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【ITニュース解説】Punch-Cards to Prompts: Rebooting Reality

2025年09月14日に「Medium」が公開したITニュース「Punch-Cards to Prompts: Rebooting Reality」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

コンピュータは半世紀を経てパンチカードからAIのプロンプトへと大きく進化してきた。その過程で多くの技術が抽象化され再発明されたが、根幹には「二つの数字を足す」といった基本的な処理がある。この記事は、技術の進化と本質を振り返る内容だ。

出典: Punch-Cards to Prompts: Rebooting Reality | Medium公開日:

ITニュース解説

コンピュータは、その誕生から今日に至るまで、私たち人間がより簡単に、そしてより強力に扱えるように絶えず進化を続けてきた。この進化の歴史は、機械に対する「抽象化」と、既存の概念の「再発明」の連続だと言える。

コンピュータの夜明けは、私たちが現在想像するよりもはるかに扱いにくいものだった。初期のコンピュータは、パンチカードと呼ばれる厚紙に穴を開けることで命令を与えていた。例えば「二つの数を足す」という単純な計算一つでも、どのメモリにデータを格納し、どの演算装置を使い、結果をどこに出力するか、といった全てのステップを、電気信号のレベルに近い形でカードに穴を開けて指示する必要があったのだ。これは非常に専門的な知識と根気を要する作業であり、ごく限られた専門家しかコンピュータを操作できなかった。コンピュータは巨大な機械であり、それを動かすには高度な職人技が求められたと言える。

しかし、この扱いにくさを解消しようとする努力が、抽象化の歴史の始まりとなった。まず、アセンブリ言語や、後に登場するFORTRAN、COBOLといった高級プログラミング言語が開発された。これらは、機械語で直接命令を記述するのではなく、人間が理解しやすい単語や文法でプログラムを書けるようにするものだった。例えば、「二つの数を足す」という命令は、機械語の複雑なビット列ではなく、「ADD A, B」のようなシンプルな記述で済むようになった。これにより、プログラマーはコンピュータの内部構造をいちいち詳細に意識することなく、より高レベルな視点から課題解決に集中できるようになったのだ。

さらに、オペレーティングシステム(OS)の登場は、この抽象化をさらに一段階進めた。OSは、コンピュータのハードウェアとアプリケーションソフトウェアの間に立つ存在で、メモリ管理やファイル管理、入出力制御といった基本的な機能を一手に引き受ける。これにより、アプリケーション開発者は、使っているコンピュータのメーカーや機種が異なっても、ほぼ同じプログラムで動作させられるようになった。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の普及は、コンピュータの操作性を劇的に向上させた。コマンドを入力する代わりに、マウスでアイコンをクリックしたり、ウィンドウをドラッグしたりするだけで、直感的に操作できるようになったのだ。私たちは、「二つの数を足す」ために電卓アプリをクリックし、数字を入力するだけで良くなった。その裏でOSが、そしてプログラミング言語が、複雑な処理を自動的に行ってくれている。

このような進化は、「再発明」の繰り返しでもあった。例えば、データの保存という基本的な概念は変わらないが、パンチカードから磁気テープ、ハードディスク、そしてクラウドストレージへと、その媒体とアクセス方法は時代とともに再発明されてきた。計算能力という本質は変わらないが、その利用形態は、バッチ処理からリアルタイム処理、そしてインタラクティブなアプリケーションへと再発明されてきたのだ。

そして現代、私たちは「プロンプト」の時代に突入している。これは、特に生成AIの進化によってもたらされた、新たな抽象化の極致と言える。私たちはコンピュータに自然言語で「二つの数を足して」と、まるで人間に話しかけるかのように指示を出すだけで、AIがその意図を理解し、適切な処理を行う。これは、初期のパンチカード時代からすれば、想像を絶するほど高度な抽象化であり、人間にとって最も直感的で負担の少ないインターフェースだと言えるだろう。もはや、プログラミング言語の文法やOSの操作方法を意識する必要すらなくなってきている。

この「プロンプト」という形でコンピュータと対話する方法の進化は、私たちの現実世界を「再起動」しつつある。これまで専門的な知識が必要だった創造的な作業や、複雑なデータ分析、情報収集などが、自然言語の指示一つで可能になりつつあるのだ。これは、システムエンジニアを目指す皆さんにとっても、コンピュータとの付き合い方が大きく変わることを意味する。AIを使いこなす能力、適切なプロンプトを作成する能力は、これからのIT分野で非常に重要なスキルとなるだろう。コンピュータの進化は、常に人間がより簡単に、より高度なことを実現できるようにするための道のりであり、その過程で多くの技術が抽象化され、再発明されてきた。私たちは今、その歴史の新たな転換点に立ち会っているのだ。

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