ダブルバイト文字 (ダブルバイトモジ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ダブルバイト文字 (ダブルバイトモジ) の読み方
日本語表記
2バイト文字 (ニバイトモジ)
英語表記
Double-byte character (ダブルバイトキャラクター)
ダブルバイト文字 (ダブルバイトモジ) の意味や用語解説
ダブルバイト文字とは、コンピュータ上で文字を表現するために2バイト(16ビット)の領域を使用する文字のことである。 初期のコンピュータシステムは、主に英語圏で使用されることを想定して設計されており、アルファベット、数字、記号などを表現するために1バイト(8ビット)で表現可能なASCII文字コードが広く利用されていた。しかし、日本語、中国語、韓国語など、ASCII文字コードだけでは表現できない多数の文字を持つ言語を扱う必要が生じたため、より多くの情報を表現できるダブルバイト文字が開発された。 詳細について説明する。コンピュータはすべての情報を数字(0と1)で表現する。文字も例外ではなく、各文字に固有の数字が割り当てられており、この対応関係を定めたものが文字コードである。ASCIIコードでは、1バイト(8ビット)を使って文字を表現するため、2の8乗、つまり256種類の文字しか表現できない。これでは、英語のアルファベットや数字、記号などを表現するのが精一杯であり、日本語のひらがな、カタカナ、漢字などを表現するには圧倒的に足りない。 そこで、日本語などの文字を表現するために、2バイト(16ビット)を使って文字を表現するダブルバイト文字が登場した。2バイトで表現できる文字数は、2の16乗、つまり65536種類となるため、ASCIIコードよりもはるかに多くの文字を表現できる。 ダブルバイト文字の文字コードとしては、Shift_JIS、EUC-JP、UTF-8などが代表的である。Shift_JISは、主にMicrosoft社が開発した文字コードで、Windowsで広く利用されている。EUC-JPは、UNIX系OSでよく利用される文字コードである。UTF-8は、Unicodeという文字コード体系の一つで、世界中の文字を統一的に扱うことを目指している。UTF-8は可変長文字コードであり、ASCII文字は1バイトで表現し、日本語などの文字は2バイトまたは3バイトで表現する。近年では、UTF-8がWebサイトやアプリケーションで広く利用されるようになっている。 ダブルバイト文字を扱う際には、いくつかの注意点がある。まず、文字コードが異なると、文字が正しく表示されない場合がある。例えば、Shift_JISで作成されたファイルをEUC-JPで開くと、文字化けが発生することがある。そのため、ファイルを保存する際や、異なるシステム間でデータをやり取りする際には、文字コードを統一する必要がある。 また、プログラムで文字列を扱う際には、ダブルバイト文字を考慮する必要がある。例えば、文字列の長さを計算する際に、バイト数ではなく文字数で計算する必要がある場合がある。strlen関数などのC言語標準関数は、文字列のバイト数を返すため、マルチバイト文字に対応したmb_strlen関数などを使用する必要がある。 近年では、Unicode(UTF-8)が普及したため、文字コードによる問題は少なくなってきている。しかし、古いシステムや特定のアプリケーションでは、Shift_JISやEUC-JPなどの文字コードが依然として使用されている場合があるため、ダブルバイト文字に関する知識は依然として重要である。システムエンジニアを目指す上で、ダブルバイト文字の仕組みや文字コードの種類、扱い方について理解しておくことは、開発や運用において不可欠な知識となる。特に、グローバルなシステム開発においては、文字コードの選択は非常に重要な要素となる。