XML Schema (エックスエムエルスキーマ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
XML Schema (エックスエムエルスキーマ) の読み方
日本語表記
XMLスキーマ (エックスエムエルスキーマ)
英語表記
XML Schema (エックスエムエル スキーマ)
XML Schema (エックスエムエルスキーマ) の意味や用語解説
XML Schemaとは、XML文書の構造やデータ型を定義するためのスキーマ言語のことである。XML文書が特定の構造に従っているか、データ型が正しいかを検証するために用いられる。XML Schemaを用いることで、XML文書の品質を向上させ、異なるシステム間でのデータ交換を円滑にすることが可能になる。 XML Schemaは、W3C(World Wide Web Consortium)によって標準化されたXMLベースの言語である。以前はDTD(Document Type Definition)がXML文書の構造定義によく用いられていたが、XML SchemaはDTDよりも表現力が高く、データ型の定義や名前空間のサポートなど、より高度な機能を提供する。 XML Schemaの主な役割は、XML文書の構成要素(要素、属性)の定義、要素や属性のデータ型の指定、要素の出現回数の制約、要素間の関係性の定義などである。これにより、XML文書が特定のビジネスルールやアプリケーションの要件を満たしているかを検証できる。 XML Schemaの詳細について説明する。XML Schemaは、要素と属性を定義するための様々な構成要素を提供する。要素定義では、要素の名前、データ型、出現回数、子要素の定義などを指定する。データ型は、文字列、数値、日付など、様々な種類が用意されており、独自のデータ型を定義することも可能である。 属性定義では、属性の名前、データ型、デフォルト値、必須属性か否かなどを指定する。属性のデータ型も、要素と同様に様々な種類が用意されている。 要素の出現回数は、`minOccurs`属性と`maxOccurs`属性を用いて指定する。`minOccurs`は要素の最小出現回数を、`maxOccurs`は要素の最大出現回数を表す。例えば、`minOccurs="0"`、`maxOccurs="1"`と指定すると、その要素は省略可能で、最大1回までしか出現しないことを意味する。`maxOccurs="unbounded"`と指定すると、出現回数に制限がないことを意味する。 要素間の関係性は、複雑型定義(complexType)を用いて定義する。複雑型定義は、要素が他の要素や属性を子要素として持つ場合に用いられる。複雑型定義の中では、シーケンス(sequence)、選択(choice)、全て(all)などのコンポジターを用いて、子要素の出現順序や選択肢を定義できる。シーケンスは、子要素が指定された順序で出現することを意味し、選択は、子要素の中からいずれか1つを選択することを意味し、全ては、子要素の出現順序は任意だが、全て出現することを意味する。 XML Schemaは名前空間をサポートしている。名前空間は、XML文書内で使用される要素や属性の名前の衝突を避けるために用いられる。XML Schemaでは、`targetNamespace`属性を用いて、スキーマが定義する名前空間を指定する。また、`xmlns`属性を用いて、名前空間のプレフィックスを定義し、要素や属性を特定の名前空間に所属させることができる。 XML Schema文書は、通常、`.xsd`という拡張子のファイルに記述される。XML文書をXML Schemaに基づいて検証するには、XMLパーサーまたは検証ツールを使用する。これらのツールは、XML文書がXML Schemaの定義に従っているかをチェックし、エラーがあれば報告する。 XML Schemaの利用は、多くのメリットをもたらす。データの整合性を確保し、データ交換時のエラーを減らすことができる。また、XML文書の構造を明確に定義することで、アプリケーション開発を効率化し、ドキュメントの品質を向上させることができる。XML Schemaは、現代のシステム開発において不可欠な技術の一つであると言える。