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【ITニュース解説】無料で学べるオブザーバビリティ New Relicが学習コンテンツと資格制度を拡充

2025年09月17日に「@IT」が公開したITニュース「無料で学べるオブザーバビリティ New Relicが学習コンテンツと資格制度を拡充」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

New Relicは、システムの状態を把握する技術「オブザーバビリティ」を無料で学べる日本語コンテンツと資格制度を拡充した。オンデマンドで時間や場所を問わず学習でき、初心者でもITシステムの監視・改善に必要な知識を習得できる。企業のDX推進を後押しする。

ITニュース解説

New Relicがオブザーバビリティに関する日本語の無料オンデマンド学習コンテンツと資格制度の提供を開始したというニュースは、システムエンジニアを目指す初心者にとって、非常に重要な意味を持つ。この取り組みは、現代の複雑なシステムを理解し、運用するために不可欠なスキルである「オブザーバビリティ」を学ぶ機会を、時間や場所を問わずに提供するものだ。

まず、オブザーバビリティとは何かという点から解説が必要だ。システムエンジニアにとって、自分が開発・運用するシステムが「今、どのような状態にあるのか」を正確に把握することは極めて重要である。システムの動作がおかしい、ユーザーから苦情が来ているといった問題が発生した際、その根本原因を迅速に特定し、解決できなければ、ビジネスに大きな損害を与えてしまうからだ。オブザーバビリティとは、このような状況において、システムの内部状態を外部から「どれだけ推測できるか」という能力や特性を指す。

従来のシステム監視(モニタリング)は、あらかじめ設定されたCPU使用率やメモリ使用量、ネットワークトラフィックなどの特定の指標(メトリクス)が閾値を超えた場合にアラートを出すというアプローチが一般的だった。これは、システムが「正常か異常か」という既知の問題を把握するには有効だが、「なぜ異常なのか」「具体的にどこで問題が起きているのか」といった未知の問題の原因を深掘りして特定するには限界があった。

これに対し、オブザーバビリティは、システムが出力する様々なデータ、すなわち「ログ(Log)」「メトリクス(Metric)」「トレース(Trace)」を統合的に収集・分析することで、システムの複雑な振る舞いを多角的に理解し、未知の問題の根本原因まで掘り下げて特定できるようにする考え方だ。

ログとは、システム内で発生したイベントや処理の内容を時系列で記録したテキストデータのことである。いつ、どこで、何が起きたかといったシステムの行動履歴が記されている。メトリクスは、CPU使用率やメモリ使用量、ディスクI/O、ネットワーク帯域、アプリケーションの応答時間など、システムのパフォーマンスやリソース利用状況を示す数値データである。これらのメトリクスを時間経過でグラフ化することで、システムの傾向や異常を視覚的に把握できる。そしてトレースとは、ユーザーからの1つのリクエストが、システム内の複数のサービスやコンポーネントをどのように連携して処理されていったかという、その一連の処理経路を追跡したデータである。現代のシステムは、マイクロサービスアーキテクチャのように、小さなサービスが多数連携し合って一つの機能を提供することが多いため、このトレースデータは、分散システム内でどこにボトルネックがあるのか、どのサービス間の連携で問題が発生しているのかを特定する上で非常に強力な手がかりとなる。

これらのログ、メトリクス、トレースという3種類のデータをバラバラにではなく、関連付けて統合的に分析できる状態が「オブザーバビリティが高い」システムと言える。これにより、システムの問題発生時に、表面的な症状だけでなく、その裏で何が起きているのか、なぜそのような状態になったのかを詳細に把握し、迅速な問題解決へとつなげることが可能になる。

オブザーバビリティが今日これほどまでに重要視される背景には、ITシステムの高度化と複雑化がある。クラウドネイティブな環境への移行、マイクロサービスアーキテクチャの普及、コンテナ技術の利用などにより、システムはより柔軟でスケーラブルになった一方で、構成要素が増え、それぞれの連携も複雑になった。このような環境では、従来型の監視だけではシステムの全体像を把握することが困難であり、問題発生時の原因特定に時間がかかりがちだ。オブザーバビリティは、こうした複雑なシステム環境において、安定稼働を維持し、ユーザーに高品質なサービスを提供するための不可欠な要素となっている。

また、ニュース記事で触れられているDX推進との関連性も重要だ。デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争上の優位性を確立することである。このDXを成功させるためには、その基盤となるITシステムが常に最適な状態で稼働し、迅速な改善や新機能の追加が可能であることが前提となる。オブザーバビリティは、システムのパフォーマンスを最大化し、障害発生時のダウンタイムを最小限に抑えることで、ビジネスの俊敏性を高め、DX推進を強力に後押しする役割を担うのだ。

New Relicが提供する無料の学習コンテンツと資格制度は、こうしたオブザーバビリティの重要性を理解し、そのスキルを身につけたいと考える初心者システムエンジニアにとって、まさにうってつけの機会である。オンデマンド型であるため、自分のペースで、都合の良い時間に学習を進めることができ、地理的な制約も受けない。さらに、日本語で提供されることで、英語の学習コンテンツにありがちな言語の壁が取り払われ、より多くの学習者がスムーズに知識を吸収できる。

資格制度は、学習のモチベーション維持に役立つだけでなく、オブザーバビリティに関する知識やスキルを客観的に証明する手段となる。システムエンジニアとしてキャリアを築いていく上で、特定の技術分野における専門スキルを持つことは、就職や転職活動において大きなアピールポイントとなる。New Relicの製品はオブザーバビリティ分野で広く利用されており、その認定資格を持つことは、実践的なスキルと知識を持っていることの証となるだろう。

システムエンジニアを目指す初心者は、この機会を活用し、オブザーバビリティの概念とその実践方法を体系的に学ぶべきだ。それは、現代のITシステムを理解し、将来のキャリアを築く上で、非常に価値のある投資となるだろう。

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