XML-RPC(エックスエムエルアールピーシー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
XML-RPC(エックスエムエルアールピーシー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
XML-RPC (エックスエムエルアールピーシー)
英語表記
XML-RPC (エックスエムエルアールピーシー)
用語解説
XML-RPCは、異なるコンピュータ間で手続き(関数やメソッド)を呼び出すためのリモートプロシージャコール(RPC)を実現するプロトコルだ。XML-RPCは、HTTPをトランスポート層として、XMLをデータ形式として使用する。これにより、異なるOSやプログラミング言語で動作するシステム間でも、比較的容易に連携が可能になる。
XML-RPCの概要は、クライアントがサーバに対して、呼び出す手続きの名前と引数をXML形式で記述したリクエストをHTTP経由で送信する。サーバはリクエストを受け取り、指定された手続きを実行し、その結果をXML形式で記述したレスポンスをHTTP経由でクライアントに返す。クライアントはレスポンスを受け取り、結果を解釈して利用する。この一連の流れが、XML-RPCの基本的な動作となる。
XML-RPCの詳細について説明する。まず、データ形式であるXMLについてだ。XML-RPCで使用されるXMLは、比較的単純な構造を持つ。基本的には、<methodCall>、<methodName>、<params>、<param>、<value>といった要素が使用される。<methodCall>はリクエスト全体を囲み、<methodName>は呼び出す手続きの名前を指定する。<params>は引数のリストを囲み、<param>は個々の引数を囲み、<value>は引数の値を指定する。値の型は、<int>(整数)、<string>(文字列)、<boolean>(真偽値)、<double>(浮動小数点数)、<dateTime.iso8601>(日付時刻)、<base64>(Base64エンコードされたデータ)、<array>(配列)、<struct>(構造体)などで表現される。
例えば、addという名前の手続きを呼び出し、引数として整数10と20を渡す場合、リクエストのXMLは以下のようになる。
1<?xml version="1.0"?> 2<methodCall> 3 <methodName>add</methodName> 4 <params> 5 <param> 6 <value><int>10</int></value> 7 </param> 8 <param> 9 <value><int>20</int></value> 10 </param> 11 </params> 12</methodCall>
サーバはこれを受け取り、add手続きを実行し、10 + 20の結果である30を返す。レスポンスのXMLは以下のようになる。
1<?xml version="1.0"?> 2<methodResponse> 3 <params> 4 <param> 5 <value><int>30</int></value> 6 </param> 7 </params> 8</methodResponse>
エラーが発生した場合、レスポンスは<methodResponse>の代わりに<fault>要素を含む。<fault>要素は、エラーコードとエラーメッセージを格納した構造体を含む。
XML-RPCの利点は、そのシンプルさにある。仕様が比較的単純であるため、実装が容易であり、多くのプログラミング言語でライブラリが提供されている。また、HTTPを使用するため、ファイアウォールなどのネットワーク環境の影響を受けにくい。
一方、欠点としては、XMLを使用するため、データサイズが大きくなりやすいという点がある。特に、複雑なデータ構造や大きなデータを扱う場合には、オーバーヘッドが大きくなる可能性がある。また、セキュリティに関する機能が組み込まれていないため、SSL/TLSなどの別の手段でセキュリティを確保する必要がある。近年では、より効率的なデータ形式(JSONなど)を使用するJSON-RPCや、より高度な機能を持つREST APIなどが普及しており、XML-RPCの利用は減少傾向にある。しかし、そのシンプルさから、依然として小規模なシステムやレガシーシステムとの連携などで利用されることがある。システムエンジニアを目指す上で、XML-RPCの基本的な仕組みを理解しておくことは、様々なシステム連携技術を理解する上で役立つだろう。