【ITニュース解説】North Korea executing more people for watching foreign films and TV, UN finds
2025年09月13日に「Hacker News」が公開したITニュース「North Korea executing more people for watching foreign films and TV, UN finds」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
国連の調査で、北朝鮮が外国の映画やテレビ番組を視聴した人々への処刑を増やしていることが明らかになった。これは、国民に対する情報統制の強化を意味する。
ITニュース解説
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が最近発表した報告書は、北朝鮮において外国の映画やテレビ番組を視聴したり、これらを配布したりした人々に対して、処刑を含む非常に厳しい処罰がますます頻繁に行われているという深刻な実態を明らかにした。この報告書は、北朝鮮体制が国民の情報アクセスを厳しく統制し、外部からの情報が国内に流入することを極度に警戒している現状を示している。
報告書にまとめられた国連の調査は、2018年から2022年までの期間に、北朝鮮から脱北した約2,000人近くの人々への詳細な聞き取りに基づいて実施された。その結果、情報統制違反を理由とした約100件もの死亡事例が特定された。これらの事例の中には、少なくとも10件の公開処刑が含まれており、その多くは外国のメディアコンテンツを視聴したり、他者に配布したりしたことが原因であった。公開処刑は、他の国民への見せしめとして行われることが多く、住民を恐怖で支配し、情報統制への違反を抑止する狙いがあると考えられている。
北朝鮮がこのような極端な情報統制に乗り出す背景には、体制の安定を維持したいという強い思惑がある。外部からの情報、特に韓国のドラマや映画といった「外国の文化」は、北朝鮮の国民に異なる価値観や生活様式を示し、現在の体制に対する疑問や不満を抱かせる可能性があると、当局は深く懸念している。最高指導者である金正恩総書記自身も、このような外国文化の流入を「悪性のがん」と表現し、国のイデオロギーと社会主義体制を脅かすものとして強く警戒している。
この動きを象徴するのが、2020年に制定された「反動思想・文化排撃法」である。この法律は、外国の映画、ドラマ、歌、出版物などを視聴、保存、配布することを厳しく禁止しており、違反者には最大で死刑を含む極刑が科されることになった。この法律の導入以降、外国メディアの視聴に対する処罰はより一層強化され、特に若者やティーンエイジャーが監視の対象となり、摘発されるケースが増加しているという。当局は、将来を担う若者たちが外部情報に触れることで、体制に批判的な考えを持つことを最も恐れているのかもしれない。
外国のメディアコンテンツは、主にUSBドライブやSDカードといったデジタル記憶媒体を介して、中国国境などから密かに国内に持ち込まれている。また、中国との国境付近では、電波状況によっては外国のラジオやテレビ番組を受信できてしまうケースも存在する。しかし、北朝鮮当局は、このような情報の流入経路を徹底的に遮断し、国民が外部情報に触れる機会を完全に排除しようと躍起になっている。国家安全保衛部や社会安全省といった機関が国民の行動を厳しく監視しており、スマートフォンやコンピューターといったデジタルデバイスの使用状況も逐一チェックされていると考えられている。わずかな違反行為でも厳しい取り調べや処罰の対象となるため、国民は常に監視下に置かれているような状態であると言える。
国連や多くの国際人権団体は、北朝鮮の一連の情報統制策が、国民の基本的な人権、特に情報へのアクセスや表現の自由を著しく侵害していると強く批判している。情報の自由は、現代社会において個人が適切に判断し、自身の意思を形成するために不可欠な権利である。国連は、北朝鮮政府に対し、国際的な人権基準を遵守し、恣意的な逮捕や処罰、そして公開処刑を直ちに停止するよう繰り返し求めている。また、このような人権侵害の実態について透明性のある調査を行い、責任を負うべき者に対して説明責任を果たすよう国際社会は強く要求している。
この報告書は、北朝鮮という国において、情報へのアクセスがどれほど貴重であり、同時に命がけのリスクを伴う行為であるかを改めて浮き彫りにした。人々がただ外国の文化に触れたいという欲求だけで、生命の危機に晒されるという現実に対し、国際社会の継続的な関心と行動が求められている。