【ITニュース解説】Vite + AWS Lambda + AWS Amplify + AgentCore で簡単なAIチャットアプリを作ってみる
2025年09月16日に「Qiita」が公開したITニュース「Vite + AWS Lambda + AWS Amplify + AgentCore で簡単なAIチャットアプリを作ってみる」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
簡単なAIチャットアプリをVite、AWS Lambda、Amplify、AgentCoreを組み合わせた新しい構成で開発。以前のNext.jsとAmazon Bedrock Agent Coreを使った構成で直面したデプロイ環境の課題を解決するため、よりシンプルな構成を提案した開発事例だ。
ITニュース解説
このニュース記事では、Vite、AWS Lambda、AWS Amplify、そしてAgentCoreという技術を組み合わせて、簡単なAIチャットアプリケーションを構築する方法について解説している。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらの技術がどのように連携し、一つのアプリケーションを作り上げるのかを理解することは、現代のWebサービス開発の基礎を学ぶ上で非常に重要だ。
まず、このアプリケーションが目指すのは、ユーザーがチャット形式でAIと会話できるシンプルなツールだ。ユーザーが何か質問を投げかけると、AIがそれに対して適切な応答を返すという、我々が普段スマートフォンなどで利用しているチャットボットのような機能を想像すると分かりやすいだろう。この種のアプリケーションを作るにあたって、記事の著者は以前にも異なる技術構成で試作していたが、いくつかの課題を感じ、今回新たな構成を検討したという背景がある。
前回の構成では、アプリケーションの見た目や操作を担当する部分(フロントエンド)と、裏側でデータの処理やAIとのやり取りを担当する部分(バックエンド)の公開場所がそれぞれ異なっていたため、管理が複雑だったという。また、AIの「頭脳」に当たる部分の仕組みを深く理解し、それを実装するのに手間がかかり、AIの応答をリアルタイムで画面に表示する「ストリーミング」という機能の実装も難しかったようだ。今回の新しい構成は、これらの課題を解決し、より効率的にAIチャットアプリを開発・運用することを目指している。
それでは、今回の構成で使用される主要な技術要素と、それがアプリケーションのどの部分を担っているのかを一つずつ見ていこう。
まず「Vite(ヴィート)」は、アプリケーションの「フロントエンド」、つまりユーザーが直接見て操作する画面部分を作るための技術だ。これは、JavaScriptというプログラミング言語を使ってウェブページを作る際に、その開発を高速化するためのツールである。Viteを使うことで、開発者は素早く画面の変更を確認しながら効率的にアプリケーションの見た目や機能を構築できる。
次に「AWS Lambda(ラムダ)」は、アプリケーションの「バックエンド」、つまり裏側で動く処理を担当するサービスだ。これは「サーバーレス」という特徴を持つ。サーバーレスとは、開発者が自分でサーバー(プログラムを動かすためのコンピューター)を管理する必要がなく、書いたコードだけをAWSに預けておけば、必要な時に自動的に実行してくれる仕組みのことだ。今回のチャットアプリでは、ユーザーが入力したメッセージを受け取ったり、AIからの応答をフロントエンドに送ったりする「API(アプリケーションが互いに情報をやり取りするための窓口)」としての役割を果たす。
そして「AWS Amplify(アンプリファイ)」は、WebアプリケーションをAWS上に構築し、インターネットに公開(デプロイ)するための総合的なサービス群だ。Webアプリケーションを開発する際には、見た目の部分を作り、裏側の処理を作り、それらをインターネット上で動くように設定し、安全に運用するといった多くの作業が必要になる。AWS Amplifyは、これらの複雑な作業を一つにまとめ、開発者がより簡単にアプリケーションを公開・管理できるように支援する。特に今回の記事では、前回の課題であったフロントエンドとバックエンドのデプロイ環境の分散を解消し、すべてのコンポーネントをAWS上で一元的に管理できるようにする大きな役割を担っている。
最後に「AgentCore(エージェントコア)」だが、これはAmazon Bedrock Agent Coreというサービスを指している。大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる高性能なAIモデルを、より賢く、具体的なタスクを実行できるようにするためのフレームワークだと考えると良いだろう。LLMは人間のような自然な言葉を理解し、文章を生成する能力を持つが、AgentCoreはそれに加えて、ユーザーの複雑な指示を理解し、必要に応じて外部のサービス(例えば、インターネット検索やデータベースの操作など)を呼び出して情報を取得したり、特定のタスクを実行したりする能力を与える。チャットアプリにおいては、ユーザーの質問を解釈し、適切な情報を引き出し、人間らしい自然な言葉で応答を生成する「AIの頭脳」としての役割を担っている。
これらの技術がどのように連携してAIチャットアプリを動かしているのか、その流れを見てみよう。まず、ユーザーはViteで構築されたWebブラウザ上のチャット画面にメッセージを入力する。このメッセージは、AWS Lambdaで作成されたAPIを通じてバックエンドに送られる。Lambda関数は、受け取ったメッセージをAgentCoreに渡し、AIによる処理を依頼する。AgentCoreはメッセージの内容を分析し、大規模言語モデルの能力と、事前に定義されたツール(機能)を組み合わせて最適な応答を生成する。この生成されたAIの応答は、再びLambda関数を通じてフロントエンドのViteアプリに送り返され、ユーザーの画面に表示されるという流れだ。
この新しい構成を採用する主なメリットはいくつかある。一つは、AWS Amplifyを使うことで、アプリケーションのフロントエンドとバックエンドのデプロイと管理がすべてAWS上で完結するため、開発や運用の手間が大幅に削減される点だ。これは、前回の課題であった「デプロイ環境の分散」を見事に解決している。また、AWS Lambdaのようなサーバーレスサービスを利用することで、実際にコードが実行された分だけ料金が発生するため、コスト効率が良いという利点もある。AgentCoreを利用することで、大規模言語モデルを基盤とした高度なAI機能を、比較的容易にアプリケーションに組み込むことが可能になり、ユーザーの複雑な要求にも対応できるAIチャットアプリを構築しやすくなる。さらに、この構成はAIからの応答をリアルタイムで画面に表示する「ストリーミング」の実装も容易にし、よりスムーズなユーザー体験を提供できるようになるだろう。
結論として、このニュース記事で紹介されているVite、AWS Lambda、AWS Amplify、そしてAgentCoreを組み合わせたAIチャットアプリの構築方法は、システム開発の効率性、運用コスト、そしてAIの高度な機能をバランス良く実現する、現代的なWebアプリケーション開発の一つの模範的なアプローチだと言える。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらの技術の役割と連携を理解することは、将来のキャリアにおいて大きな一歩となるだろう。