【ITニュース解説】Algebraic Effects と Extensible Effects:6つの言語で学ぶエフェクトシステムの違いと共通点

2025年09月04日に「Zenn」が公開したITニュース「Algebraic Effects と Extensible Effects:6つの言語で学ぶエフェクトシステムの違いと共通点」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Koka、Effektなど6言語のエフェクトシステムを比較し、特徴と共通点を解説。エフェクトシステムとは、プログラムの副作用を管理する仕組み。言語ごとの実装の違いを理解し、より深くエフェクトシステムを学ぶことが目的。初心者向けに、各言語の具体的な例を交えて解説する。

ITニュース解説

この記事は、プログラミングにおける「エフェクトシステム」という概念について、6つの異なるプログラミング言語(Koka、Effekt、Unison、OCaml、Haskell、PureScript)での実装を比較しながら、その本質と各言語における差異を解説するものだ。システムエンジニアを目指す初心者に向けて、この内容をわかりやすく説明する。

まず、「エフェクト」とは何かを理解する必要がある。プログラムを実行する際、単に計算をするだけでなく、外部とやり取りをしたり、状態を変更したりすることがよくある。例えば、画面に文字を表示したり、ファイルにデータを書き込んだり、ネットワークを通じて情報を送受信したりといった動作がエフェクトにあたる。

従来、これらのエフェクトはプログラムの中に直接書き込まれることが多かった。しかし、プログラムが複雑になるにつれて、エフェクトがプログラムの様々な場所に散らばり、コードの見通しが悪くなったり、テストが難しくなったりする問題が生じてきた。

そこで登場したのが「エフェクトシステム」だ。これは、プログラム中のエフェクトを明確に管理し、分離するための仕組みを提供するものだ。エフェクトシステムを使うことで、プログラムの可読性や保守性を向上させ、テストを容易にすることが可能になる。

記事で取り上げられている6つの言語は、それぞれ異なるアプローチでエフェクトシステムを実現している。

Kokaは、algebraic effectsと呼ばれる手法を採用している。これは、エフェクトを「型」として表現し、プログラムがどのような種類のエフェクトを持つかを明示的に示すものだ。これにより、コンパイラはプログラムが意図しないエフェクトを実行するのを防ぐことができる。

Effektもalgebraic effectsに基づいているが、より柔軟な実装を提供している。Effektでは、エフェクトのハンドラを定義することで、エフェクトの振る舞いをカスタマイズすることができる。これにより、様々なエフェクトを統一的に扱うことが可能になる。

Unisonは、関数型プログラミング言語であり、immutable(不変)なデータ構造を重視している。Unisonのエフェクトシステムは、プログラムの副作用を最小限に抑えるように設計されている。

OCamlは、伝統的なML系の言語であり、近年algebraic effectsが導入された。OCamlのエフェクトシステムは、既存のコードとの互換性を保ちつつ、新たなエフェクトの表現力を提供することを目的としている。

Haskellは、純粋関数型プログラミング言語であり、モナドと呼ばれる仕組みを使ってエフェクトを管理している。モナドは、エフェクトを連鎖的に実行するための抽象化であり、Haskellのプログラミングにおいて重要な役割を果たしている。

PureScriptは、Haskellの影響を受けた言語であり、モナドを使ったエフェクト管理をサポートしている。PureScriptは、JavaScriptにコンパイルされるため、Webアプリケーションの開発によく用いられる。

これらの言語におけるエフェクトシステムの違いは、それぞれの言語の設計思想や歴史的背景に由来する。KokaやEffektは、algebraic effectsを積極的に活用し、エフェクトの型安全性や柔軟性を追求している。一方、HaskellやPureScriptは、モナドを使ってエフェクトを管理し、既存のコードとの互換性を重視している。OCamlは、その中間的な位置にあると言えるだろう。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらの詳細な違いをすぐに理解する必要はないかもしれない。しかし、エフェクトシステムが、プログラムの品質を向上させるための重要な概念であることを認識しておくことは重要だ。様々な言語におけるエフェクトシステムの存在を知り、それぞれの特徴を理解することで、より良いプログラム設計ができるようになるはずだ。

最終的に、どのエフェクトシステムを採用するかは、プロジェクトの要件や開発チームのスキルによって異なる。重要なのは、エフェクトシステムの本質を理解し、適切なツールを選択できる能力を身につけることだ。

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