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VDT症候群(ブイディーティショウコウグン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

VDT症候群(ブイディーティショウコウグン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

VDT症候群 (ブイディーティーしょうこうぐん)

英語表記

VDT syndrome (ブイディーティーシンドローム)

用語解説

VDT症候群は、情報化社会においてコンピュータなどのVDT(Visual Display Terminals:ディスプレイ、キーボード、マウスなどの情報機器)を用いた長時間の作業によって引き起こされる、身体的および精神的な一連の不調の総称である。システムエンジニア(SE)を目指す初心者にとって、この症候群の理解と適切な対策は、キャリアを健康的に継続する上で極めて重要となる。SEの業務は、プログラミング、設計書作成、テスト、デバッグ、ドキュメント編集など、VDT作業が中心となるため、VDT症候群のリスクに常に晒されていると言える。この症候群は単なる目の疲れや肩こりとして軽視されがちだが、放置すると仕事の生産性低下だけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があるため、その全体像を正しく認識し、予防に努めることが肝要である。

VDT症候群の主な原因は、長時間にわたる連続的なVDT作業と、それに伴う不適切な作業環境や姿勢、休憩不足などが挙げられる。具体的には、画面を長時間凝視することによる目の酷使、無理な体勢での作業による身体への負担、そして精神的な集中状態の持続によるストレスなどが複合的に作用して発症する。

VDT症候群が引き起こす症状は多岐にわたる。まず、最も頻繁に訴えられるのが「目の症状」である。長時間の画面凝視はまばたきの回数を減少させ、ドライアイを引き起こす。また、画面の光刺激や、ディスプレイ上の文字や画像を常に焦点合わせ続けることによる眼筋の疲労は、眼精疲労、目の痛み、かすみ目、目の充血、さらには一時的な視力低下につながることがある。これらの目の症状は、頭痛や吐き気を併発することもあり、作業効率の低下を招く。

次に、「身体的な症状」としては、肩こり、首の痛み、背中の痛み、腰痛が挙げられる。これらは、ディスプレイやキーボード、マウスの配置が不適切であったり、椅子に深く腰掛けずに前かがみになったりするなど、不適切な姿勢で長時間作業を続けることによって、特定の筋肉に過度な緊張や負担がかかるために発生する。特に、キーボードやマウスの反復的な操作が多いSEの業務では、腕や手のしびれ、痛み、さらには腱鞘炎を発症するリスクも高まる。これらの身体的な不調は慢性化しやすく、睡眠の質の低下や精神的な負担にもつながる。

さらに、「精神的な症状」や「自律神経系の症状」もVDT症候群の特徴として見られる。長時間の集中作業や残業、人間関係のストレスなどが重なることで、倦怠感、集中力の低下、イライラ、不安感といった症状が現れることがある。ひどい場合には、不眠やうつ状態を引き起こす可能性もある。また、自律神経のバランスが乱れることで、めまい、動悸、吐き気、食欲不振といった症状が現れることもあり、これらは身体的な不調と相互に悪影響を及ぼし合うことで、症状をより深刻なものにする可能性がある。

VDT症候群の予防と対策には、作業環境の改善と作業方法の改善が不可欠である。作業環境の改善としては、まずディスプレイの適切な配置が挙げられる。ディスプレイは、目から40~70cm程度の距離を保ち、画面の上端が目線と同じか、やや下になるように高さを調整することが望ましい。画面の明るさやコントラストは、周囲の照明に合わせて調整し、画面への映り込み(グレア)を防ぐために、反射防止フィルターの使用や照明の配置を工夫することも有効である。椅子と机の高さも重要で、深く腰掛けた際に足の裏全体が床にしっかりつく高さに調整し、背もたれを適切に利用して腰や背中への負担を軽減する。室内の照明は、ディスプレイの明るさと極端な差がないように調整し、間接照明などを活用して目に優しい環境を整える。室温や湿度も、快適に作業できる状態を維持することが重要である。

作業方法の改善においては、「休憩を適切にとる」ことが最も重要である。厚生労働省のガイドラインでも、一連続作業時間が1時間を超えないこと、連続作業と次の連続作業の間に10~15分程度の休憩を挟むことが推奨されている。この休憩中には、ディスプレイから目を離して遠くを見たり、軽いストレッチを行ったり、目の体操をしたりするなどして、身体と目をリフレッシュさせる。意識的にまばたきを増やすことも、ドライアイの予防に効果的である。また、長時間にわたる残業は避け、十分な睡眠をとることも心身の健康維持には不可欠である。日常的に適度な運動を取り入れることは、全身の血行を促進し、肩こりや腰痛の予防に役立つだけでなく、ストレス解消にもつながる。バランスの取れた食事を心がけ、栄養面からも健康をサポートすることも重要である。

企業側にも、労働者の健康を守るための責任がある。労働安全衛生法に基づき、事業者にはVDT作業従事者への健康診断の実施、作業環境の管理、作業管理、健康管理といった義務が課せられている。SEを目指す初心者は、これらの企業の取り組みを理解し、自身も積極的に活用することで、VDT症候群のリスクを低減できる。

システムエンジニアという職業は、専門性が高く、社会に貢献できる素晴らしい仕事である。しかし、VDT作業が中心となる特性上、自身の健康管理に対する意識を高く持つことが求められる。VDT症候群は、適切な知識と対策があれば十分に予防可能な症状群である。症状が現れてから対処するのではなく、日頃から予防策を講じ、体調の変化に注意を払うことが、SEとしてのキャリアを長く、そして充実したものにするための第一歩となるだろう。自身の健康を守ることは、結果として仕事のパフォーマンス向上にもつながるため、SE初心者として技術の習得に励む傍ら、健康管理にも十分に配慮することが肝要である。

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