【PHP8.x】getTraceメソッドの使い方

getTraceメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

作成日: 2025年09月11日更新日: 2025年10月14日

基本的な使い方

getTraceメソッドは、ValueErrorクラスに属し、エラーが発生した時点でのスタックトレース（関数呼び出しの履歴）を取得するメソッドです。

ValueErrorは、PHP 8.0以降で導入されたErrorクラスの一種で、関数に渡された引数の値が、その型としては正しいものの、論理的に無効であるか、許容される範囲外である場合に発生します。例えば、正の整数を期待する関数に負の数が渡された場合や、有効な日付形式ではない文字列が渡された場合などにこのエラーが発生する可能性があります。

このgetTraceメソッドは、このようなエラーがどこで発生し、どのような関数の呼び出し順序を経てその地点に至ったかという詳細な情報を配列として提供します。配列の各要素には、エラーが発生したファイル名、行番号、呼び出された関数名、所属するクラス名、渡された引数などの情報が含まれています。

システムエンジニアを目指す方にとって、このスタックトレースは、アプリケーションで発生した問題を効率的にデバッグし、根本原因を特定するための非常に重要な情報源です。エラーメッセージだけでは判断が難しい場合でも、getTraceが提供する呼び出し履歴を分析することで、問題発生までの経緯を正確に追跡し、修正に役立てることができます。特にValueErrorのように値の問題で発生するエラーでは、値がどこから不正になったのかを追跡する上で不可欠な機能と言えます。

構文(syntax)


1<?php
2try {
3    str_starts_with("example", "");
4} catch (ValueError $e) {
5    $stackTrace = $e->getTrace();
6}

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

array

このメソッドは、例外が発生した際の呼び出し履歴（トレース）を配列形式で返します。

サンプルコード

ValueError::getTrace でスタックトレースを取得する


1<?php
2
3/**
4 * ValueError の getTrace メソッドのサンプルコード
5 */
6try {
7    // 0 で除算しようとして ValueError を発生させる
8    $result = 1 / 0;
9} catch (ValueError $e) {
10    // getTrace メソッドでスタックトレースを取得
11    $trace = $e->getTrace();
12
13    // スタックトレースをvar_dumpで出力
14    var_dump($trace);
15
16    // または、スタックトレースを文字列として取得する場合は、getTraceAsString() を使用
17    $traceString = $e->getTraceAsString();
18    echo $traceString . PHP_EOL;
19}

PHP 8におけるValueErrorクラスのgetTraceメソッドの利用例です。ValueErrorは、値が期待される型と異なる場合に発生する例外です。このサンプルコードでは、意図的に0で除算を行いValueErrorを引き起こし、例外処理の中でgetTraceメソッドを利用しています。

getTraceメソッドは、引数を持ちません。例外が発生した時点でのスタックトレース（関数呼び出しの履歴）を配列として返します。配列の各要素は、関数呼び出しに関する情報（ファイル名、行番号、関数名、引数など）を含む連想配列です。

サンプルコードでは、まずtry-catchブロックを用いてValueErrorを捕捉します。catchブロック内で$e->getTrace()を呼び出すことで、スタックトレースを配列として取得し、var_dump関数でその内容を出力しています。

また、getTraceAsString()メソッドを使用すると、スタックトレースを整形済みの文字列として取得できます。この文字列は、エラー発生箇所を特定するのに役立ちます。サンプルコードでは、$e->getTraceAsString()で取得した文字列をechoで出力しています。PHP_EOLは改行コードを表し、出力を見やすくするために追記しています。getTraceメソッドを用いることで、エラー発生時の詳細な情報を取得し、デバッグに役立てることができます。

ValueErrorクラスのgetTrace()メソッドは、例外が発生した箇所のスタックトレースを配列形式で取得します。スタックトレースは、関数呼び出しの履歴であり、エラーの原因を特定するのに役立ちます。getTraceAsString()メソッドを使用すると、スタックトレースを文字列として取得できます。

ValueErrorは、PHP 8で導入された型エラーに関連する例外クラスです。引数の型が期待される型と異なる場合などに発生します。サンプルコードのように、意図的にエラーを発生させてgetTrace()の結果を確認することで、理解を深めることができます。

getTrace()で取得できる情報は機密情報を含む場合があるため、公開環境での出力には注意が必要です。開発・デバッグ時のみに利用し、ログ出力する際も個人情報などが含まれていないか確認することを推奨します。