ケーブルインターネット (ケーブルインターネット) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ケーブルインターネット (ケーブルインターネット) の読み方
日本語表記
ケーブルインターネット (ケーブルインターネット)
英語表記
Cable Internet (ケーブルインターネット)
ケーブルインターネット (ケーブルインターネット) の意味や用語解説
ケーブルインターネットは、ケーブルテレビ(CATV)回線を利用してインターネット接続を提供するサービスだ。一般家庭では、テレビ放送を受信するためにケーブルテレビ事業者が敷設した同軸ケーブル網を利用する。 ケーブルインターネットの仕組みは、まずケーブルテレビ局のセンター設備から加入者宅まで同軸ケーブルが接続されている。この同軸ケーブルはテレビ放送だけでなく、データ通信も伝送できるように設計されている。センター設備には、インターネット接続のための専用機器(CMTS:Cable Modem Termination System)が設置されており、これがインターネットとの接続点となる。 加入者宅にはケーブルモデムと呼ばれる装置が設置される。このケーブルモデムは、同軸ケーブルを通じて送られてくるデータ信号を解析し、パソコンやルーターが理解できるデジタル信号に変換する役割を担う。逆に、パソコンから送信されたデータはケーブルモデムによって同軸ケーブル上で伝送可能な信号に変換され、センター設備へと送られる。 ケーブルインターネットの速度は、利用するプランやケーブルテレビ事業者の設備状況によって異なる。一般的には、ADSL回線よりも高速な通信が可能であり、光回線と比較するとやや劣る場合が多い。しかし、近年ではDOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification)と呼ばれる規格が進化しており、DOCSIS 3.1などの最新規格に対応したケーブルインターネットサービスでは、光回線に匹敵する高速通信も実現されている。 ケーブルインターネットのメリットは、既存のケーブルテレビ回線を活用できるため、光回線のような新たな回線工事が不要な場合が多い点だ。また、集合住宅などでは既にケーブルテレビの設備が導入されていることが多く、手軽にインターネット接続を開始できる。さらに、ケーブルテレビとのセット割引など、料金面でのメリットを受けられる場合もある。 デメリットとしては、上り回線速度が下り回線速度に比べて遅い場合がある点が挙げられる。これは、ケーブルテレビのネットワーク構造上、加入者からセンター設備へのデータ送信(上り)よりも、センター設備から加入者へのデータ送信(下り)の方が優先されるように設計されているためだ。オンラインゲームやビデオ会議など、上り回線の速度が重要な用途では、光回線の方が有利な場合がある。 また、同じケーブルテレビ回線を複数の加入者で共有するため、時間帯によっては速度が低下する可能性がある。特に、多くの人がインターネットを利用する夜間などは、回線が混雑しやすく、通信速度が低下することがある。 ケーブルインターネットを選ぶ際には、まず利用可能なプランと料金を確認することが重要だ。ケーブルテレビ事業者によって提供されるプランや料金は異なるため、自身の利用状況や予算に合わせて最適なプランを選ぶ必要がある。 次に、通信速度を確認する必要がある。ケーブルテレビ事業者が公表している通信速度は、あくまで理論上の最大速度であり、実際の速度は利用環境によって異なる。できれば、実際にケーブルインターネットを利用している人のレビューや口コミを参考に、実際の速度を確認すると良い。 さらに、サポート体制も確認しておくべきだ。インターネット接続に関するトラブルが発生した場合、ケーブルテレビ事業者のサポートが必要となる。サポート体制が充実している事業者を選ぶことで、安心してインターネットを利用できる。 最後に、ケーブルテレビとのセット割引など、料金面でのメリットも考慮に入れると良い。ケーブルテレビとインターネットをセットで契約することで、料金が割引される場合がある。ケーブルテレビを既に利用している場合は、ケーブルインターネットを検討する価値は大いにある。 近年では、光回線の普及が進み、ケーブルインターネットのシェアは低下傾向にある。しかし、手軽に高速インターネット接続を開始できるというメリットは依然として存在しており、特に集合住宅などでは依然として有力な選択肢の一つだ。システムエンジニアを目指す上で、様々なインターネット接続技術の特性を理解しておくことは重要であり、ケーブルインターネットもその一つとしてしっかりと理解しておくと良いだろう。