xHCI (エックスエイチシーアイ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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xHCI (エックスエイチシーアイ) の読み方

日本語表記

拡張ホストコントローラインタフェース (カクチョウホストコントローラインタフェース)

英語表記

eXtensible Host Controller Interface (エクステンシブルホストコントローラインタフェース)

xHCI (エックスエイチシーアイ) の意味や用語解説

xHCI(eXtensible Host Controller Interface)とは、USB 3.0以降のUSB規格を制御するためのホストコントローラのインターフェース仕様のことである。従来のUSB規格(USB 2.0以前)では、EHCI(Enhanced Host Controller Interface)やUHCI(Universal Host Controller Interface)、OHCI(Open Host Controller Interface)など、複数の異なるインターフェース仕様が存在していた。これらはそれぞれ異なるハードウェア設計に基づいており、OSやデバイスドライバの開発者にとって、USBデバイスのサポートを複雑にする要因となっていた。 xHCIの導入によって、USB 3.0、USB 3.1、USB 3.2、そして最新のUSB4といった、より高速なデータ転送速度を持つUSB規格を、統一されたインターフェースを通じて制御することが可能になった。これにより、OSやデバイスドライバの開発者は、異なるUSB規格に対応するために個別のドライバを開発・維持する必要がなくなり、開発コストの削減や保守性の向上に貢献している。 xHCIは、ハードウェアとソフトウェア間のインターフェースを標準化することで、USBデバイスの相互運用性を高める役割も担っている。xHCIに準拠したホストコントローラは、標準化されたコマンドセットとデータ構造を使用するため、OSやデバイスドライバは、特定のハードウェアに依存することなく、USBデバイスを認識し、制御することができる。 xHCIの具体的な機能としては、まず、USBデバイスの接続、切断、および列挙の管理が挙げられる。デバイスが接続されると、xHCIコントローラはデバイスの情報を読み取り、OSに通知する。OSは、デバイスドライバをロードし、デバイスとの通信を開始する。また、xHCIは、USBデバイスへの電力供給を制御する機能も備えている。これにより、消費電力の大きいデバイスに対して十分な電力を供給したり、未使用のデバイスへの電力供給を停止したりすることで、システム全体の省電力化に貢献している。 さらに、xHCIは、データ転送のスケジューリングと管理を行う。USB規格には、アイソクロナス転送、割り込み転送、制御転送、バルク転送など、複数の転送モードが存在する。xHCIは、これらの転送モードを適切に処理し、デバイスとの間で効率的なデータ転送を実現する。特に、USB 3.0以降の高速データ転送を最大限に活用するために、xHCIは、DMA(Direct Memory Access)を利用して、CPUの負荷を軽減しながら、高速なデータ転送を実現する。 xHCIコントローラは、通常、チップセットの一部としてマザーボードに搭載されている。また、PCIe拡張カードとしても提供されており、既存のシステムにUSB 3.0以降の機能を追加することができる。xHCIに対応したOSとしては、Windows、macOS、Linuxなどが挙げられる。これらのOSは、標準でxHCIドライバを搭載しており、xHCIコントローラを搭載したシステムでUSB 3.0以降のデバイスをすぐに利用することができる。 xHCIの登場は、USB技術の発展において非常に重要な転換点となった。統一されたインターフェースによって、USBデバイスの開発と利用がより容易になり、高速なデータ転送速度が実現されたことで、USBは、ストレージデバイス、入力デバイス、ディスプレイ、ネットワークデバイスなど、様々な用途で広く利用されるようになった。今後も、USB技術は、xHCIを基盤として、さらなる高速化と多機能化が進むと予想される。

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