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【ITニュース解説】The "Most Hated" CSS Feature: Cos() and Sin()

2025年09月17日に「Hacker News」が公開したITニュース「The "Most Hated" CSS Feature: Cos() and Sin()」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

CSSの数学関数`cos()`や`sin()`が、一部で「最も嫌われている機能」とされている。ユーザーからのコメントに基づき、なぜこれらが不評なのか、その理由や利用状況について議論が進められている。

ITニュース解説

CSSは、ウェブページの見た目やレイアウトを記述するための言語であり、色やフォント、要素の配置など、様々なスタイリングを担っている。近年、CSSは進化を続け、より高度なデザインやアニメーションを実現するための新機能が次々と追加されている。その中でも、特に注目を集め、一部の開発者から「最も嫌われている」とまで言われているのが、数学の三角関数であるcos()(コサイン)とsin()(サイン)をCSS内で直接使えるようになった機能だ。

cos()sin()は、数学の三角関数であり、主に角度と関連付けて円の軌跡や波の形状を計算するために使われる。例えば、円周上の点のX座標はcos()を使って、Y座標はsin()を使って導き出すことができる。CSSにおいてこれらの関数を使うことで、例えばウェブページ上の要素を特定の中心点の周りに正確な位置で配置したり、あるいは時間経過とともに波打つように動かしたりといった表現が可能になった。

しかし、この機能は一部の開発者から強い批判を受けている。その主な理由は、CSSが本来、ウェブページのコンテンツの見た目を装飾し、レイアウトを定義するための言語であるという考え方が根強いためだ。cos()sin()といった高度な数学的計算は、本来JavaScriptのようなプログラミング言語で処理すべきであり、CSSにこうした機能が加わることで、CSSの役割が曖昧になり、コードが読みにくく、理解しにくくなるという懸念がある。CSSが過度に複雑化し、学習コストが高まることで、開発効率が低下したり、保守性の低いコードが生まれる可能性も指摘されている。

このような批判がある一方で、この新機能には非常に強力な可能性が秘められている。cos()sin()関数をCSSで使うことで、JavaScriptを使わずにCSS単独で、非常に複雑で動的なアニメーションやレイアウトを実現できるようになった。これは、今までJavaScriptで計算し、その結果をDOM要素のスタイルに適用していたような複雑な座標計算やアニメーションを、CSSの記述だけで完結できることを意味する。例えば、ウェブページ上の複数の要素を均等な間隔で円形に配置したり、波打つような動きをさせたり、あるいは特定の角度で要素を正確に回転させたりすることが可能になる。

これらの関数がCSSに組み込まれることで、コードの簡潔化や、ブラウザの描画エンジンによるネイティブな処理でパフォーマンスが向上する可能性があるというメリットをもたらす。特に、多数の要素が動的に配置されるようなシーンでは、CSSだけで処理が完結するため、開発者はより効率的に複雑なデザインやインタラクションを実装できるようになる。さらに、CSSのカスタムプロパティ(変数)と組み合わせることで、これらの計算結果を動的に変更し、より柔軟なインタラクティブな表現を作り出すことも可能だ。

この批判は、CSSの設計思想や役割に関する開発者コミュニティ内の意見の対立を反映している。ウェブの進化とともに、CSSは単なる静的な見た目から、より動的でインタラクティブな表現を可能にする方向へと拡張されてきた。アニメーション、トランジション、変数といった機能の追加もその一環だ。cos()sin()の導入も、そうしたCSSの表現力をさらに拡張しようとする試みの一つだが、その機能がどこまで許容されるべきか、という議論に発展しているのだ。

ただし、「最も嫌われている」という表現は、あくまで一部の意見であり、全ての開発者がそう感じているわけではない。多くの新しい技術が導入される際に、その必要性や複雑性について議論が起こるのは自然なことだ。この機能は、確かに全てのプロジェクトで必須となるわけではないが、特定のクリエイティブなデザインや、通常のレイアウトでは実現が難しい複雑な幾何学的配置、あるいは物理演算的なアニメーションをCSSだけで実現したい場合には、非常に強力な選択肢となる。

例えば、円周上に画像を配置してカルーセルを構築したり、特定の中心点を軸に複数の要素を扇状に展開したり、波形に沿って要素が移動するアニメーションを作ったりといった具体的なユースケースが考えられる。これらの表現をJavaScriptなしで実現できることは、フロントエンド開発の幅を大きく広げる。システムエンジニアを目指す上では、このような新しい機能がどのように登場し、どのような議論を呼び、どのような可能性を秘めているのかを理解することは非常に重要だ。全ての機能を使いこなす必要はないが、その存在と目的を知っておくことで、将来的に適切な技術選択をする上での引き出しを増やすことができる。

CSSは今後も進化を続け、より表現力豊かな言語となるだろう。cos()sin()はその一例であり、CSSが単なる見た目の定義を超えて、ウェブのインタラクションやアニメーションの核となる部分にまで踏み込んでいることを示している。この変化を理解し、新しいツールやアプローチを学ぶ姿勢は、現代のシステムエンジニアにとって不可欠なスキルの一つとなるだろう。

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