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MAC(マック)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MAC(マック)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

マック (マック)

英語表記

MAC (マック)

用語解説

MACという用語は、ITの分野において複数の異なる概念を指す場合があるため、その文脈に応じて適切な意味を理解することが求められる。最も一般的にシステムエンジニアの間で「MAC」と略されるのは、ネットワークインターフェースカード(NIC)に割り当てられる物理アドレスである「MACアドレス」であり、これはMedia Access Control(メディアアクセスコントロール)の概念に由来する。その他には、暗号技術における「Message Authentication Code」(メッセージ認証コード)や、Apple社のパーソナルコンピュータ製品「Macintosh」を指すこともある。本解説では、主にネットワークにおけるMAC、すなわちMACアドレスとMedia Access Controlについて焦点を当てて説明する。

ネットワークにおけるMACアドレスは、データリンク層で動作するデバイスを一意に識別するための物理アドレスである。OSI参照モデルの第2層にあたるデータリンク層は、物理的なネットワーク媒体を介してデータフレームを転送する役割を担うが、この層で通信相手を特定するためにMACアドレスが用いられる。NICごとに製造時に割り当てられ、一般的には変更されることのない固有の値であるため、ハードウェアアドレスとも呼ば呼ばれる。MACアドレスは48ビットの長さを持つため、理論上は2の48乗、すなわち約281兆通りのアドレスを表現できる。通常は、16進数で表現された6つのオクテット(8ビット)がコロンやハイフンで区切られて表記され、例えば「00:1A:2B:3C:4D:5E」のような形式を取る。この48ビットのうち、前半の24ビットはOUI(Organizationally Unique Identifier)と呼ばれ、IEEEによって各ネットワーク機器メーカーに一意に割り当てられるベンダー識別子であり、後半の24ビットはメーカーが自身の製品に個別に割り当てるデバイス識別子となる。これにより、地球上のすべてのネットワーク機器に対して、重複のない一意なMACアドレスが保証される。

MACアドレスは、主に同一のローカルネットワークセグメント内での通信において重要な役割を果たす。例えば、イーサネット環境において、あるコンピュータが同じセグメント内の別のコンピュータにデータを送信する際、IPアドレスによって宛先が指定されるが、実際に物理層でデータフレームが送受信される際には、宛先のMACアドレスが必要となる。IPアドレスからMACアドレスを解決するプロトコルとして、ARP(Address Resolution Protocol)が存在する。送信元のコンピュータは、ARP要求をブロードキャストし、宛先のIPアドレスを持つデバイスに自身のMACアドレスを応答させることで、IPアドレスとMACアドレスのマッピング情報を取得する。このマッピング情報はARPキャッシュに一時的に保存され、次回の通信時に再利用される。

また、ネットワーク機器であるスイッチングハブは、MACアドレスを利用して効率的なデータ転送を実現する。スイッチは、接続されている各ポートから受信したフレームの送信元MACアドレスを学習し、自身の内部にあるMACアドレステーブルに「MACアドレスとポート番号の対応」を記録する。次に、あるポートからフレームを受信した際、そのフレームの宛先MACアドレスをMACアドレステーブルと照合し、該当するMACアドレスが接続されている特定のポートにのみフレームを転送する。これにより、不要なポートへのフレーム転送を防ぎ、ネットワーク全体のトラフィックを最適化し、通信効率を高めることができる。もし宛先MACアドレスがテーブルに存在しない場合は、そのフレームをすべてのポート(受信ポート以外)に転送する、いわゆるフラッディングを行う。

Media Access Control(メディアアクセスコントロール)は、MACアドレスの概念がその一部を成す、より広範なプロトコルの集合体である。これは、複数のデバイスが共有の物理メディア(例:イーサネットケーブル、無線電波)を介して通信を行う際に、データの衝突を防ぎ、公平にアクセスを管理するためのルールやメカニズムを定義する。有線LANの主流であるイーサネットでは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)というメディアアクセス制御方式が用いられる。これは、データを送信する前に他のデバイスが通信を行っていないか(キャリア検出)を確認し、もし衝突(コリジョン)が発生した場合は、一定時間待機してから再送を試みるというメカニズムである。一方、無線LANでは、無線電波の特性上、衝突の検出が困難であるため、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)という衝突回避のメカニズムが採用される。これは、送信前にキャリア検出を行い、さらにランダムな時間待機することで、衝突を未然に防ぐことを試みる方式である。

最後に、他の「MAC」の意味についても簡潔に触れておく。暗号技術におけるMessage Authentication Code(メッセージ認証コード)は、メッセージの完全性(改ざんされていないこと)と認証(送信元が正しいこと)を保証するための符号である。これは、送信者と受信者が共有する秘密鍵とメッセージを組み合わせて生成されるハッシュ値のようなもので、ネットワークにおけるMACアドレスとは全く異なる概念である。また、「Macintosh」は、Apple社が開発・販売するパーソナルコンピュータのシリーズ名であり、オペレーティングシステムとしてmacOSを搭載している。これらは特定の技術用語というよりは、製品ブランドやプラットフォームを指すもので、文脈から容易に区別できる場合が多い。したがって、IT分野で単に「MAC」と記された場合は、ネットワークにおけるMACアドレスやMedia Access Controlの概念を指すことが圧倒的に多いと認識してよい。これらの多岐にわたる「MAC」の意味を適切に理解することは、システムエンジニアとしてネットワークやセキュリティ、さらには一般的なIT環境を扱う上で不可欠な知識である。

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