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【ITニュース解説】Make Power BI Fly: Professional Tricks to Accelerate Your Dashboards

2025年09月13日に「Medium」が公開したITニュース「Make Power BI Fly: Professional Tricks to Accelerate Your Dashboards」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Power BIでデータを見るダッシュボードが遅くて困ったことはないか。この記事では、ダッシュボードが遅くなる原因を見つけ、サクサク動くようにするプロのコツを解説する。速く信頼できるデータ分析で、良い意思決定ができるようになる。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す初心者にとって、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールであるPower BIは、データ分析と可視化の強力な武器である。企業が蓄積する膨大なデータを意味のある情報へと変換し、迅速な意思決定を支援するダッシュボードを作成できるからである。しかし、このPower BIのダッシュボードが遅いと、その価値は半減してしまう。ユーザーは待たされることに不満を感じ、データに基づいた意思決定が遅れる結果となる。そこで、Power BIダッシュボードを高速化し、信頼性の高いツールへと変革するための専門的な技術が求められる。

ダッシュボードのパフォーマンスが低下する主な原因は、「ボトルネック」と呼ばれる特定の処理の詰まりにある。これは、大量のデータを一度に処理しようとしたり、複雑すぎる計算式を使ったり、表示するビジュアルが多すぎたりする場合に発生する。システムエンジニアにとって、このボトルネックを見つけ出し、解消することは、システムの効率を向上させる上で非常に重要なスキルとなる。

ボトルネックを診断するためには、まず現状のパフォーマンスを測定することから始める。Power BIには「パフォーマンスアナライザー」という機能があり、レポート内の各ビジュアルやクエリがどのくらいの時間を消費しているかを詳細に確認できる。これにより、どの部分が遅延の原因となっているのかを特定し、改善の優先順位をつけることが可能となる。

診断によってボトルネックが特定できたら、次はその解消に取り組む。プロフェッショナルなダッシュボードを構築するためには、いくつかの重要な「トリック」がある。

一つ目は「データモデルの最適化」である。Power BIは、データを内部のデータモデルに取り込んで処理を行う。このデータモデルが大きすぎたり、非効率的だったりすると、パフォーマンスに大きな影響を与える。具体的には、分析に不要な列をデータソースから読み込まないようにしたり、テキスト型よりも数値型や日付型など、適切なデータ型を使用したりすることが重要である。また、Power BIがデータを効率的に圧縮できるように、データカーディナリティ(列に含まれるユニークな値の数)を考慮した設計を行うことも大切である。例えば、非常に多くのユニークな値を持つテキスト列は、圧縮効率が悪く、パフォーマンスに悪影響を及ぼしやすい。さらに、複数のテーブルを結合する際には、スター型スキーマと呼ばれる、中央にファクトテーブルを置き、それを取り囲むようにディメンションテーブルを配置する構造を採用すると、データの参照や集計が効率的に行われる。

二つ目は「DAX(Data Analysis Expressions)式の最適化」である。DAXはPower BIで計算列やメジャーを作成するための強力な言語だが、非効率なDAX式は処理時間を大幅に増加させる原因となる。例えば、フィルタリングや集計処理を複数回繰り返すような複雑な式や、計算範囲が広すぎるイテレータ関数(例:SUMX、AVERAGEX)の不適切な使用は避けるべきである。変数を適切に利用して中間計算結果を再利用したり、シンプルな関数で表現できる場合はそちらを使ったりすることで、DAX式の実行速度は向上する。DAXスタジオのような外部ツールを利用して、DAX式のパフォーマンスを詳細に分析し、ボトルネックとなっている部分を特定することも有効である。

三つ目は「ビジュアルとレポート設計の最適化」である。一つのページに多くのビジュアルを詰め込みすぎると、それぞれのビジュアルがデータを取得・描画するために多くのリソースを消費し、レポート全体の表示が遅くなる。本当に必要な情報に絞り込み、シンプルで分かりやすいレイアウトを心がけるべきである。また、複雑な条件付き書式や多数のインタラクションを設定しすぎると、表示が遅延する原因となる場合がある。レポートのページ数を減らし、ユーザーが必要な情報に素早くたどり着けるよう、適切なフィルターやスライサー、ドリルスルー機能などを活用することも、パフォーマンス向上に繋がる。

四つ目は「クエリの最適化」である。Power BIは、データソースからデータを取得する際にPower Queryという機能を使用する。Power QueryのM言語で記述されるクエリが非効率だと、データのロードに時間がかかったり、不要なデータまで取得してしまったりする。可能な限りデータソース側でデータのフィルタリングや集計を行うことで、Power BIにロードするデータ量を削減し、パフォーマンスを向上させることができる。これは「クエリフォールディング」と呼ばれ、Power BIがデータソースのネイティブクエリを最大限に活用する仕組みである。

これらの技術を駆使することで、Power BIダッシュボードはただ情報を表示するだけでなく、ユーザーがストレスなく、迅速に、そして信頼できるデータに基づいて意思決定を行える強力なツールへと進化する。システムエンジニアとして、このようなパフォーマンス最適化のスキルを習得することは、より高品質なシステムを提供し、ビジネスの成功に貢献するために不可欠な能力となるだろう。継続的にダッシュボードのパフォーマンスを監視し、改善を続けることで、常に最高のユーザー体験を提供し続けることが可能になるのである。

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