【ITニュース解説】第860回 Ubuntu+Visual Studio Code+Ollamaでプログラムの相談をする

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ITニュース概要

Ubuntu環境のVisual Studio Codeで、AI Toolkit拡張機能とOllamaを連携させる方法を紹介。AIがプログラムの相談に乗ってくれる環境を構築できる。Ollamaをフロントエンドとして利用し、Visual Studio Code上でAIの支援を受けながら開発を進められるようになる。

ITニュース解説

「第860回 Ubuntu+Visual Studio Code+Ollamaでプログラムの相談をする」というニュース記事は、システムエンジニアを目指す初心者が、現代のプログラミング開発においてどのように人工知能(AI)を活用できるかを示す、非常に実践的な内容だ。開発環境のセットアップからAIとの効果的な連携まで、具体的な手法が解説されている。 まず、プログラミングを行う上での土台となるオペレーティングシステム(OS)についてだ。記事では「Ubuntu(ウブントゥ)」というOSが使われている。これは、WindowsやmacOSなどと同様にコンピューターを動かすための基本的なソフトウェアだが、特に「Linux(リナックス)」というOSの種類に属する。Ubuntuは無償で利用でき、世界中の多くの開発者によって日々改良が続けられているオープンソースのOSだ。その安定性と高いカスタマイズ性から、プログラミングを行うための環境として非常に多くのエンジニアに選ばれている。システムエンジニアを目指すなら、このような開発者向けのOSに触れておくことは、技術的な理解を深める上で非常に価値がある。 次に、プログラムのコードを書くための中心的なツールが「Visual Studio Code(ビジュアルスタジオコード)」、通称「VS Code」だ。これは単なるテキストエディタではなく、コードの入力補助、エラーチェック、デバッグ(プログラムの誤りを見つけて修正する作業)機能、さらにバージョン管理システムとの連携など、プログラミング作業に必要な多くの機能を備えている。そのため、「統合開発環境(IDE)」に匹敵するほどの高機能エディタとして広く知られている。VS Codeは無料で提供されており、Windows、macOS、Linuxといった様々なOSで動作するため、世界中の多くのプログラマーに愛用されている。その豊富な拡張機能によって、利用者のニーズに合わせて機能を柔軟に追加・カスタマイズできる点も大きな魅力だ。 そして、この記事の核心となるのが「Ollama(オラマ)」というツールだ。Ollamaは、近年話題になっている「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれる人工知能を、自分の手元のコンピューター(ローカル環境)で動かすためのプラットフォームである。ChatGPTのようなクラウドベースのAIサービスは便利だが、インターネット接続が必須であり、自分のプログラムコードやデータを外部のサーバーに送信することになる。しかしOllamaを使えば、あらかじめAIの「脳」となるモデルをダウンロードしておけば、インターネットに繋がっていなくても、自分のコンピューターだけでAIに質問したり、プログラムの相談をしたりできる。これは、機密性の高いコードを扱う際のプライバシー保護の観点から非常に重要であり、またインターネット接続がない環境での開発作業においても大きなメリットとなる。情報漏洩のリスクを心配することなく、自由にAIにプログラムに関する疑問を投げかけ、解決策やヒントを得られるのだ。 このOllamaとVS Codeを連携させるための「橋渡し役」が、「AI Toolkit for Visual Studio Code」という拡張機能だ。VS Codeには、さまざまな機能を追加できる「拡張機能」という仕組みがある。このAI Toolkitもその一つであり、これをVS Codeにインストールすると、VS Codeの画面上から直接Ollamaで動作しているAIと対話できるようになる。つまり、プログラムコードを書いている最中に、疑問に思ったことや、より良いコードの書き方、発生したエラーの原因などを、VS Codeの画面内からすぐにAIに質問し、その場で回答やアドバイスを得られるようになるのだ。 このような連携の具体的な活用方法としては、例えば新しいプログラミング言語の構文がわからない時、自分が書いたコードが意図通りに動かない時にデバッグのヒントが欲しい時、あるいはある機能を実装するためにどのようなコードを書けば良いかといった相談など、多岐にわたる。VS Codeでコードを修正しながら、同時にAIにアドバイスを求められるため、開発の効率が格段に向上する。わざわざWebブラウザを開いて検索したり、別のAIサービスにアクセスしてコードをコピーアンドペーストしたりする手間が省ける点は、日々の開発作業において非常に大きな利点となる。 このように、Ubuntuを基盤とし、VS Codeという強力なコードエディタでプログラムを記述し、さらにOllamaとAI Toolkit for Visual Studio Codeの連携によってAIの知恵を借りながら開発を進めるという一連の流れは、現代のプログラミング学習や実務において非常に有効な手段である。システムエンジニアを目指す初心者にとっては、AIをただのツールとして使うだけでなく、自分の開発環境に深く組み込んで活用する具体的な方法を学ぶ良い機会となるだろう。今後、技術者として働く上で、このようなAIとの協調は避けて通れないテーマとなり、効率的な開発や高度な問題解決のために必須のスキルとなるはずだ。

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