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【ITニュース解説】SelfSprite Maze Game---------Take a selfie, and become an animated playable character in the game

2025年09月15日に「Dev.to」が公開したITニュース「SelfSprite Maze Game---------Take a selfie, and become an animated playable character in the game」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Selfsprite Maze Gameは、自撮り写真から自分の8ビットキャラを生成し、ゲーム内で動かせる画期的な迷路ゲームだ。Google AI StudioのマルチモーダルGenAIが、写真とテキスト指示でプレイヤーや敵のキャラクターを自動生成する。AIが作る迷路で、A*経路探索で迫るAIの敵と戦う、AI活用型のゲーム体験を提供する。

ITニュース解説

SelfSprite Maze Gameは、最新のAI技術を活用して、ゲーム体験を大きく変える新しい試みだ。このゲームの最大の特長は、プレイヤー自身がゲーム内のキャラクターになれる点にある。既存のゲームでは、あらかじめ用意されたキャラクターを選ぶのが一般的だが、このゲームでは、あなたのセルフィー(自撮り写真)が、レトロな雰囲気のアニメーションする8ビットキャラクターに変身し、迷路を冒険する主人公となるのだ。

このゲームは、Google AI Studioという開発環境と、Googleの生成AIであるGeminiモデルを使って作られた。開発者の目的は、ゲームをプレイする人と、ゲーム内のキャラクターとの間に感じる隔たりをなくし、より個人的で没入感のある体験を提供することだ。

ゲームの基本的な流れは非常にシンプルだが、その裏側には高度なAI技術が隠されている。まず、あなたは自分のヒーローを作成する。スマートフォンなどでセルフィーを撮影し、それをゲームに取り込む。次に、「ウィザード」や「サイバーパンク」といったキャラクターのスタイル(クラス)を選ぶと、AIがあなたの顔写真と選んだスタイルを組み合わせて、あなた専用の8ビットアニメーションキャラクターの画像群、つまり「スプライトシート」を瞬時に生成する。スプライトシートとは、キャラクターが動くための全てのコマが一つにまとめられた画像のことだ。このプロセスはわずか数秒で完了し、あなたはすぐにゲームの主人公となる。

次に、このゲームのユニークな点は、敵キャラクターも自分でデザインできることだ。ヒーローを作成したのと同じ要領で、今度は敵のガードキャラクターを作成する。例えば、友人の写真を使ったり、好きな有名人の写真を使ったり、あるいは全く新しい自分自身のようなキャラクターを作って敵にすることも可能だ。これにより、ゲーム内で文字通り「友人や有名人と戦う」という、これまでにない楽しみ方が生まれる。

ヒーローと敵の準備ができたら、いよいよゲームプレイが始まる。あなたは自動生成された迷路に放り込まれ、出口を目指して進むことになる。しかし、そこにはあなたがデザインした敵のガードが巡回している。敵はただやみくもに歩いているわけではない。彼らは「ライン・オブ・サイト」(視線)と呼ばれる機能でプレイヤーを見つけると、A*(エースター)パスファインディングという賢い経路探索アルゴリズムを使って、あなたを追い詰めてくる。これは、目的地までの最短経路を効率的に見つける高度な方法で、敵がただの置物ではなく、知的に行動することを意味する。つまり、あなたは知的な敵から逃げながら、迷路の出口を探すことになるのだ。

このゲームは、単にプレイするだけでなく、それ自体がクリエイティブな「創造エンジン」としても機能する。AIが迷路を生成するため、プレイするたびに新しいレイアウトの迷路が登場し、無限に異なる体験ができる「無限のリプレイ性」を提供している。また、ゲームをクリアすると、あなたが作ったキャラクターのスプライトシートが高品質なGIFアニメーションやPNG画像としてダウンロードできる。これは、あなたの新しいプロフィール画像として活用したり、SNSで共有したりするのに最適だ。さらに、インターネット接続がない場合でも、事前に生成したスプライトシートを使えばゲームを楽しむことができる「オフラインモード」も用意されている。

このSelfSprite Maze Gameの実現には、Google AI Studioが中心的な役割を果たしている。開発者はAI Studioを使って、AIにどのような指示(プロンプト)を与えれば意図通りの画像が生成されるかを試行錯誤し、最適な方法を見つけ出した。そして、実際のゲームでは、Googleが提供するGenAI SDKという開発ツールキットを使用して、AIの機能を組み込んでいる。

特に重要なのは、二種類のGeminiモデルが連携して機能している点だ。一つは「Nano Banana」と呼ばれるモデルで、これがゲームのクリエイティブな部分を担うエンジンとなっている。このモデルは、「マルチモーダル生成」と呼ばれる能力を持っている。これは、画像(あなたのセルフィー)とテキスト(キャラクターのスタイルやアニメーションの指示)という、異なる種類の情報を同時に受け取り、それらを組み合わせて新しい画像(あなたのアニメーションする8ビットスプライトシート)を生成する技術だ。つまり、ただテキストから画像を生成するだけでなく、あなたの顔写真という具体的な視覚情報を元に、新たなビジュアルアセットを生み出しているのだ。

もう一つのGeminiモデルは「gemini-2.5-flash」というもので、こちらは「ビジョンベース分析」という役割を担っている。これは、AIが生成したスプライトシートが何列何行の画像で構成されているかを自動で認識するために使われる。開発者が手動で画像のサイズや分割数を数える代わりに、このビジョンモデルに画像を見せて「この画像は何列何行のグリッドで構成されていますか?」と質問すると、AIが正確な情報をJSON形式という、プログラムで扱いやすいデータ形式で返してくれる。これにより、AIが生成したクリエイティブな素材を、その後のゲーム内で適切にアニメーションさせるための技術的な情報まで、AIが自動で処理する「クローズドループパイプライン」が実現している。これは、創造的な作業と技術的な処理の間にあるギャップをAIが埋めることで、複雑なプロセスを瞬時に、かつ正確に実行できることを意味する。

このように、SelfSprite Maze Gameは、マルチモーダルAIの能力を最大限に活用している。プレイヤーの顔写真を基盤とした「画像から画像への変換」によって、非常に個人的なキャラクターが生まれ、プレイヤーは自分自身がゲームの世界にいるような感覚を得られる。そして、AIがクリエイティブなアセットを生成するだけでなく、そのアセットを分析して技術的なデータを提供するという自動化されたプロセスは、開発の手間を大幅に削減し、ユーザー体験を向上させている。

さらに、AIの高速な処理能力により、キャラクターや敵の作成プロセス自体がゲームプレイの一部になっている。ユーザーはヒーローとモンスターの両方をデザインするという、これまでにない役割を担うことで、従来のゲームでは味わえなかった創造的な楽しみ方を体験できるのだ。SelfSprite Maze Gameは、単なるゲームという枠を超え、AIがエンターテイメントとどのように融合し、新しい体験を生み出すかを示す素晴らしい例と言えるだろう。これは、AIが単なるツールではなく、遊び方そのものを変える可能性を秘めていることを示している。

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