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【ITニュース解説】Unityにおけるベストな設計アーキテクチャを考えてみた SAMA (Store-And-Messaging Adaptive Architecture)

2025年10月04日に「Qiita」が公開したITニュース「Unityにおけるベストな設計アーキテクチャを考えてみた SAMA (Store-And-Messaging Adaptive Architecture)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Unity開発の設計アーキテクチャ「SAMA」を考察。DI作成経験を基に、最適なプログラム設計手法を探る記事だ。結論として、あらゆる問題に対応できる万能な設計方針は存在しないと述べる。プロジェクトに合わせた柔軟な設計の重要性を示す内容だ。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、プログラムの設計方針、つまり「アーキテクチャ」を理解することは非常に重要だ。特にゲーム開発のプラットフォームであるUnityでは、一般的なソフトウェア開発とは異なる特性があるため、どのような設計が最適かという問いは常に議論の的になる。今回取り上げるのは、Unity開発における設計の課題を解決し、より良い開発体験を目指して提唱された「SAMA(Store-And-Messaging Adaptive Architecture)」という新しいアーキテクチャに関する考察だ。

まず、大前提として知っておくべきは「万能な設計方針は存在しない」ということだ。どんなプロジェクトにも完璧に当てはまる、すべての問題を解決する魔法のような設計はない。プロジェクトの規模、開発メンバー、目標などによって、最適な設計は常に変化する。SAMAもまた、Unity開発における特定の課題に対する一つの有力な解決策として提案されているものだ。

従来のソフトウェア開発では、MVC(Model-View-Controller)やMVVM(Model-View-ViewModel)といった設計パターンが広く使われてきた。これらはプログラムの各部分を「データの管理」「画面の表示」「処理の制御」といった役割に分け、それぞれが独立して機能するように設計することで、コードを整理し、変更しやすくすることを目的としている。しかし、Unityは「GameObject」と「MonoBehaviour」という独自のコンポーネント指向を採用しており、これらの一般的なパターンをそのまま適用しようとすると、しばしば問題が生じる。例えば、MonoBehaviourに多くの処理が集中してしまい、一つのコンポーネントが様々な役割を持つことでコードが複雑化し、変更やテストが難しくなる「密結合」の状態になりやすいのだ。

この密結合の問題を解決し、各コンポーネントの独立性を高めるための重要な技術として、「DI(依存性注入)」が挙げられる。DIは、ある部品が別の部品を直接作り出すのではなく、必要な部品を外部から渡してもらうことで、部品同士の関係を柔軟にする仕組みだ。これにより、部品が特定の相手に「依存」しすぎなくなり、一つ部品を変更しても、他の部品への影響を最小限に抑えることができる「疎結合」な状態を実現する。SAMAはこのDIの考え方を積極的に活用している。

SAMAが提唱する主要な考え方は、「Store(ストア)」と「Messaging(メッセージング)」の二つを核とする点にある。

「Store」は、アプリケーション全体の「状態」、つまりデータや設定を一元的に管理する場所だ。ゲームで言えば、プレイヤーのHPやスコア、アイテムの情報などがここに集約される。Storeは、これらのデータを変更したり、他の部品からの要求に応じてデータを提供したりする役割を担う。そして、データが変更された際には、その変更を必要とする他の部品に通知する仕組みを持っている。これにより、データがどこでどのように変化したのかが明確になり、データの整合性を保ちやすくなる。

一方、「Messaging」は、アプリケーション内の異なる部品間が互いに直接呼び出すのではなく、間接的に情報をやり取りするための仕組みだ。例えば、プレイヤーがボタンを押したという操作は「メッセージ」としてシステムに送られ、そのメッセージを受け取った適切な部品が処理を行う。これにより、各部品は相手が具体的に誰であるかを知らなくても、定められたメッセージを送受信するだけで連携できるため、部品同士の依存関係がさらに減少し、柔軟性が向上する。

SAMAは、これらの考え方を基に、アプリケーションをいくつかの層に分けて構築する。主要な層とその役割は以下のようになる。

  • View (Component): これはUnityのMonoBehaviourが担う部分で、主に画面の表示やユーザーからの入力を受け付ける。例えば、キャラクターのモデルを表示したり、ボタンが押されたことを検知したりする。Viewは基本的に自分で処理ロジックを持たず、受け取った入力をPresenterに伝え、Presenterから指示された通りに画面を更新する。
  • Presenter: Viewと後述のUseCaseの間を取り持つ存在だ。Viewからの入力(「ボタンが押された」など)を受け取ると、それをUseCaseが理解できる形に変換して処理を依頼する。また、UseCaseから処理結果が返ってくると、それをViewが表示できる形に変換してViewに指示する。これにより、Viewは見た目の表示に集中でき、内部の複雑な処理を知る必要がなくなる。
  • UseCase: アプリケーションの具体的な「機能」や「ビジネスロジック」を担う層だ。例えば、「キャラクターを移動させる」「アイテムを使用する」「スコアを計算する」といった、アプリケーションが行うべき主要な処理がここに書かれる。UseCaseは、どのように処理を行うかを知っているが、データの具体的な保存方法や画面の表示方法には関心を持たない。
  • Repository: データの保存や読み込みを担当する層だ。データベースやファイル、ネットワーク通信などを使って、永続的にデータを保管したり、必要な時に取り出したりする。UseCaseはRepositoryを通じてデータにアクセスするため、データの保存方法が変更されても、UseCase自体を変更する必要が少なくなる。
  • Entity: アプリケーションで扱う「データそのもの」を表す。例えば、プレイヤー、アイテム、敵キャラクターなどの情報がこれに該当する。Entityは通常、特定の状態(HP、攻撃力など)と、その状態に対するシンプルな操作(HPを減らすなど)を持つ。

これらの層がDIやMessagingを通じて連携することで、各層はそれぞれの役割に集中し、他の層への依存を最小限に抑えることができる。例えば、Viewの表示方法を変えても、UseCaseのロジックには影響しにくい。また、データの保存方法を変えても、UseCaseはRepositoryを介してデータにアクセスしているため、UseCase側の変更は少なくて済む。

SAMAのような設計アーキテクチャを採用するメリットは多岐にわたる。まず、コードが整理され、どこに何が書かれているかが明確になるため、新しい開発者がプロジェクトに参加した際に理解しやすくなる。次に、各部品が独立しているため、それぞれを単独でテストしやすくなり、バグの発見や修正が容易になる。さらに、機能の追加や変更が必要になった際も、影響範囲が限定されるため、開発効率が向上し、長期的なプロジェクトのメンテナンス性が高まる。

結論として、SAMAはUnity開発における特定の課題、特にMonoBehaviourへのロジック集中と密結合の問題に対して、DIやStore、Messagingといった概念を組み合わせることで、より柔軟でメンテナンス性の高いコードベースを実現しようとするアプローチだ。万能な設計ではないものの、Unityの特性を考慮しつつ、現代的なソフトウェア設計の原則を取り入れた有力な選択肢の一つと言えるだろう。システムエンジニアを目指す上では、このような設計思想を理解し、なぜそのような設計が必要なのか、どのようなメリットがあるのかを深く考えることが、より良いシステムを構築するための第一歩となる。

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