XML (エックスエムエル) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
XML (エックスエムエル) の読み方
日本語表記
エックスエムエル (エックスエムエル)
英語表記
Extensible Markup Language (エクステンシブルマークアップランゲージ)
XML (エックスエムエル) の意味や用語解説
XML(Extensible Markup Language)は、データを構造化して記述するためのマークアップ言語だ。簡単に言うと、データの意味や構造をコンピュータが理解しやすいように表現するための形式と言える。 XMLの概要を理解するためには、まず「マークアップ言語」という言葉の意味を知っておく必要がある。マークアップ言語とは、テキストに特定の意味や役割を与えるためのタグと呼ばれる記号を使って情報を記述する言語のことだ。例えば、HTMLもマークアップ言語の一種で、ウェブページの構造を定義するために使われている。HTMLがウェブページの表示に特化しているのに対し、XMLはデータの構造化に重点を置いている点が大きな違いだ。 XMLの主な目的は、異なるシステム間でデータを交換したり、データを長期的に保存したりする際に、データの意味や構造を正確に伝えることにある。例えば、企業間で商品情報を交換する際や、データベースにデータを保存する際に、XMLが利用されることが多い。XMLを使用することで、データの受け手側は、データの形式や構造を知らなくても、タグに基づいてデータを解析し、必要な情報を正確に取り出すことができる。 XMLの詳細について見ていこう。XML文書は、要素、属性、テキストという3つの主要な構成要素で構成されている。要素は、開始タグと終了タグで囲まれた部分で、データの内容とその意味を表す。例えば、`<商品名>リンゴ</商品名>`という要素は、「商品名」という要素の中に「リンゴ」というテキストデータが含まれていることを意味する。属性は、要素に追加の情報を提供するもので、開始タグの中に記述される。例えば、`<商品 price="100">リンゴ</商品>`という要素は、「商品」という要素に「price」という属性が設定されており、その値が「100」であることを意味する。テキストは、要素の中に含まれる実際のデータそのものだ。 XML文書は、階層構造を持つことができる。つまり、要素の中に別の要素を含めることができるということだ。この階層構造によって、複雑なデータ構造を表現することが可能になる。例えば、以下のように商品情報をXMLで表現することができる。 ```xml <商品リスト> <商品> <商品名>リンゴ</商品名> <価格>100</価格> <産地>青森</産地> </商品> <商品> <商品名>みかん</商品名> <価格>80</価格> <産地>愛媛</産地> </商品> </商品リスト> ``` この例では、「商品リスト」という要素の中に、複数の「商品」要素が含まれており、それぞれの「商品」要素は、「商品名」、「価格」、「産地」という要素を含んでいる。このように、XMLを使うことで、データの構造を明確に定義し、複雑なデータも整理して表現することができる。 XMLを使用する際には、XML文書が整形式であることが重要だ。整形式とは、XMLの文法ルールに正しく従っていることを意味する。例えば、開始タグと終了タグが正しく対応していること、要素が正しくネストされていることなどが挙げられる。整形式でないXML文書は、XMLパーサと呼ばれるソフトウェアによって正しく解析することができないため、エラーが発生する。 また、XMLスキーマという技術を使うことで、XML文書の構造や内容をより厳密に定義することができる。XMLスキーマは、XML文書がどのような要素や属性を持つべきか、それぞれの要素や属性がどのようなデータ型を持つべきかなどを記述するためのものだ。XMLスキーマを使用することで、XML文書の正当性を検証したり、XML文書を生成するためのルールを定義したりすることができる。 XMLは、様々な分野で利用されている。ウェブアプリケーションの設定ファイル、データベースのデータ交換、オフィス文書の保存形式など、XMLの応用範囲は非常に広い。JSON(JavaScript Object Notation)という、より軽量なデータ形式が登場してからは、ウェブアプリケーションにおけるデータ交換の場面ではJSONが主流になりつつあるが、XMLは依然として多くのシステムで利用されている。 XMLを理解することは、システムエンジニアを目指す上で非常に重要だ。なぜなら、多くのシステムでデータの構造化や交換にXMLが使用されているからだ。XMLの基本的な概念や文法、XMLスキーマの知識などを習得することで、様々なシステムの開発や運用に携わる際に役立つだろう。