【ITニュース解説】8 Tips to Speed Up Your iOS Build Times in Xcode

2025年09月08日に「Medium」が公開したITニュース「8 Tips to Speed Up Your iOS Build Times in Xcode」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

XcodeでのiOSアプリ開発のビルド時間短縮に関する8つのTipsを紹介。コンパイラ設定の最適化、不要なコード削除、モジュール化、並列処理の活用などが有効。ビルド時間の短縮は開発効率向上に繋がり、よりスムーズな開発が可能になる。

ITニュース解説

XcodeでのiOSアプリのビルド時間短縮は、開発効率を大きく左右する重要な要素だ。特に大規模なプロジェクトや複雑なコードを扱う場合、ビルド時間の遅延はストレスの原因となり、開発サイクルを停滞させる。この記事では、Xcodeでのビルド時間を短縮するための8つの具体的な方法を解説する。

まず、Build Configurationを変更することが重要だ。Xcodeプロジェクトには、DebugとReleaseという2つの主要なBuild Configurationが存在する。Debugビルドはデバッグを容易にするために最適化されていない。そのため、アーカイブを作成したり、パフォーマンスを測定したりする際には、Releaseビルドを使用するべきだ。Releaseビルドは最適化されており、実行速度が向上するため、ビルド時間も短縮される。

次に、Build SettingのOptimization Levelを調整する。Optimization Levelは、コンパイラがコードを最適化する度合いを制御する。Debugビルドでは、Optimization Levelを「None」または「Fastest, smallest」に設定することで、ビルド時間を短縮できる可能性がある。ただし、最適化レベルを下げるほど、デバッグが難しくなる場合があることに注意が必要だ。Releaseビルドでは、通常、最高の最適化レベルを使用するべきだが、ビルド時間が非常に長い場合は、一時的にレベルを下げてみるのも有効な手段だ。

3つ目に、Modulesを使用する。Modulesは、ヘッダーファイルをインポートする代わりに、コンパイル済みモジュールを使用することで、コンパイル時間を短縮する。XcodeでModulesを有効にするには、Build Settingsの「Enable Modules (C and Objective-C)」を「Yes」に設定する。

4つ目に、Precompiled Headersを使用する。Precompiled Headersは、プロジェクト内で頻繁に使用されるヘッダーファイルを事前にコンパイルし、再利用することで、コンパイル時間を短縮する。XcodeはデフォルトでPrecompiled Headersをサポートしているが、設定が正しくない場合や、プロジェクトの規模が大きすぎる場合は、効果が薄れることがある。Precompiled Headersの効果を最大限に引き出すには、プロジェクトの構成を最適化し、適切なヘッダーファイルをPrecompiled Headersに含めることが重要だ。

5つ目に、適切なコンパイラフラグを使用する。コンパイラフラグは、コンパイラの動作を制御するためのオプションだ。例えば、「-Onone」フラグは最適化を無効にし、「-Os」フラグはコードサイズを最適化する。これらのフラグを適切に使用することで、ビルド時間を短縮できる可能性がある。ただし、コンパイラフラグの効果はプロジェクトによって異なるため、実験的に試してみる必要がある。

6つ目に、不必要なコードを削除する。プロジェクトに未使用のコードやリソースが含まれている場合、それらはコンパイルおよびリンクされるため、ビルド時間が長くなる。不要なコードやリソースを削除することで、ビルド時間を短縮できる。また、定期的にコードレビューを行い、不要なコードが蓄積しないように努めることも重要だ。

7つ目に、Build Systemを新しいBuild Systemに変更する。Xcode 10以降では、新しいBuild Systemが導入された。新しいBuild Systemは、従来のBuild Systemよりも高速かつ効率的である。新しいBuild Systemを使用するには、XcodeのFile > Workspace SettingsまたはProject Settingsで、Build Systemを「New Build System (Default)」に設定する。

最後に、Incremental Buildsを活用する。Incremental Buildsは、変更されたファイルのみをコンパイルすることで、ビルド時間を短縮する。XcodeはデフォルトでIncremental Buildsをサポートしているが、クリーンビルドを行うと、すべてのファイルが再コンパイルされるため、時間がかかる。Incremental Buildsの効果を最大限に引き出すには、頻繁にクリーンビルドを行わないようにし、必要な場合にのみクリーンビルドを実行する。

これらの8つの方法を組み合わせることで、XcodeでのiOSアプリのビルド時間を大幅に短縮できる。ビルド時間の短縮は、開発効率の向上に直結するため、これらのテクニックを積極的に活用することが推奨される。初心者エンジニアは、まず簡単な設定から試し、徐々に複雑な設定に挑戦することで、効果を実感できるだろう。

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