【ITニュース解説】RustDeskをセルフホストして、サクサクリモートデスクトップを使おう
2025年09月05日に「Qiita」が公開したITニュース「RustDeskをセルフホストして、サクサクリモートデスクトップを使おう」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
RustDeskはAnyDesk代替のリモートデスクトップツール。無料版の制限を回避するため、リレーサーバー(hbbs)とID/シグナリングサーバー(hbbr)を自分で構築(セルフホスト)する方法を紹介。これにより、時間制限なくRustDeskを快適に利用できる。自力でのサーバー構築は勉強になる。
ITニュース解説
この記事は、リモートデスクトップソフトであるRustDeskを自分でサーバーを構築して使う(セルフホスト)方法を解説している。特に、最近AnyDeskという別のリモートデスクトップソフトの無料版が使いにくくなったため、その代替手段としてRustDeskのセルフホストを提案している。システムエンジニアを目指す人が理解できるように、リモートデスクトップの仕組みとRustDeskのセルフホストについて解説する。
まず、リモートデスクトップソフトは、遠隔にあるコンピュータの画面を自分のコンピュータに表示し、操作できるようにするソフトウェアだ。これを使えば、自宅から会社のコンピュータを操作したり、外出先から自宅のコンピュータにアクセスしたりできる。
通常、リモートデスクトップソフトは、自分のコンピュータと操作したいコンピュータの間を直接接続するのではなく、中継サーバーを経由して接続する。この中継サーバーは、ソフトウェアの提供元が用意していることが多い。AnyDeskなどの無料版では、この中継サーバーの利用に制限が設けられている場合がある。例えば、一定時間で接続が切断されたり、利用できる機能が制限されたりする。
RustDeskは、オープンソースのリモートデスクトップソフトであり、自分で中継サーバーを構築して利用できる。これをセルフホストという。セルフホストすることで、ソフトウェア提供元による制限を受けることなく、自由にリモートデスクトップを利用できる。
RustDeskのセルフホストには、主に2つのサーバーが必要となる。
1つ目は、リレーサーバー(hbbs)だ。リレーサーバーは、クライアント同士の通信を中継する役割を担う。通常、ファイアウォールやNAT(ネットワークアドレス変換)といったネットワークの仕組みにより、外部からの直接的な接続が難しい場合がある。リレーサーバーは、このような環境下でも、クライアント同士が通信できるように、パケットを中継する役割を果たす。
2つ目は、ID/シグナリングサーバー(hbbr)だ。ID/シグナリングサーバーは、クライアントの認証や接続情報を管理する役割を担う。クライアントがリレーサーバーに接続する際に、ID/シグナリングサーバーに認証を求め、接続に必要な情報を取得する。これにより、不正なアクセスを防ぎ、安全なリモートデスクトップ環境を構築できる。
セルフホストする手順は、一般的に以下のようになる。
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サーバーを用意する: LinuxなどのOSが動作するサーバーを用意する必要がある。クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)を利用しても良いし、自宅にある使っていないPCを利用することも可能だ。サーバーのスペックは、利用人数や利用頻度によって調整する必要があるが、最初は比較的低スペックなものでも十分だ。
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必要なソフトウェアをインストールする: 用意したサーバーに、RustDeskのリレーサーバー(hbbs)とID/シグナリングサーバー(hbbr)のソフトウェアをインストールする。RustDeskの公式サイトやGitHubリポジトリから、必要なソフトウェアをダウンロードできる。
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サーバーを設定する: インストールしたソフトウェアを設定ファイル(configファイル)を編集して、動作に必要なパラメータを設定する。例えば、ポート番号やセキュリティ設定などを行う。
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サーバーを起動する: 設定が終わったら、リレーサーバー(hbbs)とID/シグナリングサーバー(hbbr)を起動する。
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クライアントを設定する: 自分のコンピュータや操作したいコンピュータにRustDeskのクライアントソフトウェアをインストールし、セルフホストしたサーバーのアドレス(IPアドレスやドメイン名)を設定する。
セルフホストすることで、リモートデスクトップの利用制限を回避できるだけでなく、セキュリティやプライバシーの面でもメリットがある。自分でサーバーを管理することで、データの流れを把握し、セキュリティ対策を講じることができる。
ただし、セルフホストには、サーバーの構築や管理といった手間がかかる。サーバーの運用には、ある程度の知識とスキルが必要となる。また、サーバーのセキュリティ対策も自分で行う必要がある。
RustDeskのセルフホストは、リモートデスクトップを自由に利用したい人や、セキュリティやプライバシーを重視する人にとって、有効な選択肢となる。システムエンジニアを目指す人にとっては、ネットワークやサーバーの知識を深める良い機会となるだろう。