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【ITニュース解説】富士薬品、データ活用基盤を構築--「Quollio」導入で「データの民主化」実現へ

2025年09月12日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「富士薬品、データ活用基盤を構築--「Quollio」導入で「データの民主化」実現へ」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

富士薬品は、全社でデータを活用できるよう、データ活用基盤の構築を開始した。次世代データプラットフォーム「Quollio Data Intelligence Cloud」を導入し、「データの民主化」実現を目指す。

ITニュース解説

複合型医薬品企業である富士薬品が、次世代データインテリジェンスプラットフォーム「Quollio Data Intelligence Cloud」を導入し、全社的なデータ活用基盤の構築に着手したというニュースは、現代ビジネスにおいてデータがいかに重要であるかを明確に示している。この取り組みは、単に新しいシステムを導入するという話に留まらず、企業がデータを最大限に活用し、競争力を高めるための重要な戦略だと言える。

まず、企業がなぜこのようなデータ活用基盤を必要とするのかを理解することが重要だ。今日の企業では、販売データ、顧客情報、ウェブサイトの閲覧履歴、製品の製造情報など、様々な種類のデータが日々大量に生成されている。しかし、これらのデータは多くの場合、別々のシステムや部署で管理され、互いに連携していない。その結果、「必要なデータがどこにあるか分からない」「データの内容が正確かどうかわからない」「データを分析するには専門家が必要」といった問題が発生し、データの持つ価値を十分に引き出せない状況に陥りがちだ。

富士薬品のような医薬品企業にとって、これらのデータは新薬開発、顧客へのサービス向上、効率的な販売戦略の立案など、ビジネスのあらゆる側面に影響を与える。データがバラバラに散らばっている状態では、迅速かつ正確な意思決定が難しくなり、ビジネスチャンスを逃す可能性もある。そこで、同社は全社的なデータ活用基盤を構築することで、これらの課題を解決し、データを一元的に管理・活用できる体制を目指している。

今回導入された「Quollio Data Intelligence Cloud」は、このデータ活用基盤の中心となるツールだ。これは単なるデータベースではなく、「データインテリジェンスプラットフォーム」と呼ばれる種類のシステムで、データの収集、整理、分析、そして活用までの一連の流れを支援する。特に重要なのは、データそのものだけでなく、「そのデータがどこから来て、何を意味し、誰がどのように使っているか」といった「メタデータ」と呼ばれる情報も管理する点だ。これにより、データの信頼性が高まり、利用者は安心してデータを活用できるようになる。例えば、ある売上データを見た時に、それがいつ、どのシステムから、どのような計算方法で算出されたものなのかがすぐに分かるようになるイメージだ。

この取り組みの最終的な目標の一つが「データの民主化」だ。これまでのデータ活用は、一部のデータサイエンティストやIT専門家など、特定のスキルを持つ人材に限定されることが多かった。しかし、データの民主化とは、専門知識を持たない一般のビジネス部門の社員でも、自分たちに必要なデータに容易にアクセスし、簡単な操作で分析・活用できる状態を指す。例えば、営業担当者が顧客データを分析して最適な提案を考えたり、マーケティング担当者がウェブサイトのアクセスデータから新しいキャンペーンのアイデアをひらめいたり、といったことが可能になる。これにより、現場の社員一人ひとりがデータに基づいた意思決定を行えるようになり、企業全体の生産性や競争力が飛躍的に向上することが期待される。

システムエンジニア(SE)を目指す皆さんにとって、このようなデータ活用基盤の構築プロジェクトは、非常にやりがいのある仕事の一つだ。SEは、まず企業のビジネス課題を深く理解し、「どのようなデータが必要か」「誰がどのようにデータを使うのか」といった要件を明確にする。次に、その要件に基づいて、データの収集方法、データの保存場所(データベースの選定)、データの加工・変換の仕組み(ETLパイプラインの設計)、そしてデータをビジネスユーザーに提供する方法(BIツールやAPIの連携)などを設計し、実際にシステムとして構築していく。

さらに、データの品質を維持するための「データガバナンス」の仕組みを考えたり、大切な顧客情報を守るためのセキュリティ対策を実装したりするのもSEの重要な役割だ。構築後も、システムが安定して稼働するように監視・運用し、ビジネスの変化に合わせて機能を改善していく継続的な努力が求められる。データベース、クラウド技術、プログラミング言語、API連携、セキュリティなど、幅広いIT技術の知識が必要となるが、それだけに多様なスキルを習得し、企業のビジネスに直接貢献できる貴重な経験を積めるだろう。

富士薬品のデータ活用基盤構築は、現代企業が直面するデータ活用の課題を解決し、新たな価値を創造するための重要な一歩だ。データの民主化は、企業文化や働き方にも変革をもたらす可能性を秘めている。システムエンジニアは、この変革を技術的な側面から支え、実現する中心的な存在であり、これからの社会でますますその重要性が高まっていくことは間違いない。データ活用に関する知識とスキルは、今後のシステムエンジニアにとって、必要不可欠な要素となるだろう。

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