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DHCPサーバ(ディーエイチシーピーサーバー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

DHCPサーバ(ディーエイチシーピーサーバー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ディーエイチシーピーサーバ (ディーエイチシーピーサーバ)

英語表記

DHCP server (ディーエイチシーピーサーバー)

用語解説

DHCPサーバは、ネットワークに接続するコンピュータやスマートフォン、IoTデバイスといった各種機器に対して、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのアドレスといったネットワーク接続に必要な設定情報を自動的に割り当てる役割を持つ。Dynamic Host Configuration Protocolの略であり、動的にホストの設定を行うためのプロトコルである。

もしDHCPサーバが存在しない場合、ネットワーク上のすべての機器に対して、ネットワーク管理者が手作業でこれらの設定情報を一つずつ入力する必要がある。これは、小規模な家庭内ネットワークであればまだしも、数百、数千台の機器が接続される企業ネットワークや学校、公共のWi-Fiスポットなどでは現実的ではない。手動設定は膨大な手間と時間がかかるだけでなく、入力ミスによるネットワーク障害を引き起こす可能性も高まる。DHCPサーバは、このような手動設定に伴う管理者の負担を大幅に軽減し、設定ミスを防止し、IPアドレスの効率的な管理を実現するために不可欠な存在である。これにより、利用者はネットワークに機器を接続するだけで、特別な設定を行うことなくすぐに通信を開始できるという利便性を享受できる。

DHCPサーバがIPアドレスをクライアントに割り当てる際の一連のプロセスは、主にDORA(Discover, Offer, Request, Acknowledge)と呼ばれる4つのステップで構成される。

まず、ネットワークに新しく接続したクライアントは、IPアドレスが未設定の状態であるため、ネットワーク全体に「DHCPサーバはどこか、そしてIPアドレスを割り当ててほしい」という内容のDHCP Discoverメッセージをブロードキャストする。ブロードキャストとは、同じネットワークセグメント内の全ての機器に対してメッセージを送信する方法を指す。

このDiscoverメッセージを受信したDHCPサーバは、クライアントに割り当て可能なIPアドレスの候補や、サブネットマスク、リース期間(IPアドレスの貸し出し期間)、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのアドレスといった付帯情報を含んだDHCP Offerメッセージをクライアントに送信する。このOfferメッセージは、一般的にユニキャスト(特定のクライアント宛て)で送られるが、クライアントがまだIPアドレスを持っていない初期段階では、ブロードキャストで送信されることもある。ネットワーク内に複数のDHCPサーバが存在する場合、複数のOfferメッセージがクライアントに届く可能性もある。

クライアントは複数のOfferメッセージの中から一つを選択し、そのOfferをくれたDHCPサーバに対して、「このIPアドレスを借りたい」という意思を示すDHCP Requestメッセージをブロードキャストまたはユニキャストで送信する。このRequestメッセージは、他のDHCPサーバに対しても、自身がどのIPアドレスを選択したかを間接的に通知する役割も果たし、他のサーバは提供したIPアドレスを再利用可能な状態に戻す。

最後に、DHCPサーバはクライアントからのRequestメッセージを受け取ると、そのIPアドレスの割り当てを最終的に承認し、全てのネットワーク設定情報を記載したDHCP Acknowledge(ACK)メッセージをクライアントに送信する。クライアントはこのACKメッセージを受け取ることで、正式にIPアドレスを取得し、受け取った設定情報を用いてネットワーク通信を開始できるようになる。

DHCPサーバは、配布するIPアドレスの範囲(IPアドレスプール)や、各IPアドレスのリース期間、特定のMACアドレスを持つ機器に常に同じIPアドレスを割り当てるIPアドレス予約などの設定を管理している。リース期間が設定されているのは、IPアドレスが有限であるため、使われなくなったIPアドレスを効率的に回収し、他の機器に再利用できるようにするためである。クライアントはリース期間の半分が経過する頃に、DHCPサーバに対してIPアドレスのリース更新をRequestメッセージで試みる。更新が成功すれば、再度リース期間が延長される。更新に失敗した場合でも、リース期間満了の直前に再度更新を試み、最終的に満了した場合はIPアドレスを解放し、再びDiscoverプロセスから開始する。

ネットワーク構成によっては、DHCPサーバがクライアントと同じネットワークセグメントに存在しない場合がある。DHCP Discoverメッセージはブロードキャスト通信であるため、ルータを越えて別のセグメントには届かないという特性がある。このような場合、「DHCPリレーエージェント」と呼ばれる機能が活用される。DHCPリレーエージェントは、ルータや特定のサーバ上で動作し、クライアントから送信されたDHCP Discoverメッセージを受信すると、それをDHCPサーバが配置されている別のネットワークセグメントにユニキャスト(特定の宛先へ)で転送する。DHCPサーバからの応答も同様にリレーエージェントを介してクライアントに届けられることで、離れた場所にあるDHCPサーバからでもクライアントにIPアドレスを配布することが可能となる。

DHCPサーバの導入は、ネットワークの運用と管理を劇的に簡素化し、管理者にとって大きなメリットをもたらす。ネットワーク構成の変更、例えばIPアドレス体系の変更や新しいデバイスの追加、既存デバイスの撤去なども、DHCPサーバの設定変更のみで対応可能となり、個々の機器に手を入れる必要がなくなる。これは大規模ネットワークにおける安定した運用に不可欠な基盤技術の一つである。

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