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OXC(オック)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

OXC(オック)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

光クロスコネクタ (ヒカリクロスコネクタ)

英語表記

Optical Cross-Connect (オプティカル・クロス・コネクト)

用語解説

OXCはOptical Cross-Connectの略称であり、日本語では光クロスコネクトと訳される。これは、光通信ネットワークにおいて、入力された光信号を電気信号に変換することなく、光のまま任意の出力ポートへと経路を切り替える装置である。現代のインターネットや通信サービスを支える大規模な光ファイバー網、特に波長分割多重(WDM)技術が用いられる基幹ネットワークのノード(分岐点や合流点)に設置され、膨大な量のデータを効率的に伝送するための重要な役割を担っている。通信トラフィックが爆発的に増加し続ける中で、従来の方式では限界があったネットワークの柔軟性、拡張性、経済性を飛躍的に向上させる技術として不可欠な存在となっている。

従来、光ネットワークで信号の経路を切り替える際には、一度光信号を電気信号に変換するOEO(Optical-Electrical-Optical)変換方式が主流であった。この方式では、まず受信した光信号をフォトダイオードなどで電気信号に変換し、次にLSIなどの電子回路を用いてデータの宛先を判断し、経路を切り替える。そして最後に、切り替えられた電気信号をレーザーダイオードなどで再び光信号に変換して送信する。このOEO変換は、信号の再生(リタイミング、リシェイピング、リジェネレーティングの3R機能)が可能であるという利点を持つ一方で、いくつかの深刻な課題を抱えていた。第一に、通信速度の高速化に伴い、電気処理回路が性能的なボトルネックとなり、大容量化への追従が困難になる点である。第二に、光と電気の相互変換を行うための高価な送受信器がポートごとに必要となり、システム全体のコストが増大する。第三に、変換処理に多くの電力を消費し、発熱量も大きくなる。これらの課題は、ネットワーク全体の運用コストを引き上げ、拡張性を著しく制限する要因となっていた。

OXCは、こうしたOEO変換方式の課題を根本的に解決するために開発された。OXCの最大の特徴は、光信号を光のまま(オールオプティカルで)スイッチングする点にある。これにより、電気処理部が介在しないため、原理的に伝送速度や信号フォーマットに依存しないという優れた透過性(トランスペアレンシー)を持つ。つまり、将来的に1テラビット毎秒を超えるような超高速な光信号が登場したとしても、OXC装置自体を交換することなく対応が可能となり、ネットワークの長期的な拡張性を確保できる。また、高価で消費電力の大きいOEO変換器が不要になるため、装置の小型化、低消費電力化、低コスト化が実現できる。データセンター間を結ぶ長距離通信網や国際海底ケーブル網など、膨大なデータを低遅延かつ低コストで伝送する必要がある場面において、OXCの導入は極めて効果的である。

OXCが光の経路を切り替えるための具体的な実現方式としては、いくつかの技術が存在するが、代表的なものにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術がある。これは、半導体製造技術を応用して作られた微小な鏡(マイクロミラー)を物理的に動かすことで、光の反射方向を精密に制御し、入力ファイバーから来た光を目的の出力ファイバーへと導く技術である。数ミリ角のチップ上に多数のマイクロミラーを三次元的に配置し、それらを静電気力などで個別に傾けることにより、多数のポート間での自由な接続(スイッチング)を可能にする。このほか、石英ガラス基板上に形成した光の通り道(導波路)の屈折率を熱で変化させて経路を制御するPLC(Planar Lightwave Circuit)方式や、液晶を用いて光の進む方向を制御するLCoS(Liquid Crystal on Silicon)方式などもある。

OXCは、その切り替え単位によって分類されることもある。ファイバーケーブルごと経路を切り替えるものをFXC(Fiber Cross-Connect)、WDM伝送されている光信号の中から特定の波長だけを取り出して経路を切り替えるものをWXC(Wavelength Cross-Connect)と呼ぶ。特にWXCは、ROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)と呼ばれる、ネットワークの途中経路で特定の波長の信号を柔軟に追加・分岐させる装置のコア技術として広く利用されており、遠隔操作でネットワーク構成を動的に変更することを可能にしている。このように、OXCは増大し続ける通信需要に応え、柔軟で経済的な次世代光ネットワークを構築するための基盤技術として、その重要性を一層高めている。

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