【ITニュース解説】10 Ways New Coders Can Use AI Without Generating Code
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「10 Ways New Coders Can Use AI Without Generating Code」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AIはコード生成に使うのではなく、学習の補助ツールとして活用すべきだ。初心者はコードレビュー、難解な概念の説明、デバッグの相談相手、テストケース作成といった用途で使おう。AIは思考を置き換えるのではなく、人間の知性を拡張するためにある。
ITニュース解説
近年、人工知能、特に生成AIの技術が急速に発展し、プログラミングの世界にも大きな影響を与えている。AIに指示を出すだけでコードを自動生成してくれる機能は、一見すると非常に魅力的に映るだろう。しかし、プログラミングを学び始めたばかりの初心者がこの機能に頼ることは、長期的な成長を妨げる大きな落とし穴となり得る。重要なのは、AIを思考の代行者として使うのではなく、自身の学習を加速させるための補助ツールとして賢く活用することである。AIは人間の知性を置き換えるものではなく、それを拡張するために存在する。この考え方こそが、初心者がAIと正しく付き合っていくための基本原則となる。
なぜ初心者はAIにコードを生成させてはならないのか。その最大の理由は、プログラミング学習で最も重要な「思考プロセス」を省略してしまうからだ。プログラミングとは、単にコードを書く作業ではない。解決すべき課題を分析し、それを実現するための論理的な手順を組み立て、具体的なコードに落とし込み、発生したエラーを粘り強く解決していくという一連の思考の訓練である。AIにコード生成を任せてしまうと、この最も重要な問題解決能力や論理的思考力を養う機会を失ってしまう。それは数学の公式や解法を理解せずに、電卓で答えだけを出す行為に似ている。一時的に課題を解決できたとしても、根本的な理解が伴わないため、少し応用的な問題が出た途端に対応できなくなるだろう。また、AIが生成するコードが常に完璧であるとは限らない。そこには誤りが含まれていたり、非効率的な記述がされていたりすることもある。初心者の段階ではそのコードの品質を判断する知識や経験が不足しているため、誤った知識を正しいものとして学んでしまったり、潜在的なバグを抱えたまま開発を進めてしまったりする危険性も孕んでいる。最終的に、AIというツールに依存しきってしまうと、AIなしでは何も考えられない、何も作れないという状態に陥りかねない。技術の世界では常に新しいツールが登場する。特定のツールに依存するのではなく、どんなツールでも使いこなせる普遍的な思考力と基礎知識を身につけることこそが、エンジニアとしての価値を高める上で不可欠である。
では、初心者はAIをどのように活用すれば良いのだろうか。コード生成を目的とするのではなく、学習の質と効率を高めるためのパートナーとして利用する方法が数多く存在する。まず、AIを優秀な家庭教師として活用する方法がある。プログラミング学習では、オブジェクト指向や非同期処理、データベースの正規化といった抽象的で理解が難しい概念に直面することが多い。そうした際に、AIに対して「この概念を初心者にもわかるように、具体的な例えを交えて説明して」と依頼すれば、書籍やドキュメントとは異なる切り口の、自分に合った解説を得ることができる。また、特定の技術を習得するための学習計画、いわゆるロードマップの作成を依頼することも有効だ。これにより、何をどの順番で学ぶべきかという道筋が明確になり、効率的な学習が可能になる。さらに、学習した内容が正しく身についているかを確認するために、AIにオリジナルの問題や質問を作成させて自己評価を行うこともできる。次に、コードの読解力や品質を高めるための補助ツールとしての活用法も考えられる。自分が書いたコードをAIに提示し、レビューを依頼することで、より効率的な書き方や一般的なコーディング規約に沿った修正案、潜在的なバグの指摘など、客観的なフィードバックを得ることができる。これは他者からコードレビューを受ける経験を疑似的に得る良い訓練になる。同様に、他人が書いた複雑なコードや、フレームワークの内部コードなど、理解が難しいソースコードをAIに分析させ、その処理の流れや各部分の役割を解説させることも、読解力を養う上で非常に役立つ。あるプログラミング言語で書かれたコードを別の言語に翻訳させることで、言語間の構文や設計思想の違いを体系的に学ぶことも可能だ。さらに、デバッグ作業における壁打ち相手、いわゆる「ラバーダック・デバッギング」の相手としてもAIは非常に有用である。エラーの原因がわからずに行き詰まった時、問題の状況や試したこと、エラーメッセージなどをAIに言葉で説明する過程で、自分自身の思考が整理され、解決の糸口が見つかることは少なくない。もちろん、AIから直接的なヒントが得られることもあるだろう。その他にも、作成した機能が正しく動作するかを確認するためのテストケースや、様々な入力パターンのサンプルデータを生成させたり、コードに潜むセキュリティ上の脆弱性やパフォーマンスのボトルネックになりそうな箇所を指摘させたりするなど、より実践的なスキルを磨くためのパートナーとしても活用できる。
AIは、プログラミング学習者にとって諸刃の剣となり得る。安易にコード生成を任せれば、思考力や問題解決能力の成長を阻害する足枷となるが、一方で、自身の学習を補助し、知的好奇心を満たすための強力なパートナーとして活用すれば、その成長速度を飛躍的に高めることができる。重要なのは、AIを思考の代替手段と捉えるのではなく、あくまで自身の知性を拡張するためのツールとして位置づけることだ。AIに答えを求めるのではなく、AIを使ってより良い質問を考え、より深い理解に至るための道具として使いこなす意識を持つことが、これからの時代に活躍するエンジニアを目指す上で極めて重要となるだろう。