【ITニュース解説】How I Built Practical AI Tools From Scratch and Actually Used Them
2025年09月21日に「Medium」が公開したITニュース「How I Built Practical AI Tools From Scratch and Actually Used Them」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
週末を活用してゼロから実用的なAIツールを開発し、自身の仕事に導入した経験を解説。AIツールがどのように業務プロセスを効率化し、仕事の進め方を変えたかを紹介する。システムエンジニアがAIを実用化する一例を示す。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す皆さんにとって、日々の業務を効率化するツールは常に興味の対象だろう。今回紹介する記事では、一人の開発者が、既存のAIツールでは満たせなかった自身の具体的なニーズに応えるため、ゼロから実用的なAIツールを構築し、それを実際に仕事に活用した経験について語っている。この話は、AIが私たちの働き方をどのように変えうるか、そして、特別な専門家でなくとも、アイデアと少しの努力で自分だけの強力なツールを生み出せることを示している。
著者はまず、なぜ自分でAIツールを作る必要があったのかを説明する。ChatGPTのような汎用的なAIは非常に便利だが、特定の仕事の流れや個人的な要求に完璧にフィットさせるのは難しい場合がある。例えば、ある特定の形式で情報を要約したり、特定のデータから必要な部分だけを抽出したりといった、個別のタスクに特化した機能は、既存のツールでは実現しにくい。そこで著者は、自分自身の「かゆいところに手が届く」ツールを開発することで、日々の非効率を解消しようと決意したのだ。
AIツールを自作する上で、著者はいくつかの重要な原則を掲げた。一つは「シンプルさ」で、複雑なシステムは避け、機能も最小限に絞ることを心がけた。もう一つは「実用性」で、実際に日々の仕事で役立つものを作ることを目標とした。そして「反復性」、つまり、小さく作り始め、テストを繰り返し、そこから得られたフィードバックをもとに改善していくというアプローチだ。これらの原則は、開発プロジェクトを成功させる上で非常に重要となる。
開発プロセスは、いくつかの明確なステップに分けられる。最初のステップは「解決したい問題を特定すること」だ。たとえば、長い記事を読むのに時間がかかる、会議の議事録作成が面倒だ、コードのドキュメント化が後回しになりがちだ、といった具体的な課題を見つける。次に「ツールの設計」に移る。どんな情報を入力として受け取り、どんな結果を出力として求めるのか、そしてユーザーが操作するための画面(ユーザーインターフェース)をどうするかを考える。著者は、GradioやStreamlitといった、Web上で簡単に画面を作成できるライブラリを使うことを推奨している。ツールの裏側で動く処理(バックエンド)にはPythonというプログラミング言語と、OpenAIなどが提供するAIの機能を借りるための窓口(API)を利用する。
設計が終われば、「構築とテスト」のフェーズだ。ここでは、まずは最小限の機能を持つ動くもの、つまりプロトタイプを作成する。そして、実際に自分の仕事のデータを使ってテストし、期待通りの結果が得られるか、使いやすいかを検証する。この段階で得られたフィードバックは非常に貴重で、ツールの改善点を見つけるのに役立つ。最後のステップは「デプロイと改善」だ。作ったツールを自分だけでなく、もし必要であれば他の人も使えるように配置し(例えば、自分のパソコンだけでなく、インターネット上のサーバーに設置するなど)、継続的に機能を改善していく。
著者はこのプロセスを経て、三つの具体的なAIツールを開発した。一つ目は「Summary Buddy」と名付けた記事要約ツールだ。これは、長い技術記事を読む時間を短縮するために作られた。記事のURLを入力すると、その記事の内容をPythonというプログラミング言語を使って取得し、OpenAIの提供するGPTシリーズのAIモデル(GPT-3.5など)のAPIを通じて要約を生成する。ユーザーインターフェースにはWeb上で簡単に画面が作れるGradioが使われた。
二つ目は「Meeting Assistant」という会議アシスタントだ。これは、会議の議事録作成や、重要な議論を見逃さないために開発された。会議の録音データをOpenAIのWhisperという音声認識AIのAPIを使ってテキストに変換し、さらにGPTモデルのAPIを利用して、そのテキストの中から主要なトピック、会議で決まった行動計画(アクションアイテム)、そしてまだ解決されていない疑問点などを抽出する。
三つ目は「Code Documentation Generator」で、これはプログラミングコードのドキュメント(説明文)作成を支援するツールだ。コードのドキュメント化は開発者にとって非常に重要だが、手間がかかる作業でもある。このツールは、コードの断片を入力すると、GPT-4といったさらに高性能なAIモデルのAPIを使って、そのコードに対するコメントや詳しい説明を自動で生成してくれる。このツールの画面にはStreamlitというWebアプリを素早く作れるライブラリが利用された。
これらのツールを開発し、実際に使う中で、著者はいくつかの重要な教訓を得たという。何よりも大切なのは「小さく始めること」だ。完璧なツールを最初から目指すのではなく、まずは最低限の機能を持つものを作り、そこから徐々に改善していくアプローチが成功への鍵となる。また、「シンプルさを保つ」ことも重要で、不必要な機能を追加せず、本当に必要なものに焦点を当てるべきだ。そして、得られたフィードバックをもとに「繰り返し改善する」こと。この反復的なプロセスが、より良いツールを生み出す。さらに、開発のプロセス自体を楽しむこと、そしてPythonの様々なライブラリやOpenAIのような既存のAIサービス(API)といった「オープンソースや既存技術を積極的に活用する」ことが、効率的な開発につながる。
著者の経験は、私たちシステムエンジニアを目指す者にとって大きな示唆を与えている。AIは、特定の作業を自動化し、生産性を劇的に向上させる可能性を秘めている。そして、そのAIツールは、必ずしも複雑な大規模システムである必要はない。個人のニーズに合わせた小さなツールであっても、日々の仕事に大きな変化をもたらすことができる。この話は、技術を学ぶだけでなく、その技術を使って具体的な問題解決に挑戦することの重要性を教えてくれる。自分自身のアイデアを形にし、それを実際に使うことで、より深く技術を理解し、さらに新たなアイデアへとつながるのだ。AIを活用するスキルは、これからの時代、システムエンジニアにとって不可欠な能力となるだろう。