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NOT演算(ノットエンザン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NOT演算(ノットエンザン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

否定論理 (ハイテイロンリ)

英語表記

NOT operation (ノットオペレーション)

用語解説

NOT演算は、論理演算の一つであり、入力された真偽値を反転させる働きを持つ。これは「否定」を意味する最も基本的な操作である。コンピュータ内部では、あらゆる情報が「真」と「偽」、あるいは「「1」と「0」という二つの状態の組み合わせで表現されるため、NOT演算はこの二つの状態を入れ替える、極めて基礎的かつ重要な処理となる。AND演算やOR演算と並び、論理回路の設計からプログラミングにおける条件判断、データ処理に至るまで、コンピュータシステムのあらゆる場面で不可欠な役割を果たす。この演算は、他の論理演算と異なり、一つの入力に対して一つの出力を生成する単項演算である点が特徴だ。

詳細に説明すると、NOT演算の働きは主に二つの側面から理解できる。一つは真偽値に対する論理的な反転であり、もう一つはビット単位での反転である。

まず、真偽値に対するNOT演算について解説する。論理学やプログラミングにおいて、「真」(True)と「偽」(False)は基本的な概念である。NOT演算は、この「真」が入力されれば「偽」を出力し、「偽」が入力されれば「真」を出力する。例えば、ある条件「A」が真である場合、「NOT A」は偽となる。逆に、条件「B」が偽である場合、「NOT B」は真となる。プログラミング言語では、「!」(エクスクラメーションマーク)や「not」といったキーワードで表現されることが多い。例えば、Python言語では not TrueFalse となり、not FalseTrue と評価される。これは、プログラムが特定の条件が成立しない場合に処理を実行したいときなどに頻繁に利用される。例えば、「もしユーザーが管理者でなければ、アクセスを拒否する」といった条件文 if not is_admin: のように記述される。これは、is_admin という変数が False の場合に if ブロック内の処理を実行するという意味になる。このように、NOT演算は、ある状態の「逆」や「否定」を表現するために不可欠な要素である。システムエンジニアがプログラムを設計する上で、特定の条件に合致しない場合のアクションを定義する際など、非常に多様な場面でこの論理的な反転の概念を活用することになる。

次に、ビット演算としてのNOT演算について説明する。コンピュータ内部では、すべてのデータは2進数、つまり「0」と「1」のビット列として扱われる。ビット演算におけるNOT演算は、「ビット反転」や「1の補数」とも呼ばれ、入力されたビット列の各ビットを個別に反転させる処理を指す。具体的には、あるビットが「0」であればそれを「1」に、あるビットが「1」であればそれを「0」に変換する。例えば、2進数のビット列 0101 にNOT演算を適用すると、結果は 1010 となる。ここで、一番左のビットが0から1へ、二番目のビットが1から0へ、というようにすべてのビットが反転していることがわかる。このビット反転は、特定のビットパターンを生成したり、データの符号を反転させる(より厳密には2の補数と組み合わせて利用されるが、その基礎となる)際の基礎となったりする。例えば、ネットワークのサブネットマスクの計算において、IPアドレスのネットワーク部とホスト部を識別するためにビット単位のAND演算やNOT演算が利用されることがある。あるサブネットマスクに対してNOT演算を行うことで、ホスト部を示すビットパターンを生成し、これをIPアドレスとAND演算することでホストアドレスを抽出するといった低レベルなデータ操作において頻繁に用いられる。システム内部のデータを直接操作するような場面では、このビット単位のNOT演算の理解が不可欠となる。

NOT演算の重要性は、単独での利用にとどまらない。他の論理演算であるAND演算やOR演算と組み合わせることで、より複雑で高度な論理判断やデータ操作を実現できる。例えば、ある条件が「Aではない、かつBである」という状況は (NOT A) AND B と表現でき、論理の組み合わせによって無限の可能性が広がる。また、論理学には「デ・モルガンの法則」という重要な法則があり、例えば NOT (A AND B)(NOT A) OR (NOT B) と論理的に等価であることを示している。これは、複雑な論理式を簡略化したり、異なる表現に変換したりする際にNOT演算が中心的な役割を果たすことを意味する。プログラミングにおいて、可読性を高めるために論理式を等価な別の形に書き換える際などに、この法則とNOT演算の知識が役立つ。データベースの検索クエリにおいても、WHERE NOT (条件) のように、特定の条件に合致しないレコードを抽出するためにNOT演算が利用される。「特定の状態にないデータ」を効率的に検索するためには、NOT演算の適用が不可欠となる。さらに、デジタル回路の設計においても、NANDゲート(NOT AND)やNORゲート(NOT OR)といったNOT演算が組み込まれた基本的な論理ゲートが多数存在し、これらを組み合わせることで複雑な電子回路が構成されている。

このように、NOT演算は、真偽値の反転からビットレベルのデータ操作、さらには複雑な論理構築に至るまで、システムエンジニアが扱うあらゆるIT分野において、その基礎を支える極めて汎用性の高い、そして本質的な演算である。コンピュータが情報を処理する上での最も基本的な「否定」の概念を具現化するものであり、その理解はコンピュータサイエンスのあらゆる学習の出発点となる。

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