【ITニュース解説】Agent As Code : BMAD-METHOD™
2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Agent As Code : BMAD-METHOD™」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
「Agent As Code」は、AIエージェントをインフラのようにコードで管理する手法だ。BMAD-METHOD™では、エージェントの振る舞いや能力を定義した設定ファイル(マークダウンとYAML)として扱う。これにより、手動設定なしでAIエージェントを効率的に開発・共有・バージョン管理できる。
ITニュース解説
今日のITニュースで「Agent As Code : BMAD-METHOD™」という新しい開発パラダイムが話題になっている。これは、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、今後のAI開発のあり方を理解する上で非常に重要な概念だ。簡単に言えば、AIエージェントというものを、私たちが普段書いているプログラムのコードと同じように、きちんと管理・運用していこうという考え方なのだ。
まず、「Infrastructure as Code(IaC)」という言葉から考えてみよう。これは、サーバーやネットワークといったITインフラストラクチャを、手作業で設定するのではなく、コード(プログラムの記述)を使って自動的に構築・管理する手法だ。例えば、新しいサーバーが必要になったときに、マウスでクリックして設定するのではなく、「このサーバーはCPUがこれくらいで、メモリがこれくらい、このOSを入れて、このソフトウェアをインストールする」といった情報をテキストファイルに書き出して、そのファイルを読み込ませるだけで自動的にサーバーが構築される、というイメージだ。こうすることで、設定ミスが減り、同じ環境を何度でも簡単に再現でき、変更履歴もコードとして残せるため、チームでの開発が非常に効率的になる。
「Agent As Code」は、このIaCの考え方を、AIエージェントの管理に応用したものなのだ。AIエージェントとは、特定の目的のために設計されたAIプログラムのことで、例えば、カスタマーサポートのチャットボットや、自動でデータを分析するAIなどがこれに当たる。これまでのAIエージェントは、開発者が各プラットフォームで手動で設定したり、設定がバラバラになってしまったりすることが多かった。しかし、Agent As Codeでは、AIエージェントそのものを、コードとして定義し、バージョン管理し、デプロイ(展開)するというアプローチを取る。
ここで登場するのが、「BMAD-METHOD™」という具体的な手法だ。BMAD-METHOD™は、AIエージェントを「第一級のコード成果物」として扱うことを提唱している。これは、エージェントが単なる設定の一部ではなく、ソフトウェア開発における重要な部品、つまりコードそのものとして扱われるという意味だ。BMADエージェントは、単一のマークダウンファイル(.mdファイル)の中に、そのエージェントの全ての情報が記述されている。このマークダウンファイルの中には、YAML形式の設定が埋め込まれており、これによってエージェントの振る舞いや能力が詳細に定義されるのだ。
具体的に、BMADエージェントのマークダウンファイルには何が書かれているのか。それは、主に次の四つの要素だ。まず、「エージェントの振る舞いや性格」が宣言的に定義されている。これは、エージェントがどのような応答をすべきか、どのような口調で話すべきかといった、その「らしさ」を記述するものだ。次に、「能力やスキル」がコードの依存関係として記述される。例えば、特定のAPI(外部サービスと連携するための窓口)を利用する能力や、特定のデータ分析ライブラリを使うスキルなどだ。そして、「デプロイ手順」がプラットフォームに依存しない形で指定されている。これにより、どの環境でも同じようにエージェントを展開できる。最後に、「バージョン管理メタデータ」が含まれており、エージェントがいつ、どのように変更されたかを追跡できる。
このように、手動でAIアシスタントを各プラットフォームで設定したり、バラバラのエージェント設定を管理したりする代わりに、エージェントが「どうあるべきか」「どのように振る舞うべきか」をコードとして記述する。それぞれのBMADエージェントは、たった一つの.mdファイルに全てが集約されており、このファイルさえあれば、そのエージェントの振る舞いをどんな場所でも再現できる。これは、単に便利になるというだけではなく、組織がAIに関する専門知識をどのように「捉え」「バージョン管理し」「共有・配布」するかを根本的に変えるものだと言える。
Infrastructure as Codeが、コンピューティングインフラを機械で読み取り可能な設定ファイルを通じて管理するのと同様に、Agent As Codeは、AIエージェントを、手動のプラットフォーム固有の設定や、対話型の設定ツールを使うのではなく、機械で読み取り可能な設定ファイルを通じて管理するのだ。BMAD-METHOD™によって、エージェントは自己完結型のマークダウンファイルと埋め込みYAML設定で実現され、コードとして真に共有可能となる。各エージェントファイルは、そのエージェントのペルソナ(人格)、能力、そして依存関係を、単一のバージョン管理可能なファイルの中に定義するために必要な全てを含んでいるのだ。
このアプローチの最大のメリットは、AIエージェントの「移植性」「管理のしやすさ」「再現性」「共有性」が飛躍的に向上することにある。AI開発の専門知識が、特定の個人やプラットフォームに縛られず、コードとして組織全体で標準化され、効率的に流通するようになる。これにより、AIシステムが大規模化し、複雑化する現代において、より柔軟かつ堅牢なAI開発・運用が可能になる。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、AI技術が進化する中で、このような管理手法が標準になっていくことを理解し、将来のプロジェクトで活用していく視点を持つことは非常に重要だ。Agent As CodeとBMAD-METHOD™は、AIを活用した開発の未来を形作る、まさに最先端のトレンドだと言えるだろう。