【ITニュース解説】UE5:Unreal EngineのInterfaceについてまとめた
2025年09月14日に「Zenn」が公開したITニュース「UE5:Unreal EngineのInterfaceについてまとめた」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Unreal Engine 5 (UE5) のC++によるインターフェース機能、特にUInterfaceについて解説。筆者自身の理解を深めるため、その使い方や選定基準をまとめた自己学習メモで、実装の詳細に焦点を当てている。
ITニュース解説
Unreal Engine 5 (UE5) は、ゲーム開発から建築、映像制作まで幅広い分野で活用される強力なプラットフォームだ。このUE5で効率的かつ柔軟なシステムを構築するために、「Interface(インターフェース)」という機能は非常に重要な役割を果たす。特にC++でUE5を扱う場合、「UInterface(ユーインターフェース)」という形でその恩恵を最大限に活用できる。システムエンジニアを目指す上で、このような設計の概念を理解することは、将来的に高品質なソフトウェアを開発するために不可欠なスキルとなるため、その基本と応用を理解しておくことは非常に価値がある。
まず、プログラミングにおけるInterfaceの基本的な考え方から説明する。Interfaceとは、あるオブジェクトが「どのような能力を持っているか」という約束事を定義したものだ。これは、具体的な処理内容(実装)を伴わず、ただ「こういうことができるよ」という宣言だけを行う。例えば、「攻撃できる」というInterfaceを定義した場合、そこには「どうやって攻撃するか」という具体的な手順は含まれない。あくまで「攻撃という行為をサポートする機能を持っている」という宣言だけが存在する。このInterfaceは、異なる種類のオブジェクトが共通の能力を持つことを保証し、それらのオブジェクトを統一的な方法で操作できるようにするための「契約」のようなものだと考えると分かりやすい。
UE5では、このInterfaceの概念が「UInterface」としてC++側で提供されている。UE5のゲームオブジェクトは通常「UObject」という基本的なクラスから派生しており、UInterfaceはこのUObjectの強力なシステムと連携して動作する。UInterfaceは、ゲーム内の様々なアクターやコンポーネントが、互いに直接的な依存関係を持つことなく、共通の機能を提供したり、他のオブジェクトと通信したりするための柔軟な手段を提供する。これは、大規模で複雑なゲームシステムを構築する上で、非常に重要な設計原則となる。
UInterfaceを導入することには、いくつかの大きなメリットがある。第一に、「多態性(ポリモーフィズム)」の実現だ。多態性とは、異なる種類のオブジェクトが、同じ命令に対してそれぞれの具体的な実装に基づいて動作すること。例えば、「攻撃できる」というUInterfaceを定義し、それをプレイヤーキャラクター、敵キャラクター、そして自動で攻撃するタレットのそれぞれに実装させたとしよう。これらのオブジェクトは内部で異なる攻撃ロジックを持っているが、外部からは「攻撃できる」という同じUInterfaceを通して「攻撃する」という命令を実行できる。これにより、呼び出し側はオブジェクトの具体的な種類を知る必要がなくなり、コードの記述が非常にシンプルになる。
第二のメリットは、「疎結合化」の促進だ。これは、システム内の各コンポーネントやオブジェクトが互いに強く依存せず、独立して機能することを意味する。UInterfaceを使用することで、あるオブジェクトが別のオブジェクトの特定のクラス型を知らなくても、共通のInterfaceを介して対話できるようになる。もし特定のクラスの実装が変更されても、Interfaceが定義する「契約」さえ守られていれば、そのInterfaceを利用している他のオブジェクトには影響が及ばない。これは、システムの変更や拡張が容易になり、保守性が向上することに直結する。
第三に、「拡張性」の向上だ。新しいゲーム要素やキャラクターを追加する際に、既存のUInterfaceを実装するだけで、その新しい要素を既存のシステムに容易に組み込むことができる。例えば、「アイテムを使用できる」というUInterfaceがあれば、新しく追加されたアイテムやキャラクターがこのInterfaceを実装するだけで、既存のアイテム使用システムにすぐに適合できる。これにより、システムの進化に合わせて柔軟に対応できる強固な基盤を築ける。
C++でUInterfaceを実装する流れは以下のようになる。まず、UInterface自体を定義する。これは、UCLASS(MinimalAPI, Blueprintable)のようなマクロを使い、IInterfaceというUE5が提供する基底クラスを継承して行う。このInterfaceクラス内には、他のクラスに実装してほしい関数(メソッド)をUFUNCTIONマクロを使って宣言する。これらの関数は、純粋仮想関数(= 0)として宣言することで、Interfaceを実装するクラスが必ずその関数をオーバーライドしなければならないという「契約」を強制できる。
次に、このUInterfaceを実際に利用したいクラスに実装する。これは、そのクラスのヘッダーファイルで、定義したUInterfaceをpublic継承することによって行う。例えば、class AMyCharacter : public ACharacter, public IMyAttackInterface のように記述する。そして、Interfaceで宣言された純粋仮想関数を、実装するクラス内で具体的な処理としてオーバーライドして記述する。例えば、void IMyAttackInterface::Attack() { /* 攻撃処理 */ } のようにだ。
他のオブジェクトからこのUInterfaceを介して関数を呼び出す場合は、まず対象のオブジェクトがそのInterfaceを実装しているかを確認する必要がある。これは、UE5が提供するImplements<InterfaceClass>()のような関数や、Cast<InterfaceClass>(Object)のようなキャスト機能を使って行う。Interfaceが実装されていることが確認できれば、そのInterfaceのポインタや参照を使って、Interface関数を安全に呼び出すことができる。これにより、対象オブジェクトの具体的なクラス型を知らずとも、共通のInterfaceを介してその能力を引き出すことが可能になる。
UInterfaceの具体的な使いどころとしては、様々なシナリオが考えられる。例えば、ゲーム内で「ダメージを受けることができる」全てのオブジェクト(プレイヤー、敵、破壊可能なオブジェクトなど)に共通のIDamageableインターフェースを実装させ、TakeDamage(float DamageAmount)関数を定義する。これにより、誰かがダメージを与える処理を実装する際に、相手がどんな種類のものであってもIDamageableインターフェースを介して安全にダメージを与えられるようになる。また、「インタラクトできる」オブジェクトにIInteractableインターフェースを実装し、プレイヤーがそのオブジェクトに近づいた時に共通のInteract()関数を呼び出す、といったインタラクションシステムにも活用できる。さらに、ゲーム内のイベント通知システムを構築する際にも非常に強力で、特定のイベントが発生したときに、そのイベントを購読している(Interfaceを実装している)全てのオブジェクトに通知を送るといった仕組みも簡単に実現できる。
UInterfaceは、Unreal Engine 5のC++開発において、システム設計の柔軟性、拡張性、保守性を大きく向上させるための基盤となる強力な機能だ。オブジェクト間の不要な依存関係を減らし、変化に強いシステムを構築するために不可欠な概念である。システムエンジニアを目指すのであれば、このような設計パターンを理解し、適切に活用できるようになることは、より高品質なソフトウェア開発を行う上で非常に重要なスキルとなるだろう。UE5のUInterfaceは、まさにその実践的な学習の場を提供するものだ。