X-Forwarded-Proto (エックスフォワードプロト) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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X-Forwarded-Proto (エックスフォワードプロト) の読み方

日本語表記

エックスフォワードプロト (エックスフォワードプロト)

英語表記

X-Forwarded-Proto (エックスフォワードプロト)

X-Forwarded-Proto (エックスフォワードプロト) の意味や用語解説

X-Forwarded-Protoは、HTTPリクエストヘッダーの一つで、クライアントとWebサーバーの間にプロキシサーバーやロードバランサーなどの仲介者が存在する場合に、クライアントが最初にリクエストした際のプロトコル(HTTPまたはHTTPS)をWebサーバーに伝えるために使用される。 Webサーバーは通常、クライアントからの直接的な接続を前提として動作する。しかし、現実のWebアプリケーションの多くは、パフォーマンス向上、負荷分散、セキュリティ強化などの目的で、リバースプロキシやロードバランサーといった仲介サーバーを経由してクライアントからのリクエストを受け取る。これらの仲介サーバーは、クライアントからのリクエストを一旦受け取り、Webサーバーに転送する際に、クライアントとの接続とは異なるプロトコルを使用することがある。例えば、クライアントがHTTPSでリクエストを送っても、仲介サーバーとWebサーバー間の通信はHTTPで行われる場合がある。 このような場合、Webサーバーはクライアントが実際に使用したプロトコルを正しく認識できなくなる。これは、Webアプリケーションの動作に様々な問題を引き起こす可能性がある。例えば、HTTPSでアクセスされたページでHTTPのリソース(画像、CSS、JavaScriptなど)を読み込もうとすると、ブラウザはセキュリティ上の理由からMixed Contentエラーを発生させ、リソースの読み込みをブロックすることがある。また、Webアプリケーションがリダイレクト処理を行う際に、クライアントがHTTPSでアクセスしたにもかかわらず、HTTPでリダイレクトしてしまうと、セキュリティ上の脆弱性となる可能性もある。 X-Forwarded-Protoヘッダーは、このような問題を解決するために考案された。仲介サーバーは、クライアントからのリクエストを受け取る際に、クライアントが使用したプロトコル(HTTPまたはHTTPS)をX-Forwarded-Protoヘッダーに設定し、Webサーバーに転送する。Webサーバーは、このヘッダーを参照することで、クライアントが実際に使用したプロトコルを正しく認識し、適切な処理を行うことができるようになる。 X-Forwarded-Protoヘッダーの値は、通常「http」または「https」のいずれかである。複数のプロキシサーバーを経由する場合、X-Forwarded-Protoヘッダーには複数のプロトコルがカンマ区切りで列挙されることがある。この場合、Webサーバーは、最も左側の値(クライアントに最も近いプロキシサーバーが設定した値)をクライアントが使用したプロトコルとして認識するのが一般的である。 ただし、X-Forwarded-Protoヘッダーは、クライアントからのリクエストに含まれる可能性があるため、Webサーバーは、このヘッダーの値をそのまま信用してはならない。悪意のあるクライアントが、意図的に誤った値を設定することで、Webアプリケーションの動作を不正に制御する可能性がある。そのため、Webサーバーは、X-Forwarded-Protoヘッダーを信頼できるプロキシサーバーからのリクエストに対してのみ使用するように設定する必要がある。具体的には、Webサーバーの設定ファイル(Apacheのhttpd.confやnginxのnginx.confなど)で、X-Forwarded-Protoヘッダーを処理する際に、特定のIPアドレス範囲からのリクエストのみを許可するなどの設定を行う。 また、多くのWebアプリケーションフレームワークやWebサーバーには、X-Forwarded-Protoヘッダーを安全に処理するための機能が組み込まれている。これらの機能を活用することで、X-Forwarded-Protoヘッダーに関するセキュリティリスクを低減することができる。例えば、フレームワークによっては、設定ファイルで信頼できるプロキシサーバーのIPアドレス範囲を指定することで、指定された範囲外からのX-Forwarded-Protoヘッダーを無視したり、ログに記録したりすることができる。 X-Forwarded-Protoヘッダーは、Webアプリケーションをセキュアに動作させるために重要な役割を果たす。システムエンジニアは、X-Forwarded-Protoヘッダーの仕組みを理解し、適切な設定を行うことで、Webアプリケーションのセキュリティを向上させることができる。また、X-Forwarded-Protoヘッダーだけでなく、X-Forwarded-ForヘッダーやX-Forwarded-Hostヘッダーなど、関連するHTTPリクエストヘッダーについても理解を深めることで、より堅牢なWebアプリケーションを構築することができる。

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