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SHA-256(エスエイチエーにじゅうろく)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SHA-256(エスエイチエーにじゅうろく)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

シャーにぜろろくに (シャープゼロロクニ)

英語表記

SHA-256 (エスエイチエーにじゅうろく)

用語解説

SHA-256は、セキュアハッシュアルゴリズム(Secure Hash Algorithm)ファミリーの一つであるSHA-2に属する、広く利用されている暗号学的ハッシュ関数である。システムエンジニアを目指す上で、データの完全性保証、パスワードの安全な管理、デジタル署名、ブロックチェーンといった多くのITシステムにおいてその重要性を理解することは不可欠となる。概要としては、SHA-256は任意の長さの入力データ(メッセージ)を受け取り、常に固定長の256ビット(32バイト、16進数で64桁)のハッシュ値(メッセージダイジェストとも呼ばれる)を出力する一方向性の関数であり、入力データが少しでも変わると出力されるハッシュ値は大きく変化するという特性を持つ。この特性により、データの改ざん検出や認証などのセキュリティ機能を実現するための基盤技術として活用されている。

詳細に入ると、SHA-256の特性はITシステム設計においていくつかの重要な側面を持つ。第一に「一方向性」である。これは、入力データからハッシュ値を計算することは非常に容易である一方で、計算されたハッシュ値から元の入力データを逆算することは計算上極めて困難であるという性質を指す。このため、ハッシュ値を知っていても元のデータを推測することは事実上不可能となる。パスワード管理において、ユーザーのパスワードをそのままデータベースに保存するのではなく、そのハッシュ値を保存する手法が一般的であるのはこの一方向性のためである。万が一データベースが漏洩しても、攻撃者が手にするのはハッシュ値であり、元のパスワードを直接知ることはできない。

第二に「衝突耐性」である。これは、異なる二つの入力データから同じハッシュ値が生成されること(これを「衝突」と呼ぶ)が、計算上非常に困難であるという性質を指す。完全に衝突が発生しないわけではないが、SHA-256のような強力なハッシュ関数では、意図的に衝突を作り出すことは現在の計算能力では現実的に不可能とされている。この衝突耐性は、データの完全性検証において極めて重要である。例えば、ソフトウェアの配布元が公開しているファイルのハッシュ値と、ユーザーがダウンロードしたファイルのハッシュ値を比較することで、ダウンロード中にファイルが改ざんされていないかを確認できる。もしファイルが改ざんされていれば、ハッシュ値は一致しないため、改ざんを検出できるのである。

これらの特性を活かし、SHA-256は多岐にわたるIT分野で利用されている。ファイルやデータの完全性検証のほか、デジタル署名においても重要な役割を果たす。デジタル署名では、署名対象の文書全体を直接暗号化するのではなく、まずSHA-256でハッシュ値を計算し、そのハッシュ値を秘密鍵で暗号化する。これにより、署名処理の負荷を軽減しつつ、文書が改ざんされていないことと、署名者が本物であることを検証可能にする。また、近年注目を集めるブロックチェーン技術において、SHA-256はブロック同士を連結する際に各ブロックの情報をハッシュ化し、その結果を次のブロックに含めることで、過去の取引記録の改ざんを困難にしている。特にビットコインでは、新規ブロックの生成(マイニング)において、特定の条件を満たすSHA-256ハッシュ値を探索するという計算集約的なプロセスが中核をなす。

SHA-256はSHA-2ファミリー(SHA-224, SHA-384, SHA-512など)の一つであり、その中でも256ビットという出力長は、現在の多くのアプリケーションにおいて十分なセキュリティ強度と処理性能のバランスを提供しているため、広く採用されている。しかし、どのような暗号技術も絶対ではなく、将来的な量子コンピュータの登場などにより安全性が脅かされる可能性も議論されている。システムエンジニアとして、常に最新のセキュリティ動向に注意を払い、適切なハッシュ関数の選択や利用方法を理解することが重要である。

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