Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】AI Tour Osakaで学んだこと、興味を持ってもらうには

2025年09月12日に「Qiita」が公開したITニュース「AI Tour Osakaで学んだこと、興味を持ってもらうには」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AI Tour Osakaでインターン生がインフラブース対応やCopilot in Azureセッション発表を担当。企業イベントで顧客に技術を直接説明する貴重な経験を得て、実践的なコミュニケーションとプレゼンテーション能力を高めた。

ITニュース解説

AI Tour Osakaというイベントでインターン生として参加した筆者の体験談は、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、非常に多くの示唆を含んでいる。このイベントは、最先端のAI技術がどのように社会で活用されているかを紹介する場であり、筆者はその中でインフラブースでの対応や、MicrosoftのAIアシスタント「Copilot in Azure」に関するセッション発表を担当した。

筆者がこの経験を通して最も強く感じたのは、IT技術の面白さや重要性を、専門家ではない一般の人々にどうすれば効果的に伝えられるかという点だった。研究室や学会での発表経験はあったものの、企業イベントで直接お客様に説明するのは初めての経験で、特にITに普段触れない人々がイベントに参加していることに驚き、彼らの興味を引くことの難しさを痛感したという。

では、どうすればITの専門知識がない人にも、技術の価値や魅力を伝えることができるのだろうか。筆者はそのためのいくつかの重要なポイントを挙げている。まず一つ目は、「専門用語の言い換え」である。例えば、「インフラ」という言葉は、システムエンジニアにとっては馴染み深い言葉だが、一般の人にとっては意味が曖昧に感じられることが多い。これを「サービスが動くための土台」や「目には見えないけれど、インターネットやアプリを支えている大切な部分」というように、より具体的で身近な言葉に置き換えることで、理解度が大きく変わる。専門用語を使いすぎると、相手は「自分には難しい」と感じ、それ以上話を聞こうとしなくなってしまう可能性があるため、相手の理解度に合わせて言葉を選ぶことが非常に重要である。

二つ目は、「具体的な例え」を用いて、参加者の生活に結びつけて説明することである。ただ技術の仕組みを説明するのではなく、その技術が私たちの日常生活のどのような場面で役立っているのか、どのように便利にしているのかを示すことで、参加者は自分ごととして捉えやすくなる。例えば、クラウドサービスの話であれば、「写真や動画をスマートフォンの中に保存するのではなく、インターネット上の安全な場所に預けているようなもの」と説明すれば、具体的なイメージが湧きやすくなる。このように、抽象的な概念を具体的な事例や、相手がすでに知っている事柄に結びつけて話すことで、聞く側の理解は格段に深まる。

三つ目は、「会話のキャッチボール」を意識することである。一方的に説明するのではなく、相手の反応をよく見て、質問を投げかけたり、理解度を確認したりしながら対話を進めることが大切だ。相手の表情や言葉から、どこが理解できていないのか、何に興味を持っているのかを察知し、それに応じて説明の内容や深さを調整する。まるで相手と一緒に答えを探していくようなコミュニケーションを取ることで、参加者は主体的に話を聞き、より深く学ぶことができる。これは、将来システムエンジニアとして、お客様の要望をヒアリングしたり、開発チームに要件を伝えたりする際にも、非常に役立つスキルとなるだろう。

四つ目は、「資料作成の工夫」である。プレゼンテーション資料は、説明を補完し、理解を助ける重要なツールだ。ここでも、専門用語を避け、結論を先に示す構成を心がけること、そして視覚的に分かりやすくデザインすることが強調されている。複雑な情報を一度に詰め込むのではなく、シンプルで明快なメッセージを伝えることに注力する。図やグラフを効果的に使うことで、文字だけでは伝わりにくい概念も、直感的に理解しやすくなる。これは、技術ドキュメントの作成や、プロジェクトの進捗報告など、システムエンジニアとして多岐にわたる場面で応用できるスキルである。

筆者自身が担当したCopilot in Azureのセッション発表での反省も興味深い。自分の発表では専門用語が多く、参加者の理解を得るのが難しかったと感じている一方で、他の発表者からは学ぶことが多かったという。特に、具体的なデモンストレーションを交えたり、参加者との対話を通じて疑問を解消したり、聞き手が抱きそうな疑問を事前に予測して説明に盛り込んだりする工夫は、非常に参考になったと述べている。これは、技術を伝える際には、単に情報を提供するだけでなく、体験や共感を促すことが重要であることを示している。

これらの経験から学べることは、システムエンジニアの仕事は、単にコードを書いたりシステムを構築したりするだけではないということだ。私たちが作り出すシステムやサービスは、最終的に誰かの役に立ち、誰かの生活を豊かにするために存在する。そのためには、技術の力を最大限に引き出すだけでなく、その技術を「使う人」の視点に立って物事を考え、その価値を分かりやすく伝える能力が不可欠なのである。

AI技術は私たちの社会や生活を大きく変える可能性を秘めている。この大きな変化の中で、私たちシステムエンジニアには、技術の専門家としてだけでなく、その技術を正しく、そして魅力的に社会に伝える役割も求められている。今回の筆者の経験は、そうした「伝える力」がいかに重要であるかを教えてくれる貴重な学びの機会だったと言えるだろう。専門知識を深めることと同時に、それをどうすれば非専門家にも理解してもらえるかを常に考え、実践していく姿勢が、これからのシステムエンジニアには強く求められる。

関連コンテンツ