Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】Nothing plans to launch ‘first AI-native devices next year’

2025年09月16日に「The Verge」が公開したITニュース「Nothing plans to launch ‘first AI-native devices next year’」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Nothing社が2億ドルを調達した。同社は来年、AIを核とする「AIネイティブデバイス」の投入を計画している。これは既存のOSとは大きく異なる、新世代のOSで動作する見込みだ。

ITニュース解説

ロンドンを拠点とする新興テクノロジー企業Nothing社が、2億ドルの資金を調達し、来年には「AI-nativeデバイス」と呼ばれる次世代の製品を発表する計画を明らかにした。この発表は、現在のスマートフォンやパソコンに搭載されているオペレーティングシステム(OS)とは大きく異なる、新しいOS上で動作するデバイスの登場を予告しており、システムエンジニアを目指す者にとって、今後の技術の方向性を示す重要なニュースと言える。

Nothing社が提唱する「AI-nativeデバイス」とは、単に既存のデバイスにAI機能を追加したものではない。これは、AIがデバイスの基本的な設計思想や、その中核であるOSの機能に深く組み込まれ、ユーザー体験全体をAIが主導する形を指す。現在のスマートフォンでは、音声アシスタントやカメラの画像処理、翻訳機能など、多くの場面でAIが活用されているが、これらはあくまでアプリや特定の機能としてAIが「後付け」されているのが現状だ。AI-nativeデバイスは、デバイスが起動する瞬間から、ユーザーがどのような状況にいて、何を求めているかをAIが常に学習し、予測し、それに合わせてデバイスの動作を最適化していくことを目指す。例えば、ユーザーが特定の場所に着くと自動的に必要な情報が提示されたり、日常的なタスクがユーザーの明示的な操作なしに実行されたりするといった、よりパーソナルで直感的な体験が期待できる。

Nothing社の創業者兼CEOであるカール・ペイ氏が指摘するように、「現在のOSとは大きく異なる」という点も非常に重要だ。私たちが日々利用するスマートフォンやパソコンのOSは、アプリを中心に構成されている。ユーザーは目的の作業を行うために特定のアプリを起動し、そのアプリ内で操作を行うのが一般的だ。しかし、この仕組みには、無数のアプリの中から適切なものを選び、切り替える手間がかかるという課題がある。AI-nativeなOSは、このようなアプリの境界線を曖昧にし、ユーザーの意図や状況をAIが理解することで、複数のアプリにまたがる情報や機能をシームレスに連携させ、必要なタスクを自動的に、あるいはより少ない操作で完了させることを目指す可能性がある。例えば、カレンダーに登録された予定に基づいて最適な交通手段を提案し、経路案内アプリと連携して出発時間をリマインドし、さらにその日の天候から服装のアドバイスをする、といった一連の動作を、ユーザーが個別にアプリを開かずに実現する未来が考えられる。

このようなOSの変革は、システムエンジニアリングの分野に新たな開発パラダイムをもたらすだろう。これまでのアプリ開発は、OSが提供するAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を利用して特定の機能を実現するのが主流だったが、AI-nativeなOSでは、AIモデル自体がOSの重要なコンポーネントとなり、そのAIモデルと連携するシステムの設計や開発が求められるようになる。例えば、デバイスが収集する大量のセンサーデータやユーザー行動データから意味のある情報を抽出し、それを基にAIモデルを訓練・最適化する技術、そしてそのAIモデルが安全かつ効率的に動作するためのインフラを構築するスキルが、より一層重要になるだろう。また、AIが提供する予測やレコメンデーションの信頼性、プライバシー保護の設計、そしてAIが意図しない挙動をした場合のデバッグや修正方法など、新たな課題も生まれる。

Nothing社が2億ドルもの資金を調達できたのは、同社の描くビジョンが、現在のテクノロジーが抱える課題を解決し、次の時代のユーザー体験を創造する可能性を秘めていると投資家が判断したからに他ならない。これは単なる新製品の発表ではなく、デバイスとAIの関係性、そしてOSのあり方そのものに対する根本的な問い直しだと言える。カール・ペイ氏のプレスリリースが「技術への賛辞とマニフェスト」と表現されているのは、彼らが目指すのが単なる機能追加ではなく、より人間中心で直感的なテクノロジーの未来を切り開くという強い意志の表れだろう。システムエンジニアを目指す私たちは、このような技術革新の波に乗り遅れないよう、AIの基礎知識、機械学習の原理、そして新しいOSやプラットフォームがどのようなアーキテクチャで構成されるかなど、幅広い知識と技術を習得していく必要がある。Nothing社の「AI-nativeデバイス」がどのような形で登場し、私たちのデジタルライフをどう変えていくのか、今後の動向から目が離せない。

関連コンテンツ