Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

RAID 1(レイドワン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RAID 1(レイドワン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

レイドイチ (レイドイチ)

英語表記

RAID 1 (レイドワン)

用語解説

RAID 1は、複数のディスクを組み合わせて冗長性や性能を向上させる技術であるRAID(Redundant Array of Independent Disks)の一つである。その中でもRAID 1は、データ保護と高可用性を最優先とするシンプルな構成として知られている。システムエンジニアを目指す初心者にとって、ディスク障害に対する基本的な対策を理解する上で、RAID 1は非常に重要な概念となる。

RAID 1の基本的な考え方は「ミラーリング」と呼ばれる。これは、同じデータを同時に複数のディスクに書き込み、常に同じ内容のコピーを複数保持するという方式である。この構成を実現するためには、最低でも2台のディスクが必要となる。たとえば、2台のディスクでRAID 1を構成した場合、一方のディスクに書き込まれたデータは、もう一方のディスクにも全く同じ内容で書き込まれる。これにより、もし1台のディスクが故障したとしても、もう1台のディスクに完全なデータのコピーが存在するため、システムは停止することなく稼働を継続できる。これがRAID 1の提供する高い冗長性とフォールトトレランス(耐障害性)である。

詳細に入ると、RAID 1におけるデータの書き込み処理は、コントローラによって制御される。RAIDコントローラは、オペレーティングシステムやアプリケーションからの書き込み要求を受け取ると、そのデータを構成する全てのディスク(通常は2台)に対して並行して書き込む。この際、全てのディスクへの書き込みが完了するまで、書き込み処理は完了と見なされない。これにより、データの完全な同期が保証され、常に全てのディスクが同じデータ状態を保つ。結果として、書き込み性能は基本的に最も遅いディスクの書き込み速度に律速されるため、単一ディスクと比較して劇的に向上するわけではない。むしろ、複数のディスクに同時に書き込むオーバーヘッドがあるため、場合によってはわずかに低下することもある。

一方、データの読み出し処理においては、RAID 1は一定の性能向上が期待できる。データは両方のディスクに存在するため、RAIDコントローラはどちらか一方のディスクからデータを読み出すことができる。高度なRAIDコントローラは、どちらのディスクがより早くデータを提供できるか、あるいはアクセス要求を分散させる「ロードバランシング」といった技術を用いて、読み出し性能を向上させることがある。これにより、複数の読み出し要求が同時に発生した場合でも、それぞれ異なるディスクから並行してデータを読み出すことが可能となり、理論的には単一ディスクの読み出し速度の最大2倍程度の性能を発揮できる可能性がある。

RAID 1の最大の利点は、ディスク障害発生時の挙動にある。もし構成している2台のディスクのうち1台が故障した場合、RAIDコントローラはその故障を検知し、故障したディスクへのアクセスを停止する。しかし、もう一方の健全なディスクには全てのデータが完全に残っているため、システムは中断することなく、健全なディスクからデータの読み書きを継続できる。この状態を「縮退運転」または「デグレードモード」と呼ぶ。システム管理者やユーザーは、サービスが継続している間に故障したディスクを交換することが可能である。新しいディスクが取り付けられると、RAIDコントローラは健全なディスクから新しいディスクへデータをコピーし、ミラーリング状態を再構築する。このプロセスを「リビルド(再構築)」と呼ぶ。リビルド中は、システムへの負荷が増加し、一時的にI/O性能が低下する可能性があるが、完了すれば再び完全な冗長性が確保される。この一連の流れにより、システムのダウンタイムを最小限に抑え、高い可用性を維持できるのである。

RAID 1の明確なメリットは、前述の高いデータ可用性と耐障害性、そして障害発生時の復旧の容易さにある。ディスク交換とリビルドによって、比較的迅速に元の状態に戻すことが可能である。また、構成がシンプルであるため、他の複雑なRAIDレベルと比較して理解や実装が容易である点も初心者にとっては利点となる。さらに、読み出し性能の向上が期待できる場合がある点も無視できない。

しかし、RAID 1にはいくつかのデメリットも存在する。最も大きなデメリットは、記憶容量の効率性である。同じデータを2つのディスクに保存するため、利用可能なストレージ容量は、搭載されているディスクの総容量の半分になってしまう。例えば、1TBのディスクを2台使用してRAID 1を構築した場合、利用できる容量は1TBのみであり、残りの1TBは冗長性のために費やされる。これは、容量あたりのコストが高くなることを意味する。書き込み性能は単一ディスクと比較して大きく向上しないか、場合によっては低下する可能性がある。また、RAID 1はディスクの物理的な故障に対して非常に強いが、RAIDコントローラ自体の故障や、オペレーティングシステムまたはアプリケーションレベルでのデータ破損、ユーザーによる誤操作、ウイルス感染といった種類の障害からはデータを保護できない。これらの障害に対しては、RAIDとは別のバックアップ戦略やデータ復旧計画が必要となる。

結論として、RAID 1は、システムディスク、重要なデータベース、ログファイル、またはミッションクリティカルなアプリケーションのデータなど、高い可用性とデータ保護が求められる用途に非常に適している。容量効率は低いが、そのシンプルな構造と確実なデータ保護能力は、特にディスク障害によるサービス停止を避けたい環境において強力なソリューションとなる。システムエンジニアとして、データ保護の基礎を学ぶ上で、RAID 1の特性と利点、そして限界を理解することは必須である。

関連コンテンツ