
第一段階:戦略的探索
まず、学びたい分野に関する質の高いチュートリアルを2〜3個見つける。そして、ただ見るだけでなく、実際にコードを書きながら進めることが重要だ。この段階では、細かい構文を覚えることよりも、概念を理解することに重点を置く。そして、さらに深く学ぶ必要のある分野を特定する。学習時間の20%をこの段階に費やす。
第二段階:迅速なプロトタイピング
次に、簡単なバージョンのプロジェクトをすぐに作り始める。チュートリアルは、あくまで参考として使い、詰まった時に参照する程度にする。この段階では、ベストプラクティスを意識するよりも、とにかく動くものを作ることを優先する。そして、理解できなかったことを記録しておく。学習時間の30%をこの段階に費やす。
第三段階:徹底的な活用
最後に、公式ドキュメントを読み込み、プロトタイプをリファクタリングする。ここでは、適切なパターンやプラクティスを使用し、第一段階で特定した、さらに深く学ぶ必要のある分野を徹底的に学習する。そして、本番環境で使えるようなバージョンを作成する。学習時間の50%をこの段階に費やす。
チュートリアルは、基礎を素早く築き、分析麻痺を防ぎ、パターン認識能力を高め、ドキュメントへのアクセスを容易にするというメリットがある。
しかし、チュートリアルをいつまでも追いかけていると、以下のような状態に陥ってしまう。
- 同じトピックのチュートリアルを10個以上見ている。
- 概念は説明できるが、何も自分で作ることができない。
- 基本的なタスクを行うにも、常にチュートリアルが必要になる。
- ドキュメントを読むのが難しそうに感じる。
このような状態に陥らないためには、いつ「探索」から「活用」に切り替えるかを意識することが重要だ。以下の質問にYesと答えられるようになったら、チュートリアルを閉じて、ドキュメントを開くべきだ。
- この技術で何ができるか理解しているか?
- 基本的なパターンやアプローチを知っているか?
- どのツールやライブラリを使いたいか特定できているか?
- 作りたいものの簡単なバージョンを作ることができるか?
チュートリアルは、新しい分野を素早く探索し、基礎知識を構築するために有効なツールだ。しかし、知識を深め、実際に使えるものを作るためには、ドキュメントを読み込み、手を動かしてプロジェクトを作る必要がある。
最も早く成長するエンジニアは、チュートリアルを避ける人でも、チュートリアルだけを見ている人でもない。「探索」と「活用」のバランスを理解している人なのだ。