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【ITニュース解説】Synchronous,Asynchronous in JavaScript

2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「Synchronous,Asynchronous in JavaScript」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

JavaScriptの「同期処理」は、コードが順番に実行され、前の処理が終わるまで次へ進まない。一方「非同期処理」は、処理の完了を待たずに別の処理を進めることができ、システムのパフォーマンス向上に貢献する。

出典: Synchronous,Asynchronous in JavaScript | Dev.to公開日:

ITニュース解説

プログラミングにおいて、コンピュータがコードをどのように実行するかという「処理の流れ」の理解は非常に重要である。特にJavaScriptのような言語では、この処理の流れに「同期」と「非同期」という二つの異なる実行モデルが存在する。システムエンジニアを目指す上で、これら二つの概念を深く理解することは、効率的で高性能なアプリケーションを開発するための基礎となる。

まず、同期処理、すなわち「Synchronous」な処理について説明する。同期処理とは、プログラムのコードが上から下へ、一行ずつ順番に実行される実行モデルである。これは最も基本的なコードの実行方法であり、ある行の処理が完了するまで、次の行の処理は開始されないという厳格なルールに従う。コンピュータは、記述された命令を文字通り「同期」させて、一つずつ着実に実行していく。

例えば、次のJavaScriptコードを考える。

1console.log("Hi")
2console.log("Welcome")

このコードが実行されると、まず最初の行にあるconsole.log("Hi")という命令が実行される。この命令は、画面やコンソールに「Hi」という文字列を表示する処理である。JavaScriptの実行環境は、この「Hi」の表示処理が完全に完了するまで待機する。表示が完了したと認識されてから、ようやく次の行の命令であるconsole.log("Welcome")の実行に移る。そして、「Welcome」の表示処理が完了する。したがって、このコードの出力は、必ず「Hi」の後に「Welcome」となる。

同期処理の最大の利点は、その実行順序が非常に予測しやすい点である。コードを読めば、どの処理がどの順番で実行されるかが一目瞭然であり、バグが発生した場合の原因特定やデバッグ作業が比較的容易である。単純なロジックや、複数の処理が厳密な順序で行われる必要がある場面では、同期処理は直感的で理解しやすい実行モデルとして機能する。しかし、同期処理には大きな課題も存在する。もし途中に非常に時間のかかる処理(例えば、インターネット経由で大量のデータをダウンロードする処理や、複雑な計算を行う処理など)が含まれている場合、その処理が完了するまで、その後に続くすべての処理が完全に停止してしまう。これにより、ウェブアプリケーションでは画面が更新されなくなったり、ユーザーの入力に全く反応しなくなったりと、アプリケーション全体が応答不能な状態に陥ることがある。これは「ブロッキング」と呼ばれ、ユーザー体験を著しく損なう原因となる。

このような同期処理の限界を克服し、アプリケーションの応答性やパフォーマンスを向上させるために考案されたのが、非同期処理、すなわち「Asynchronous」な処理である。非同期処理では、時間のかかるタスクを実行する際に、そのタスクの完了を待たずに、すぐに次のタスクへと処理を移すことができる。時間のかかるタスクは「バックグラウンド」で実行され、完了した時点でその結果がプログラムに通知されるという仕組みである。これにより、メインの処理フローが途中で停止することなく、複数のタスクを効率的に並行して進めることが可能となる。

JavaScriptでは、ウェブブラウザやNode.jsといった実行環境が、この非同期処理をサポートするための様々な仕組みを提供している。その中でも、指定した時間後に処理を実行するsetTimeout関数は、非同期処理の挙動を理解するための良い例である。

次のコードを考えてみる。

1console.log("Task1")
2setTimeout(() => {
3  console.log("Task2")
4}, 2000);
5console.log("Task3")

このコードが実行されると、まず最初の行にあるconsole.log("Task1")が同期的に実行され、画面に「Task1」と表示される。次に、setTimeout(() => { console.log("Task2") }, 2000)という命令が実行される。この命令は、「2000ミリ秒(すなわち2秒)が経過した後に、console.log("Task2")という処理を実行してください」という指示を、JavaScriptの実行環境に対して予約するものである。重要なのは、このsetTimeout関数自体は、2秒間待つことなく、すぐに完了するという点である。つまり、console.log("Task2")が実際に実行されるのを待たずに、プログラムはすぐに次の行へ処理を移す。

そのため、setTimeoutの直後にあるconsole.log("Task3")が即座に実行され、画面に「Task3」と表示される。そして、最初のsetTimeoutで指定された2秒という時間が経過した後に、予約しておいたconsole.log("Task2")が実行され、最後に「Task2」が表示される。この一連の流れの結果、このコードの出力は、「Task1」の後に「Task3」、そして最後に「Task2」という順序になる。

非同期処理の最大のメリットは、前述の通り、メインの処理フローをブロックすることなく、時間のかかる処理をバックグラウンドで実行できる点である。これにより、アプリケーションは常にユーザーの入力に応答し続けることができ、全体的な応答性やパフォーマンスが大幅に向上する。ユーザーは待たされることなく、他の操作を続けられるため、よりスムーズで快適なユーザー体験を提供できるようになる。ウェブブラウザでページを読み込んでいる間に他の要素をクリックしたり、表示を待たずにスクロールしたりできるのは、非同期処理のおかげである。しかし、非同期処理は同期処理に比べて、コードの記述や処理の流れの把握が複雑になりやすいという側面もある。特に複数の非同期処理が絡み合う場合、実行順序の予測やエラーハンドリングが難しくなることがあるため、慎重な設計と実装が求められる。

まとめると、同期処理は、プログラムの命令を一つずつ着実に実行する、予測可能なモデルである。一方、非同期処理は、時間のかかる処理をバックグラウンドで進めつつ、他の処理を並行して行うことで、アプリケーションの応答性を高めるモデルである。システムエンジニアを目指す上で、JavaScriptにおけるこれら二つの処理モデルの理解は不可欠である。現代のウェブアプリケーション開発では、ユーザーからの入力、サーバーとの通信、ファイルの読み書き、データベース操作など、多くの場面で非同期処理が活用されている。これらの処理を効率的に、かつエラーなく実装するためには、同期処理と非同期処理それぞれの特性を理解し、適切な場面でこれらを使い分ける技術が求められる。効率的でユーザー体験の良いソフトウェアを開発するためには、この二つの概念の深い理解と、それを実践する能力が非常に重要となる。

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