USB(ユーエスビー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
USB(ユーエスビー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ユーエスビー (ユーエスビー)
英語表記
USB (ユーエスビー)
用語解説
USBはUniversal Serial Busの略であり、コンピュータと様々な周辺機器を接続するためのシリアル通信インターフェースの標準規格である。その登場以前、コンピュータの周辺機器接続には、シリアルポート、パラレルポート、PS/2ポートなど、用途に応じた多数の異なるポートが存在していた。これらのポートは、それぞれ転送速度や接続可能なデバイスに限界があり、また、ポートの形状が異なるためケーブルが複雑になりがちであった。さらに、多くの場合、デバイスを接続する際にはコンピュータの電源を落とす必要があり、IRQ(割り込み要求)やDMA(ダイレクトメモリアクセス)チャネルなどのシステムリソース設定を手動で行う必要があったため、初心者にとっては高い敷居となっていた。
これらの課題を解決するために開発されたのがUSBである。USBは、その名の通り「Universal(汎用)」を追求し、一つの規格でマウス、キーボード、プリンタ、スキャナ、外部ストレージなど、多種多様な周辺機器を接続できるように設計された。これにより、ユーザーは機器ごとに異なるポートやケーブルを用意する手間から解放され、統一されたシンプルな接続環境を手に入れた。USBの大きな特徴は、接続するだけで機器が認識され、すぐに利用可能になる「プラグアンドプレイ」機能と、コンピュータの電源が入ったまま機器の抜き差しが可能な「ホットスワップ」機能である。これらは、それまでの周辺機器接続における煩雑さを大幅に軽減し、コンピュータの利便性を飛躍的に向上させた。また、USBケーブルを通じて周辺機器へ電源を供給できる「バスパワー」機能も標準で搭載されており、消費電力の少ない小型機器であればACアダプタなしで動作させることが可能になった。現在、USBはパーソナルコンピュータだけでなく、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、テレビゲーム機、さらには家電製品に至るまで、あらゆるデジタル機器に搭載されており、事実上の標準インターフェースとして社会に深く浸透している。
USBの技術的な詳細について掘り下げていく。USBはシリアル通信方式を採用している。これは、データを一本の線に並列ではなく直列に送る方式で、これによりケーブル内の配線数を減らし、電磁ノイズの影響を受けにくくするとともに、高速なデータ転送を実現している。USB接続では、通常、ホストとデバイスという関係が構築される。ホストは主にコンピュータ側を指し、通信全体の制御を行うマスターの役割を担う。一方、デバイスはマウスやキーボード、USBメモリなどの周辺機器を指し、ホストからの指示に従って動作するスレーブの役割を果たす。このマスター/スレーブ方式により、複数のデバイスが同時に接続されても、ホストが一元的に管理し、効率的なデータ転送を可能にしている。
電源供給に関しては、USBはケーブル内の電源線を通じて5Vの電圧を供給する。初期のUSB 1.x/2.0規格では最大500mA(2.5W)の電流供給が可能であったが、後にUSB Battery Charging (USB BC) 1.2規格で最大1.5A、さらにUSB Power Delivery (USB PD) 規格の登場により、Type-Cコネクタとの組み合わせで最大240W(USB PD 3.1 Extended Power Range)もの大電力供給が可能となり、ノートPCなどの消費電力の大きな機器への給電や充電にも対応できるようになった。このバスパワー機能は、外部電源が不要なデバイスの普及を促し、モバイルデバイスの充電にも不可欠な存在となっている。
USBのコネクタには、その歴史の中で様々な形状が登場した。最も一般的なものは、ホスト側によく使われる長方形の「Type-A」コネクタである。周辺機器側には、プリンタやハブなどに用いられる四角い「Type-B」コネクタがあった。携帯電話やデジタルカメラなどの小型デバイス向けには、小型化された「Mini-USB」コネクタが普及し、さらに小型化された「Micro-USB」コネクタがスマートフォンやタブレットの標準的な充電・データ通信コネクタとして広く採用された。そして近年、その汎用性と高性能から急速に普及しているのが「Type-C」コネクタである。Type-Cは上下の区別がないリバーシブル形状で、抜き差しが容易である点が大きな特徴である。また、後述するUSB PDによる大電力供給、DisplayPortやHDMIなどの映像出力、Thunderboltとの互換性など、多機能なオルタネートモードに対応し、将来的にはあらゆるデバイスの単一インターフェースとなる可能性を秘めている。
USBの規格とそれに伴う転送速度の進化も重要な要素である。 最初の規格である「USB 1.0/1.1」は、最大12Mbps(Full Speed)の転送速度を実現し、キーボードやマウス、低速なプリンタなどの接続に利用された。 「USB 2.0」は、最大480Mbps(High Speed)と大幅な速度向上を遂げ、外部ストレージやデジタルカメラなど、より高速なデータ転送を必要とする機器の普及を後押しした。 次の世代である「USB 3.0」は、最大5Gbps(SuperSpeed)に速度が向上し、コネクタ内部の端子数が増え、通常は青い色で識別される。この規格は後に「USB 3.1 Gen 1」や「USB 3.2 Gen 1」と名称が変更され、ユーザーを混乱させる一因となった。 さらに速度を向上させた「USB 3.1 Gen 2」では最大10Gbps(SuperSpeed+)を実現し、これも後に「USB 3.2 Gen 2」と呼ばれるようになった。 最新の「USB 3.2」規格では、Type-Cコネクタの複数レーンを利用することで最大20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2)の転送速度を達成している。 そして、2019年に発表された「USB4」は、Intelが開発したThunderbolt 3の技術をベースに策定された規格であり、Type-Cコネクタのみに対応する。最大40Gbpsの転送速度に加え、データと映像信号を同時に送ることができ、外部ディスプレイへの映像出力(DisplayPort Alternate Mode)もサポートする。これは、PCと周辺機器間のケーブルを一本化する究極のソリューションとして期待されている。
USBは、データ転送、周辺機器の接続、電源供給・充電、そして映像・音声出力といった多岐にわたる用途に利用されている。USBフラッシュドライブや外付けHDD/SSDのようなストレージデバイスとの高速データ転送、マウスやキーボード、プリンタなどの基本的な周辺機器の接続、スマートフォンの充電やモバイルバッテリーへの給電、さらにはType-C対応モニターへの映像出力など、その応用範囲は計り知れない。システムエンジニアを目指す上で、USBがコンピュータシステムにおいていかに基盤的な役割を担っているかを理解することは不可欠である。その汎用性、利便性、そして絶え間ない技術進化は、これからもデジタル社会を支える重要な技術であり続けるだろう。