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【ITニュース解説】Apple is slowly morphing AirPods into an always-on wearable

2025年09月11日に「Engadget」が公開したITニュース「Apple is slowly morphing AirPods into an always-on wearable」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

AppleはAirPodsを「常に身につけるウェアラブル」へ進化させている。AirPods Pro 3は会話認識、聴覚保護、心拍数測定、リアルタイム翻訳など新機能を追加。これにより、AirPodsを外す必要性が減り、Apple Watch機能とも重複しつつ、日常に不可欠なデバイスとしての存在感を強めている。

ITニュース解説

AppleのAirPodsは、単なる音楽を聴くためのワイヤレスイヤホンという枠を超え、私たちの日常生活に常に寄り添う「常時装着型ウェアラブルデバイス」へと進化を続けている。この変化は、AirPods Pro 3の登場によってさらに加速している。最新モデルは、アクティブノイズキャンセリング機能の強化や、耳にフィットしやすいフォーム製イヤーチップの採用といった基本的な改善に加え、ユーザーがAirPodsを耳から外す必要性をさらに減らすための重要な新機能が導入された。

かつて、公共の場でイヤホンを装着したまま会話することや、周囲の人と交流することは、社会的なマナー違反と見なされることが多かった。しかし、AirPodsの普及とAppleが追加してきた様々な機能が、この認識を変え始めている。その象徴的な機能の一つが、AirPods Proに搭載された「会話認識(Conversation Awareness)」機能である。これは、ユーザーが話し始めると自動的にオーディオの音量を下げ、周囲の音を聞き取りやすくする機能だ。この機能によって、一時的にイヤホンを外す手間が省かれ、装着したままでも自然なコミュニケーションが可能になる。

さらに、Appleは2024年に導入した「聴覚健康」に関する機能も、AirPodsを常時装着する理由を増やしている。これらの機能により、AirPods Proは耳の健康状態をチェックするツールとして機能するだけでなく、補聴器のように周囲の音を聞き取りやすくしたり、あるいは騒がしい環境では聴覚を保護するイヤープロテクターとしても活用できるようになった。これにより、音を楽しむだけでなく、ユーザーの健康管理や安全維持にも貢献するデバイスへと位置づけが広がったのである。

そしてAirPods Pro 3では、この「常時装着」のメリットをさらに高める新機能が追加された。その一つが「心拍数モニタリング」機能である。Pro 3に搭載された新しい心拍数センサーにより、ユーザーはAirPodsを装着したままワークアウト中の心拍数を追跡できるようになる。これは通常、Apple Watchのようなスマートウォッチが担ってきた機能の一部を、AirPodsが代替することを意味する。例えば、Apple Fitness+のクラスに参加する際、心拍数などの健康指標をテレビ画面に表示できるようになり、ワークアウトのモチベーション維持や効率向上に役立つ。

もう一つの画期的な機能が「ライブ翻訳」である。この機能は、AirPodsを介して周囲の音声をリアルタイムで翻訳し、ユーザーの耳に届けることを可能にする。さらに、ユーザーが話した内容を翻訳し、それを別のAirPods Pro 3のユーザーに送信することもできるため、異なる言語を話す人々とのコミュニケーションを円滑にする強力なツールとなる。このライブ翻訳機能は、AirPods Pro 3だけでなく、AirPods 4やAirPods Pro 2にも提供される予定であり、より多くのユーザーがこの恩恵を受けられるようになることで、イヤホンを常時装着する習慣がさらに一般的になることが予想される。

これらの新機能は、AppleがAirPodsを単なるiPhoneの付属品としてではなく、より独立した、多機能なデバイスとして捉えていることを強く示している。もちろん、249ドルのAirPods Pro 3が、同価格帯のApple Watch SE 3の完全な代替品となるわけではない。しかし、スマートウォッチの一部機能をAirPodsがカバーできるという事実は、特定のユーザーにとって魅力的な選択肢となり得る。さらに重要なのは、Appleが目指すエコシステム全体におけるAirPodsの役割である。AirPodsを通じてワークアウトトラッキングの便利さを体験したユーザーは、Apple Fitness+のサブスクリプションに加入したり、より高度な健康管理が可能なApple Watchの購入を検討したりする可能性が高まる。これはAppleにとって、複数の製品やサービスへの顧客誘導につながる戦略的な動きである。

Appleは、AirPods Proをさらに独立したデバイスにするための探求を続けていると報じられている。昨年には、ブルームバーグが、AppleがAirPodsにカメラを搭載し、Apple Intelligence機能と連携させて、視覚的に周囲の世界を理解させる可能性を模索していると伝えた。これらの報道が実際に製品化されるかどうかは現時点では不明だが、AirPodsに次々と機能が追加されていく背景には、AirPodsを常時装着型ウェアラブルにすることで、企業の収益を向上させるという明確な意図がある。

将来的には、AirPodsとApple Watchの関係が、iPadとMacの関係に似たものになるかもしれない。機能が重複する部分が増えつつも、それぞれが distinct(明確に異なる)な価値を持ち、ユーザーはどちらか一方だけでなく、両方を購入したくなるような魅力的なデバイスとして共存するようになるだろう。

もしかしたら、スマートフォンが私たちの日常生活に不可欠な存在であるように、AirPodsも常に装着し、手放せない存在になる未来が来るのかもしれない。しかし現状では、Appleはそのウェアラブルの未来に向けて、一歩一歩慎重に進んでいるように見える。それは、現在の市場で新しいワイヤレスイヤホンを販売すると同時に、その過程で他の複数の製品の販売も促進するための、非常に賢明な戦略だと言える。AirPodsの進化は、単なるガジェットの進化ではなく、私たちの生活様式やテクノロジーとの関わり方を根本から変える可能性を秘めているのである。

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