【ITニュース解説】GitHub、自然言語でGitHub Actionsワークフローを記述可能にする試み。生成AIで自然言語をYaml形式にコンパイル

GitHubは、GitHub Actionsのワークフローを自然言語で記述できるようにする「Agentic Workflow」という試験的な機能を発表した。これは、GitHub Actionsをより手軽に利用できるようにするための取り組みだ。

GitHub Actionsは、ソフトウェア開発のプロセスを自動化するための機能である。例えば、コードがGitHubのリポジトリにプッシュされた際に、自動的にテストを実行したり、ビルドを行ったり、デプロイを行ったりすることができる。これらの自動化された処理の流れを「ワークフロー」と呼ぶ。

従来のGitHub Actionsのワークフローは、YAMLという形式のファイルで記述する必要があった。YAMLは、データの構造を記述するための言語の一種で、人間が読み書きしやすいように設計されているものの、プログラミングの経験がない人にとっては、少し難解に感じられるかもしれない。

Agentic Workflowは、このYAMLの記述を自然言語、つまり普段私たちが使っている言葉で記述できるようにする。例えば、「コードがプッシュされたら、テストを実行して、成功したらデプロイする」といったように、自然な文章でワークフローを記述できる。

Agentic Workflowの裏側では、生成AIが動いている。ユーザーが自然言語で記述したワークフローを、生成AIが解析し、YAML形式のファイルに変換する。これにより、ユーザーはYAMLの文法を意識することなく、ワークフローを作成できる。

この機能の導入により、GitHub Actionsの利用がより簡単になり、プログラミングの経験がない人でも、ソフトウェア開発の自動化に参加しやすくなることが期待される。例えば、デザイナーやプロジェクトマネージャーなど、開発チームのさまざまな役割の人が、自分たちの作業を自動化するためにGitHub Actionsを活用できるようになるかもしれない。

Agentic Workflowはまだ試験的な実装段階であり、今後の開発によって機能や性能が向上していくと考えられる。しかし、自然言語でワークフローを記述できるというコンセプトは、ソフトウェア開発のあり方を大きく変える可能性を秘めている。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このニュースは、自動化技術の進化と、プログラミングの敷居が下がる傾向を示すものとして捉えることができる。YAMLの記述を学ぶことも重要だが、より高度なレベルでは、AIを活用して開発プロセスを効率化する時代が来ていることを示唆している。

今後は、Agentic Workflowのようなツールを使いこなせるようになることが、システムエンジニアにとって重要なスキルとなるかもしれない。自然言語で記述されたワークフローを理解し、必要に応じて修正したり、最適化したりする能力が求められるようになるだろう。

また、Agentic Workflowは、生成AIの活用事例としても興味深い。生成AIは、テキストや画像などのコンテンツを生成するだけでなく、プログラミングコードの生成にも応用できることが示された。これにより、AIがソフトウェア開発のさまざまな局面で活躍する可能性が広がったと言える。

Agentic Workflowのようなツールが登場することで、システムエンジニアの仕事は、より創造的で戦略的なものへと変化していくと考えられる。単純なコーディング作業はAIに任せ、システム全体の設計や最適化、新しい技術の導入などに注力できるようになるかもしれない。

システムエンジニアを目指す初心者は、プログラミングの基礎を学ぶだけでなく、AI技術の動向にも常に目を向けておくことが重要だ。Agentic Workflowのようなツールを活用することで、より効率的に、より創造的にソフトウェア開発に取り組むことができるようになるだろう。