エピック(エピック)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

エピック(エピック)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

エピック (エピック)

英語表記

Epic (エピック)

用語解説

エピックとは、アジャイル開発における要求管理の単位の一つで、ユーザーにとって価値のある大きな機能や改善のまとまりを指す。具体的に何をするかを定めるのではなく、なぜそれが必要なのか、どのような価値を生み出すのかといった、より上位の概念を表現する。

エピックは、単独のスプリントで完了するには大きすぎるため、複数のユーザーストーリーに分割される。ユーザーストーリーは、エピックをより小さく、具体的なタスクに分割したもので、各ストーリーは通常、1つのスプリントで完了できる程度の規模になる。つまり、エピックはユーザーストーリーの上位概念であり、複数のユーザーストーリーを包含するものと理解できる。

エピックの目的は、開発チーム全体が、なぜ特定の機能や改善に取り組む必要があるのかという共通認識を持つことにある。エピックは、ビジネス目標と開発タスクを結びつけ、開発チームが常に顧客価値を意識しながら開発を進めることを可能にする。

エピックは、多くの場合、以下の要素を含む。

  • 名前(タイトル): エピックの内容を簡潔に表す名前。
  • 説明: エピックの概要、目的、背景などを説明する文章。
  • ビジネス価値: エピックが実現することで得られるビジネス上のメリット。例えば、売上向上、コスト削減、顧客満足度向上など。
  • 受け入れ条件: エピックが完了したと判断するための基準。どのような状態になれば、エピックが目的を達成したと言えるのかを明確にする。
  • ユーザーストーリー: エピックを分割した個々のユーザーストーリーへのリンク。

エピックは、開発プロセスを通じて常に変化しうる。開発が進むにつれて、新たな情報や発見が得られるため、エピックの内容や優先順位が変更されることもある。そのため、エピックは、固定的なものではなく、柔軟に変更可能なものとして扱う必要がある。

エピックの管理には、様々なツールが利用できる。Jira、Trello、Asanaなどのプロジェクト管理ツールは、エピックの作成、管理、追跡を支援する機能を提供する。これらのツールを利用することで、エピックの進捗状況を可視化し、チーム全体のコミュニケーションを円滑にすることができる。

エピックを効果的に活用するためには、以下の点に注意する必要がある。

  • 適切な粒度: エピックは、ユーザーストーリーに分割可能な程度に大きく、かつ、ビジネス目標と関連付けられる程度に小さくする必要がある。
  • 明確なビジネス価値: エピックは、明確なビジネス価値を持つ必要がある。ビジネス価値が不明確なエピックは、開発の優先順位を決定するのが難しく、開発チームのモチベーション低下にもつながる。
  • 関係者との連携: エピックの作成、管理には、開発チームだけでなく、プロダクトオーナー、ステークホルダーなど、関係者全員が参加する必要がある。関係者との連携を通じて、エピックの目的や優先順位について共通認識を持つことが重要。
  • 継続的な見直し: エピックは、開発プロセスを通じて継続的に見直す必要がある。市場の変化や顧客のニーズの変化に合わせて、エピックの内容や優先順位を柔軟に変更することが重要。

エピックは、アジャイル開発において、要求管理、計画、コミュニケーションを円滑にするための重要なツールである。エピックを効果的に活用することで、開発チームは、顧客価値を最大化し、ビジネス目標を達成することができる。システムエンジニアを目指す上で、エピックの概念を理解しておくことは、アジャイル開発プロジェクトにスムーズに参加するための第一歩となるだろう。

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