UNION句(ユニオンク)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
UNION句(ユニオンク)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ユニオン句 (ユニオンク)
英語表記
UNION clause (ユニオン クラウス)
用語解説
UNION句とは、SQL(Structured Query Language)において、複数のSELECT文の実行結果を一つの結果セットとして統合するために使用される演算子である。データベースから取得したデータを縦方向、すなわち行方向に結合したい場合にこの機能が活用される。例えば、異なるテーブルに格納されているが構造が似ているデータや、同じテーブルから異なる条件で抽出されたデータをまとめて表示したい場合などに非常に有効だ。UNION句の基本的な動作は、結合される複数のSELECT文の結果から重複する行を自動的に排除し、ユニークな行のみを最終的な結果として返すという特徴を持つ。これにより、複数の情報源から得られたデータを整理し、重複のない統合的なデータビューを作成することが可能になる。
UNION句の詳細な利用にはいくつかの重要な要件と特性の理解が不可欠である。まず、UNION句で結合される全てのSELECT文は、同じ数の列を持ち、かつ、それぞれの列が互換性のあるデータ型である必要がある。例えば、最初のSELECT文が顧客の氏名(文字列型)と年齢(整数型)を返す場合、二番目のSELECT文も同様に氏名(文字列型)と年齢(整数型)を返さなければならない。列の順序も重要であり、結合結果では最初のSELECT文で指定された列の順序がそのまま採用される。最終的な結果セットの列名も、基本的に最初のSELECT文で指定された列名が使われるため、エイリアス(別名)を使用する場合は最初のSELECT文で定義することが一般的だ。これらの制約は、結合されたデータが単一の整合性のある構造を持つようにするために設けられている。
UNION句には大きく分けてUNIONとUNION ALLの二つの形式が存在する。
UNIONは前述の通り、結合された結果セットから重複する行を自動的に排除する。この重複排除のプロセスは、データベースシステム内部で一時的なソートやハッシュ処理といった追加の操作を必要とするため、特に大量のデータを扱う場合には、クエリの実行パフォーマンスに影響を与える可能性がある。具体的には、結合対象の全ての行をメモリ上に読み込み、それぞれを比較して重複を特定し、ユニークな行だけを抽出するという処理が行われるため、CPUリソースとI/Oリソースを消費する。したがって、真に重複排除が必要な場合にのみUNIONを使用することが推奨される。
一方、UNION ALLは、結合されるSELECT文の結果に含まれる重複行をそのまま全て結合する。重複排除のための追加処理を行わないため、一般的にUNIONよりも高速に実行される傾向がある。もし、重複行が存在しても問題ない場合や、全てのデータを統合して表示したいという目的であれば、UNION ALLを選択することで不要な処理を削減し、クエリのパフォーマンスを向上させることができる。システムエンジニアとしては、このUNIONとUNION ALLの違いを理解し、目的とデータ量に応じて最適な方を選択する判断力が求められる。
UNION句の利用シナリオは多岐にわたる。例えば、ある企業のデータベースに「正社員」と「契約社員」の情報をそれぞれ異なるテーブルで管理している場合、これらを一つの従業員リストとして表示したいときにUNION ALLが有効だ。もし、これらのテーブルに重複する従業員(例えば、契約社員から正社員になったが、両方のテーブルにデータが残っている場合など)が存在する可能性があり、最終リストでは重複を排除したいならUNIONを用いる。また、同じテーブル内で異なる期間(例:今月の売上データと先月の売上データ)や異なる条件(例:高額購入者と頻繁購入者)で抽出した結果を統合し、一つのレポートとして出力したい場合などにも幅広く利用される。
ORDER BY句に関する注意点として、UNION句で結合された結果セット全体に対しては一度だけ、一番最後に適用されるというルールがある。個々のSELECT文の内部でORDER BY句を使用しても、多くの場合エラーになるか、意図しない順序で結果が表示される可能性がある。正しく結果をソートするためには、全てのSELECT文が記述された後、結合された結果セットの最後にORDER BY句を配置する必要がある。例えば、SELECT column1 FROM table1 UNION ALL SELECT column1 FROM table2 ORDER BY column1;のように記述する。
さらに、データ型の互換性について、データベースシステムは可能な限り自動的にデータ型を変換しようとすることがある。例えば、一方のSELECT文が整数型を返し、もう一方が小数点数型を返す場合、結果は小数点数型に変換されることがある。しかし、このような暗黙的な型変換は、予期しないデータの丸めや精度損失、あるいはエラーを引き起こす可能性があるため、可能な限り明示的な型変換関数(CASTなど)を使用して、データ型を一致させることを強く推奨する。NULL値の扱いは、UNIONで比較される際に、他のNULL値と同等とみなされることが一般的だが、DBMSや設定によって振る舞いが異なる場合があるため、注意が必要である。
結論として、UNION句は複数のデータソースを統合し、一貫性のある結果セットを作成するための強力なSQL機能だ。しかし、その強力さを最大限に引き出し、かつ効率的に利用するためには、列の整合性、UNIONとUNION ALLの明確な違いとパフォーマンスへの影響、そしてORDER BY句の適切な配置といった特性を深く理解し、状況に応じて適切に使い分ける知識と経験がシステムエンジニアには求められる。