【ITニュース解説】Node.js だけじゃない!Deno やBun、JSランタイムって何? 〜JSランタイム入門〜
2025年09月13日に「Qiita」が公開したITニュース「Node.js だけじゃない!Deno やBun、JSランタイムって何? 〜JSランタイム入門〜」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
JSランタイムは、JavaScriptコードを実行するための環境だ。`npm run serve`の裏側で動くNode.jsもその一種。最近はDenoやBunなどの新しいランタイムも登場しており、これらを学ぶことで開発の仕組みをより深く理解できる。
ITニュース解説
「npm run serve」のようなコマンドが、実際には裏側で何を行っているのか、という疑問はシステムエンジニアを目指す上で基本的な関心事の一つだ。このコマンドがJavaScriptコードを実行し、アプリケーションを動かすための基盤を提供しているのが「JavaScriptランタイム」である。
JavaScriptは元々、ウェブブラウザ内で動作するよう設計されたプログラミング言語だ。ブラウザはJavaScriptコードを解釈し実行するためのエンジンを内蔵している。しかし、JavaScriptをブラウザの外、例えばパソコン上で直接実行したり、サーバーで動かしたりするためには、ブラウザとは異なる専用の実行環境が必要となる。このブラウザ外でJavaScriptコードを実行するための環境こそがJavaScriptランタイムである。多くのランタイムは、Googleが開発した高性能な「V8エンジン」を核として利用している。V8エンジンはJavaScriptコードをコンピューターが直接理解できる機械語に高速に変換する役割を担う。ランタイムは、V8エンジンに加えて、ファイルシステムへのアクセスやネットワーク通信など、ブラウザにはない独自の機能を提供することで、JavaScriptが多様な環境で活躍できるようにしている。
JavaScriptがサーバーサイドやデスクトップアプリケーション開発で広く使われるきっかけを作ったのが「Node.js」だ。2009年に登場したNode.jsは、V8エンジンを基盤に構築され、ブラウザを介さずにJavaScriptを実行できる画期的な環境を提供した。非同期I/Oという効率的な処理方式を採用したことで、ウェブサーバーやAPI開発で高いパフォーマンスを発揮し、広く普及した。Node.jsの大きな強みは、npm(Node Package Manager)という巨大なパッケージエコシステムを持ち、豊富なライブラリやツールを容易に利用できる点にある。しかし、初期の設計上、独自のモジュールシステム(CommonJS)の複雑さや、デフォルトでのセキュリティ機能の不足といった課題も抱えていた。
これらのNode.jsの課題を解決し、「より良い設計」を目指して、Node.jsの開発者であるライアン・ダール氏が新たに開発したのが「Deno」である。Denoは、セキュリティの強化、モダンなモジュールシステム(ES Modules)の採用、TypeScriptのネイティブサポートを主な特徴とする。Denoでは、ファイルシステムやネットワーク通信などのシステムリソースへのアクセスに明示的な許可が必要となり、デフォルトで高いセキュリティが確保される。また、特別な設定なしにTypeScriptコードを直接実行でき、URLから直接モジュールをインポートする方式により、依存関係の管理もシンプルになった。これにより、開発者はより安全で効率的な開発が可能となる。
そして、Node.jsとDenoに続いて登場し、さらなる高速化と「オールインワン」を追求した最新のJavaScriptランタイムが「Bun」だ。Bunは、JavaScriptとTypeScriptの実行に加え、JSXのサポートも標準で内蔵している。Bunの最大の特徴は、Appleが開発したWebKitブラウザのJavaScriptエンジンである「JavaScriptCore」をベースにしている点にある。これにより、非常に高速な起動と実行性能を実現し、開発作業全体のスピードアップに貢献する。さらにBunは、単なるランタイム機能だけでなく、npm互換のパッケージマネージャー、開発サーバー、ビルドツール、テストランナーといった、開発に必要な多様な機能を最初から一体化して提供する。これは、複数のツールを個別に導入・設定する手間を省き、開発環境の構築をシンプルにすることで、開発者の体験を向上させることを目指している。特にフロントエンド開発の分野でその統合された機能が注目を集めている。
Node.jsからDeno、そしてBunへと続くJavaScriptランタイムの進化は、JavaScriptが活躍する領域を広げ、開発者体験を向上させるための継続的な努力の歴史である。それぞれのランタイムは異なる設計思想や目的を持ち、特定の課題解決や性能向上に焦点を当てている。Node.jsはその安定したエコシステムと実績で広範に利用される一方で、Denoはモダンな設計とセキュリティ、TypeScriptへの対応を重視し、Bunは極めて高い実行速度と開発ワークフローの統合を追求している。システムエンジニアを目指す上で、これらのランタイムがそれぞれどのような特徴を持ち、どのような場面で活用されているかを理解することは、将来のプロジェクトにおいて最適な技術選択を行うための重要な知識となるだろう。