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【ITニュース解説】10 Years of Java and I Still Can’t Get These Basics Right

2025年09月16日に「Medium」が公開したITニュース「10 Years of Java and I Still Can’t Get These Basics Right」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Java開発歴10年のベテランプログラマでも、基本的な部分でミスをすることがある。記事は、習熟とは完璧ではなく、間違いを減らすことだと指摘。どんな経験年数でも、基礎を完璧にこなすのは難しいが、間違いから学ぶ姿勢が重要だと示唆する。

ITニュース解説

あるJava開発者が10年の経験を持ちながらも、基本的な部分でいまだにミスを犯すことがあると語っている記事は、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、非常に重要なメッセージを含んでいる。プログラミングの「熟練」とは、決して間違いを全くしない完璧な状態を指すのではなく、初歩的なミスを減らし、もしミスをしてもそれを早期に発見し、修正し、そしてそこから学ぶ能力を高めることを意味する。これは、これからプログラミングを学ぶ皆さんにとって、希望となる考え方だろう。

記事では、Java開発者が陥りやすい具体的な基本的なミスについて触れている。まず一つは、オートボクシングとアンボクシングに関連する問題だ。Javaには、intのようなプリミティブ型と、Integerのようなラッパークラスという二つの数値表現がある。これらは自動的に変換される便利な機能があるが、==演算子を使って比較する際に落とし穴がある。Integerオブジェクト同士の==比較は、値が小さい範囲ではキャッシュの仕組みにより同じ値でもtrueになることがあるが、ある範囲を超えるとfalseになることがある。これはオブジェクトの参照を比較しているためで、期待する「値の比較」とは異なる結果を生む。常にequals()メソッドを使って値を比較する習慣をつけることが重要だ。

次に、Java開発者を最も悩ませるエラーの一つ、NullPointerException(NPE)がある。これは、存在しないオブジェクト(null)のメソッドを呼び出そうとしたときに発生するエラーだ。オブジェクトが本当に存在するか、つまりnullではないかを確認するチェックを怠ると、このエラーは頻繁に発生する。最近のJavaではOptionalクラスというものが導入され、nullになりうる値を明示的に扱うことで、NPEの発生を防ぐ助けになっている。常にオブジェクトがnullではないことを意識し、適切にハンドリングすることが、堅牢なコードを書く上で不可欠である。

コレクションAPIの基礎知識も、しばしば見落とされがちだ。ArrayListLinkedListは、どちらもリスト構造を持つが、内部的なデータの持ち方やアクセス、挿入、削除の性能特性が大きく異なる。状況に応じて適切なコレクションを選択しないと、システムの性能に大きな影響が出る可能性がある。また、HashSetHashMapのようなハッシュベースのコレクションを使う際には、オブジェクトのhashCode()メソッドとequals()メソッドを正しく実装することが極めて重要だ。これらが正しくない場合、コレクションが要素を正しく識別できず、期待通りの動作をしなくなる。

ジェネリクスもまた、多くの開発者がその真髄を理解するのに苦労する部分だ。ジェネリクスはコードの型安全性を高め、コンパイル時に多くのエラーを発見してくれる強力な機能だが、Javaのジェネリクスは「型消去」という仕組みを持っており、実行時には型情報の一部が失われる。ワイルドカード<?>の利用方法や、extendssuperを使った型の指定(PECSの原則)を正しく理解することは、柔軟かつ安全なコードを書く上で不可欠だ。

文字列操作に関しても、基本的ながら重要な点がある。JavaのStringオブジェクトは不変(immutable)である。これは一度作られたStringオブジェクトは内容を変更できないことを意味する。文字列の連結操作を頻繁に行うと、そのたびに新しいStringオブジェクトが生成され、メモリの使用量が増えたり、性能が低下したりする可能性がある。このような場合は、内容を変更できるStringBuilderStringBufferを使うことが推奨される。

例外処理は、プログラムの安定性を保つ上で非常に重要だ。記事では、catchブロックで例外を単に「飲み込んで」しまい、何もしないことが危険であると指摘している。例外を無視すると、何が問題だったのか、どこで問題が起きたのかが分からなくなり、デバッグが非常に困難になる。例外が発生したら、適切にログを記録し、ユーザーに通知したり、処理を安全に終了させたり、あるいは上位の呼び出し元に例外を再スローしたりするなど、適切な対応を取るべきだ。try-catch-finallyブロックの正しい使い方を理解し、クリーンアップ処理は必ずfinallyブロックに書くといった原則を守る必要がある。

最後に、並行処理とスレッドに関する問題も挙げられている。複数の処理を同時に実行するマルチスレッドプログラミングは、システムの性能を向上させる一方で、非常に複雑でデバッグが難しい問題を引き起こしやすい。データの競合を防ぐためにsynchronizedキーワードを使ったり、メモリの可視性を保証するためにvolatileキーワードを使ったり、あるいはjava.util.concurrentパッケージのような高度な並行処理ツールを適切に利用したりと、多くの知識と経験が必要となる。

これらの基本的なミスは、初心者だけでなく、経験豊富な開発者でもうっかり犯してしまうことがある。それは、プログラミング言語が進化し、システムが複雑になる中で、常に新しい知識を追いかける必要があり、基本的な部分がおろそかになりがちだからだ。また、日々の開発において、集中力が途切れたり、疲労が蓄積したりすることもミスの原因となる。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、この事実は決して落胆するものではない。むしろ、ミスは避けられないものであり、重要なのはそこからいかに学ぶかだということを教えてくれる。基本的な概念を軽視せず、公式ドキュメントや信頼できる書籍でしっかりと基礎を固めることが重要だ。コードを書いたらテストを行い、デバッグスキルを磨き、他の開発者からのコードレビューを通じて多様な視点を取り入れる習慣をつけることも有効だ。完璧なコードを目指すのではなく、継続的に改善し、学習し続ける姿勢が、真の熟練への道である。

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