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【ITニュース解説】'WhiteCobra' floods VSCode market with crypto-stealing extensions

2025年09月13日に「BleepingComputer」が公開したITニュース「'WhiteCobra' floods VSCode market with crypto-stealing extensions」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

悪意ある攻撃者WhiteCobraが、VSCodeなどの開発ツール向けに、仮想通貨を盗む多数の悪質な拡張機能を公開した。これらをインストールすると情報が抜き取られる危険があるため、利用者は注意が必要だ。

ITニュース解説

今回のニュースは、人気のある開発ツール「Visual Studio Code(VSCode)」とその関連ツール「Cursor」「Windsurf」のユーザーを狙ったサイバー攻撃についてだ。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、開発環境のセキュリティは非常に重要なテーマとなるため、この事件から学ぶべきことは多い。

まず、VSCodeについて簡単に説明しておこう。VSCodeは、Microsoftが提供している無料のコードエディタで、非常に多くのプログラマーやシステムエンジニアが利用している。その人気の秘密は、Windows、macOS、Linuxといった様々なOSで動作することに加え、拡張機能(Extension)によって機能を自由に追加・カスタマイズできる点にある。例えば、特定のプログラミング言語のコードを自動で補完してくれる機能や、プログラムのミスを見つけるデバッグ機能、Gitなどのバージョン管理ツールとの連携機能など、数えきれないほどの拡張機能が存在し、開発者の作業効率を劇的に向上させている。これらの拡張機能は、通常、Visual Studio MarketplaceやOpen VSX Registryといった公式のストアやレジストリを通じて提供され、ユーザーは必要なものを手軽にインストールできる仕組みだ。

しかし、この便利な拡張機能の仕組みが悪用されたのが、今回の「WhiteCobra」による攻撃である。WhiteCobraと名乗る脅威アクター(悪意を持ってサイバー攻撃を行う者)は、Visual Studio MarketplaceとOpen VSX Registryの両方に、合計で24個もの悪意のある拡張機能を公開した。これらの拡張機能は、一見すると正規の、役に立つように見える名前や説明が付けられていたため、何も知らないユーザーは、それが危険なものであるとは気づかずにインストールしてしまう可能性があった。狙われたのは、VSCodeだけでなく、VSCodeをベースにしたAI開発ツールであるCursorや、Web開発者向けのWindsurfといったツールを使用するユーザーも含まれていた。

悪意のある拡張機能がもたらす最大の危険は、ユーザーのコンピューター上で不正な操作を秘密裏に実行する点にある。今回のWhiteCobraのケースでは、その目的は暗号資産(仮想通貨)の窃盗だった。具体的な手口としては、拡張機能をインストールしたユーザーのコンピューターから、暗号資産ウォレットの秘密鍵やパスワード、取引履歴などの機密情報を盗み出したり、ユーザーが気づかないうちに不正な取引を実行させたりすることが考えられる。これらの情報は、暗号資産を管理するための非常に重要なデータであり、一度流出してしまえば、ユーザーが保有する暗号資産が全て抜き取られてしまうといった深刻な被害につながる。悪意のあるコードは、コンピューターのOSレベルで情報を収集したり、ネットワークを通じて外部のサーバーにデータを送信したりと、様々な方法で不正行為を働くことが可能だ。

このような攻撃から身を守るために、システムエンジニアを目指す皆さんが知っておくべきこと、そして実践すべきセキュリティ対策はいくつかある。まず最も重要なのは、拡張機能をインストールする際の「注意深さ」だ。公式のマーケットプレイスだからといって、必ずしも全てが安全であるとは限らないという認識を持つべきだ。拡張機能をインストールする前には、以下の点を必ず確認する習慣をつけよう。

第一に、拡張機能の「開発元」を確認することだ。信頼できる企業や個人が開発しているか、実績があるかといった情報を調べてみよう。 第二に、「評価」と「レビュー」を参考にする。多くのユーザーから高評価を得ており、不審なレビューが見当たらないかを確認する。ただし、偽のレビューが投稿される可能性もあるため、これだけで判断するのは危険だ。 第三に、「ダウンロード数」も一つの指標になる。非常に人気があり、多くの人に利用されている拡張機能は、一般的に信頼性が高い傾向にある。ただし、これも絶対ではない。 第四に、拡張機能が要求する「権限」に注目する。例えば、単なるテキストエディタの拡張機能が、ネットワークへのフルアクセスやファイルシステムの広範な読み書き権限を要求している場合など、その機能に不釣り合いな権限を求めている場合は警戒すべきだ。 最後に、常に「最新の情報」に注意を払うこと。今回のようなセキュリティニュースは、いち早くチェックし、自分の開発環境に影響がないかを確認する習慣をつけよう。もし、すでに悪意のある拡張機能をインストールしてしまった可能性がある場合は、すぐにアンインストールし、システム全体のセキュリティスキャンを実行すること、そして関連するパスワードや秘密鍵の変更を検討することが賢明だ。

今回のWhiteCobraによる攻撃は、開発環境そのものが攻撃の標的となる可能性を示している。システムエンジニアにとって、安全なコードを書くことだけでなく、安全な環境で開発を行うことも等しく重要であるということを強く認識させてくれる事件だ。常にセキュリティ意識を持ち、疑わしいものには手を出さない、そして新しい脅威に対して常に学び続ける姿勢が求められる。自分の開発環境を守ることが、最終的には自分自身の資産やプロジェクトの安全を守ることにつながるのだ。

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